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発想の転換が生む 北陸の“新たな伝統工芸”

2019年10月31日

北陸は江戸時代以来、華やかな文化で彩られた伝統工芸の盛んな地域だ。そこでは今、従来のものづくりにとらわれない新たな発想で商品を開発、アピールする企業が生まれている。例えば、寺院で使われる「おりん」を製造してきたが、伝統工芸士の技で、やわらかい錫の特性を生かして客が自由に形を変えられる器を開発した富山の企業。片や、海外の展示会出展を契機に、漆器の世界で困難とされていたステンレスへの漆塗りに挑戦、カップなどの商品化に成功した石川の企業。発想の転換で“新たな伝統工芸”を生み出し、海外の市場を開拓しようとする北陸の企業を取材した。

(11分37秒)

テキスト解説を読む

テキスト解説:視覚障害のある方のための文字おこしテキストです。

映像説明: ジェトログローバルアイオープニングタイトル。 薄い青を基調としたコンピューターグラフィックスの背景画。 世界地図の上で回転する、中が空洞になった地球儀から、もうひとつ地球儀が飛び出す。 拡大表示された地球儀の横にタイトルが現れる。 「世界は今、ジェトログローバルアイ」

映像説明: スタジオ。 地球儀と世界地図の画像をバックに、女性キャスターが入ってくる。 薄いグレーのオフショルダーカットソーの胸元に、赤、オレンジ、薄いピンク、黒のぽんぽん玉が1つずつついた濃いグレーのリボンの形のブローチを付け、薄いグレーのオフショルダーカットソーを着て、薄茶色のチェック柄のスカートをはいている。

テロップ: 八木 ひとみ(やぎ ひとみ)

八木(やぎ)キャスター: 世界は今、ジェトログローバルアイ。 加賀百万石(かがひゃくまんごく)と呼ばれ、華やかな文化を築いた石川県をはじめ、北陸3県は日本でも屈指の工芸の盛んな地域です。そこで、今、新たな市場を開拓しようと取り組む企業があります。キーワードは「発想の転換」。今回、番組では、海外のバイヤーが訪れた、福井、石川、富山を取材してきました。

テロップ: 発想の転換が生む 北陸の“新たな伝統工芸”

映像説明: 駐車場。白いボディーにいろいろな色の水玉模様が入った青いラインのある観光バスが駐車している。白とグレーの細いストライプのシャツを着た男性と、ベージュのトップスを着て焦げ茶のリュックサックを手にした女性が降りてくる。ドアの横に、白い袖なしのブラウスを着たボブヘアの女性が立ち、降りてくる人々を出迎えている。 黒いタンクトップを着てベージュのバッグを持った女性が、バスを降りて歩いてくる。髪を紫に染め、えんじ色(いろ)のシャツを着た男性が後ろから続く。バスの横で、白い半袖のワイシャツにグレーのスラックス姿の男性が、バスを降りる人々を笑顔で出迎えている。駐車場の周りには、木の格子窓の付いた、黒い瓦屋根の平屋の日本家屋(にほんかおく)が建っている。ベージュのバッグを持った女性が、バッグの中から白いスマートフォンを取り出す。

テロップ: 2019年9月9~(ここのかから)13日 デザイン・日用品・伝産品輸出商談会 in 北陸 主催:ジェトロ

ナレーション: 9月。欧米から、日本製品を取り扱う店のバイヤーたちが、商談のため、北陸を訪れていた。

映像説明: 建物の内部。髪を赤く染め、白と黒のボーダー柄のカットソーを着た男性や、髪を紫に染め、白と青の細いストライプ柄のシャツを着た男性など、5人ほどのバイヤーの一行が、入口のホールに集まっている。黒地に細かい白の柄(がら)が入った袖の短いシャツを着て、ベージュのバッグを持った女性がスマートフォンをかざしている。その先には、白い半袖シャツに黒のスラックス姿で、眼鏡を掛けた男性が壁に掲げられたパネルを手で示しながら話をしている。隣に立つ黒のスーツ姿の男性が、眼鏡を掛けた男性が話したことを通訳している。画面左下の四角い枠内に、北陸地方の地図のイラスト。海岸線沿いに東から富山県、石川県、福井県の順に並んでいる。富山県は緑色(みどりいろ)に塗られ、高岡市は、県内の北西部の都市で赤い星印で示されている。石川県は黄緑色に塗られ、金沢市は、南北に延びる県の中央に位置する県庁所在地で赤い星印で示されている。福井県はオレンジ色(いろ)に塗られ、鯖江市は県内の北部に位置していて赤い星印で示されている。 障子のある部屋。壁際に置かれた木の棚の前に、紺の甚平を着た男性が立ち、バイヤーの一行が周りを囲んでいる。背の高い棚の上には、白や黒、グレー、緑など、さまざまな色や柄(がら)の焼き物の器やコーヒーカップが並べられ、棚の端には金色に塗られたひょうたんがぶら下がっている。棚の奥の壁には、作業工程の説明が書かれた10枚ほどの写真とガラスの瓶が並んでいる。黒いトップス姿で眼鏡を掛けたボブヘアの女性が、一行に向かって英語で話をしている。 大きな緑の機械が置かれた板の間の部屋。座布団に座り、緑の機械に向かう紺の甚平を着た男性の回りにバイヤーの一行が立っている。緑の機械から突き出たアームの下に、細長い金属製の棒が取り付けられ、高速で上下に動いている。甚平を着た男性が、四角い箱状のものを両手で持ち、アームの下で前後左右に動かす。箱状のものに挟んだ銀色の金属板に、細長い金属製の棒がまんべんなくあたるように、慣れた手つきで箱を動かしていく。

ナレーション: バイヤーたちは、鯖江、金沢、高岡といった歴史ある工芸品(ひん)の産地を巡り、さまざまな職人技を視察。伝統産業(さんぎょう)への理解を深めた。

映像説明: 薄雲が浮かぶ青空の下、低層のビルや黒い瓦屋根の2階建ての建物などが並ぶ静かな道。十字路をバイヤーの一行が歩いていく。赤や黄色(きいろ)の花柄の黒いワンピースを着たセミロングヘアの女性が、驚いた表情で立ち止まる。 道路の脇に立つ濃い灰色の仁王像。左腕を曲げて振り上げ、怒り(いかり)の表情を浮かべている。植え込みの前に立つ低い銅柱には、「日本三大佛(にほんさんだいぶつ) 高岡大佛(たかおかだいぶつ)」という立体的な金色の文字がある。銅柱の上には羽繕いをしている鳥の像が置かれている。

テロップ 富山県 高岡市

映像説明: 仁王像の横の参道は、高い台座の上に鎮座する灰色の巨大な高岡大佛へと続いている。目を閉じた穏やかな 顔を取り囲むように、背中に「円光背」と呼ばれる大きな輪があり、台座の下にある回廊の入り口上には赤いちょうちんが5つ吊るされている。高岡大佛の前には大きな香炉と灯籠が据えられ、その前でバイヤーの一行が集まって話をしたり、大仏を見上げたりしている。

ナレーション: 一行がやって来たのは、鋳物の街として知られる、富山県高岡市。

映像説明: 茶色い壁の家の外観。グレーのブロック塀(べい)に、黒で「(有)(ゆうげんがいしゃ)シマタニ昇龍工房(しょうりゅうこうぼう)」と書かれた白い看板が掲げられ、4本のヘラをひし形に組み合わせたマークの右に「syouryu」(しょうりゅう)と書かれたロゴマークが描かれている。バイヤーの一行が建物の中に入っていく。

テロップ: シマタニ昇龍工房(しょうりゅうこうぼう)

映像説明: 室内。壁際に横木が渡され、さまざまな大きさの金づちや木づちが20本ほど並んでいる。床の上敷かれた四角い布の上に、金属製の大きな鉢のようなものが置かれている。

テロップ: おりん

ナレーション: こちらは、寺院で使われるおりんを専門に製造してきた、明治42年創業のシマタニ昇龍工房(しょうりゅうこうぼう)。

映像説明: 壁際に渡された横木に金づちや木づちが並ぶ作業場。大きな窓の横の棚に、ノミなどの工具が並ぶ。 棚の上の段には、額縁や盾などが飾られている。黒い長袖ポロシャツ姿の男性が窓を背に座り、大きな白いりん棒で、床に置かれた金属製の大きなおりんのふちを軽くたたくと、室内に優しく低い音が響く。正面に座る人が、おりんの方にスマートフォンを向ける。黒い長袖ポロシャツ姿の男性が大きな白いりん棒を置き、おりんを見ながら立ち上がる。

テロップ: 伝統工芸士 シマタニ昇龍工房(しょうりゅうこうぼう) 四代目 昇龍(しょうりゅう) 島谷 好徳 さん

ナレーション: 島谷さんは、全国でも10人に満たないといわれる、おりんの伝統工芸士だ。

映像説明: 作業場。金属製の細長い台の上で、およそ10cm四方の薄い金属の板を金づちで何度もたたくと、表面に円い模様のような跡が残る。金づちを使う黒いカーデガンを着た女性の隣に黒い長袖ポロシャツ姿の島谷さんが座り、金づちの頭の部分を手に取って、指で示しながら話をしている。

テロップ: 鍛金(たんきん)

映像説明: 白いワイシャツに黒いスラックス姿の男性の手が、鏡のように滑らかな小さな金属の板を片手で押さえ、金づちで端から少しずつたたいていく。金づちの跡が円くへこみ、模様が形づくられていく。

ナレーション: バイヤーたちは、ここで、金属の強度を高める鍛金(たんきん)の技術を体験。金づちでたたいているのは、薄いすずの板。実はこれ、このまま商品になるというのだ。

映像説明: 窓際にある木製の棚の上に、中央にかけてゆるやかにくぼんだ形の金属製の四角い皿が飾られている。表面には、模様のような金づちの円い跡が付いている。パンフレットや印刷物が置かれた隣の棚の上には、中央にかけてゆるやかにくぼんだ形の金属製の四角い、大きさの異なる皿が9枚ほど重ねられている。棚のガラス戸の中には、すずでできた長方形の皿や、金づちの円い跡がついた3枚の異なるサイズのすずの板が並べられ、「すずがみ」などと書かれた札(ふだ)が立てられている。 金づちの円い跡が一面に付いたすずの板が置かれている。小さな円の縁(ふち)が少し重なってできた多角形(たかっけい)が均等に隙間なく並び、光を反射して白く輝いている。

テロップ: すずがみ

ナレーション: 金属の中でも弱く軟らかいすずに、鍛金(たんきん)の職人技で適度な強度を施したのが、この「すずがみ」。

映像説明: 茶色の砂壁の作業場の一角。壁に取り付けられた横木に大小さまざまな木づちが9本ほど掛けられている。髪を後ろで1つに結んだ女性が白い手袋をはめた両手で金づちの柄を握りしめている。黒い長袖シャツを着て眼鏡を掛けた男性が手のひらサイズの「すずがみ」の縁(ふち)を触りながら、形を変えている。髪をオレンジに染め、白と黒のボーダー柄のカットソーを着た男性が、手のひらサイズの「すずがみ」の縁(ふち)を触っている。髪を紫色に染め、白と青の細いストライプ柄のシャツを着た男性がスマートフォンを見つめながら笑顔をみせている。 黒い長袖のシャツを着て眼鏡を掛けた男性が、「すずいた」の四方を曲げて作った縁(ふち)を両手で挟み、力を込めてさらに曲げる。くぼみが深くなった「すずいた」の皿をこちらの方に掲げてにっこりする。

テロップ: 発想1 お客に製品を完成させる

ナレーション: 自分の手で、何度でも曲げ伸ばしができる。どんな形にして、どんな用途で使うかは、使い手のアイデア次第だ。

映像説明: 作業場の別の一角。切株のような円い作業台の上に載せた「すずいた」を、黒い長袖ポロシャツ姿の島谷さんが金づちでたたいている。作業台の横でしゃがんで見ていた花柄の黒いワンピースを着たセミロングヘアの女性が、両手の拳を振り、小さく歓声を上げながら立ち上がる。島谷さんから金づちを受け取ると、切株のそばに置かれた椅子に座る。 花柄の黒いワンピースを着たセミロングヘアの女性が、金づちで「すずいた」をたたいている。

テロップ: コロンビアの国旗 キッチン雑貨店オーナー

ナレーション: なかでも、すずがみ作りの体験に夢中になっていたのは、こちらのコロンビアのバイヤー。

映像説明: 白い壁とパーティションで囲まれた部屋。白い長机(長机)の上に、パンフレットや書類、ペットボトルと、大きさの異なる数枚の「すずがみ」が置かれている。コロンビアのキッチン雑貨店オーナーの女性が「すずがみ」を1枚、手にして座り、向かいには白いワイシャツを着た島谷さんが座っている。女性の隣で黒いスーツ姿の男性が話をしている。

ナレーション: 翌日は、熱心な商談が行なわれた。

映像説明: コロンビアのキッチン雑貨店オーナーの女性が身ぶりを交えて、島谷さんに向かって話をしている。黒いスーツ姿の男性がノートにメモを取っている。

コロンビアのキッチン雑貨店オーナー・スペイン語吹き替え: コロンビアではシンプルなデザインのトレンドが高まっているんですよ。

ナレーション: 彼女が最も気に入ったポイントは?

映像説明: コロンビアのキッチン雑貨店オーナーの女性が、身ぶりを交えて話を続ける。

キッチン雑貨店オーナー・スペイン語吹き替え: この商品のメリットは、形を自由自在に変えられて、デザインを自分自身で好きなようにできること。 こういう商品は、ブームにのる可能性があると思います。

映像説明: コロンビアのキッチン雑貨店オーナーの女性が、長机(ながづくえ)に置かれた「すずいた」に手を伸ばす。 すずの板の感触を確かめるように触りながら、正面に座る島谷さんの話を聞いている。

ナレーション: すずの特性と、職人技が生かされたユニークさが、高く評価された。

映像説明: グレーのパーティションが並ぶ部屋で、島谷さんがインタビューに答える。 白い壁とパーティションに囲まれた部屋で、島谷さんとコロンビアのキッチン雑貨店オーナーの女性たちが話をしている。島谷さんの隣には、黒と白のチェックのノースリーブのブラウスを着た女性が座っている。 島谷さんが、金づちの円い跡が付いた手のひらサイズの「すずがみ」の四方の縁(ふち)を折り曲げた、四角い皿を手にしている。 グレーのパーティションが並ぶ部屋で、島谷さんが話を続ける。

島谷さん: まあ、形を変えるのをお客さんに委ねてるっていうかね。 ま、製品であって、半分、あのー、まあ、完成してない製品のところをお客さんに楽しんでもらおうと思って開発しました。

映像説明: 瓦屋根の上にまばゆい日ざしが照りつけている。 店の軒先に、縦長の看板が掲げられている。黒っぽい木の看板には、白い筆文字で「和ろうそく(わろうそく)」と書かれ、赤い看板には、白い文字で「高沢(たかざわ)商店」と書かれている。 黒い瓦屋根に黒い壁の2階建ての店の外観。1階部分には年季の入った木の枠にガラスが入った引き戸が5枚並び、ひさしの下に、黒の筆文字で「灯(ともる)・香(かおる) 和蝋燭(わろうそく) 高澤(たかざわ)」と書かれた白いのれんがはためいている。(映像提供 ニッポン手仕事図鑑)

テロップ: 石川県 七尾市

テロップ: 高澤商店

ナレーション: こちらは明治25年創業の高澤商店。

映像説明: 白やクリーム色(いろ)、側面を朱色に塗ったものなど、太さや長さの異なるろうそくが、横倒しに並べられている。いずれも芯の出ている上部の方が皿のように広がった「イカリ型」のろうそく。 たくさんのクリーム色(いろ)の側面が朱色に塗られたろうそくが、立てて並べられている。ろうそくの上部には、太いクリーム色の芯が突き出している。 木型の上に、たくさんの細い木の棒を等間隔に一列にはめ込んだ木の板が設置されている。木の板から木型の方に突き出た棒は、下半分に紙が巻き付けられている。クリーム色の固形物が付着した黒い容器から、半透明の黄色い液体が木型の中に注ぎ込まれる。(映像提供 ニッポン手仕事図鑑)

ナレーション: 加賀藩の初代藩主、前田利家が奨励したといわれる七尾和ろうそくを、昔ながらの手法で作り続けている。

映像説明: 10本ほど束ねられた木の棒。半分くらいの長さまで白い紙が巻かれ、その上には糸が幾重にも巻かれている。金色のひしゃくから、半透明の黄色い液体が巻かれた糸の上にまんべんなくかけられる。 白いのれんのある部屋。木製の棚の上に、紙と糸が巻かれた木の棒が40本ほど斜めに立てかけられている。棚の奥で、黒い長袖のシャツの上に焦げ茶のエプロンを付けた女性が、数十本もの木の棒を束ね、そろえている。 朱色の液体の表面に白いろうそくの上部と太い芯が見える。液体の中から長い棒をゆっくりと引き上げると、側面が朱色に染まった2本のろうそくが現れる。 黒い小さなナイフで、白いろうそくの上の面から赤いろうを薄く削り取る。真ん中の芯を残して、色の付いた部分がきれいに削られる。 暗闇の中、側面が朱色に塗られたろうそくに火がともされている。(映像提供 ニッポン手仕事図鑑)

ナレーション: 鉱物性の原料のろうと、コットンの芯で作られる西洋のキャンドルに対し、植物由来のろうに、和紙などの芯で作られているのが、和ろうそく(わろうそく)。和紙は、ろうを吸い上げる力が強いため、炎が大きく、燃焼が早いのが特徴だ。

映像説明: テーブルの上に紫のテーブルクロスが敷かれ、その上に読書をする女性の写真が入ったパンフレットが広げられている。パンフレットの上に置かれた平たい紙箱に、曲線的なデザインのグレーのろうそくが5本収められている。竹のように節が入ったものや、ラグビーボールを3つ、縦につなげたようなかたちのなど、1つ1つデザインが異なっている。男性の手が、木の枝のイラストと「JAPANESE BOTANICAL CANDLE」と書かれた小さな薄いグレーのカードを差し出し、指で示す。 木目調の壁の部屋。紫のテーブルクロスが敷かれたテーブルを5人の男女が囲んでいる。テーブルの上に、平たい箱に入った5本のろうそくやパンフレットなどが置かれている。黒いノンカラーのジャケットを着て、髪を後ろで1つに結んだ女性が資料を広げ、向かいに座る白と水色の細いストライプのシャツを着た男性と、身ぶりを交えながら話をしている。

ナレーション: 商談を行なっているのは、スウェーデンのバイヤーだ。

映像説明: 白いパーティションのある部屋。白いTシャツを着て、髪を後ろで1つに結んだ女性がインタビューに答える。

テロップ: スウェーデン国旗 雑貨店オーナー

白いTシャツを着て、髪を後ろで1つに結んだ女性・英語: スウェーデンではキャンドルは日常的に使われている。特に冬は、家庭でその雰囲気が好まれている。

映像説明: 木目調の壁の部屋。テーブルの上に紫のテーブルクロスが敷かれ、その上に読書をする女性の写真が入ったパンフレットが広げられている。パンフレットの上に置かれた平たい紙箱に、曲線的なデザインのグレーのろうそくが5本収められている。竹のように節が入ったものや、ラグビーボールを3つ、縦につなげたようなかたちのなど、1つ1つデザインが異なっている。白と水色のストライプのシャツを着た男性が、木の枝のイラストと「JAPANESE BOTANICAL CANDLE」が書かれた薄いグレーのカードを指さしながら、身ぶりを交えて話をしている。

ナレーション: 欧米にも、和ろうそく(わろうそく)が受け入れられる市場は十分にある。しかし…。

テロップ: 高澤商店 営業担当 玉置 陽一 さん

映像説明: 木目調の壁の前で、白と水色の細いストライプのシャツを着た玉置さんがインタビューに答える。

玉置さん: 燃焼時間が、あの短いっていうのを、ま、あのー、ちょっとネガティブに捉える声っていうのは、実際にまあ、海外でお声をいただいてて。 ま、でも、だからといってコットン芯を使うとなると、それはまあ、和ろうそく(わろうそく)じゃないよねっていうことで、 高澤ろうそくがやるべきことではないかな、という話はしていました。

映像説明: 暗闇の中、側面が朱色に塗られたろうそくに火がともされている。 左側には、ろうの上部が皿のように広がった「イカリ型」の白いろうそく、右側には、葉のように真ん中に膨らみがあり、上下がすぼまった形の白いろうそくにそれぞれ火がともされ、柔らかな光を放っている。(映像提供 ニッポン手仕事図鑑) 木目調の壁の部屋。白と水色の細いストライプのシャツを着た玉置さんが、髪を後ろで1つに結んだスウェーデンの女性バイヤーの前に座り、笑顔で話をしている。

テロップ: 発想2 不満のポイントを逆手にとる

ナレーション: 短いものでは、30分ほどで燃焼してしまうものもある。そこで玉置さんは、不満の声を逆手にとった提案を行なったのだ。

映像説明: 木目調の壁の前で、玉置さんがインタビューに答える。

玉置さん: ま、逆にそういうあの、30分が、あの生活の中に、少し、あの、ゆとりの、時間を与えてくれるというふうに捉えまして。 プレゼンテーションとか、あのー、ま、お勧めをしていたところ、あの、すごく気に入ってくださる海外の方も多くて。

映像説明: 薄暗い部屋の中。ガラス戸の向こうに緑の草木が見える。 石の床の上で、小さな黒い箱型のろうそく立て(たて)の上に置かれた、側面が朱色に塗られたろうそくに火がともされている。(映像提供 ニッポン手仕事図鑑) 窓から自然光の入る明るい部屋の写真。窓際に置かれた木製テーブルに白いシャツをきた女性が座り、テーブルの上に置いた黒っぽい飲み物が入った白いマグカップを手にしている。傍らには2冊の本が重ねられ、小さな黒い箱型のろうそく立て(たて)の上に置かれた、クリーム色(いろ)の短いろうそくに火がともされている。(写真提供 高澤商店) 窓から自然光が入る明るい部屋の写真。白い壁にドライフラワーが飾られている。窓際の白いテーブルの上に、水の入ったグラス、料理やパンを盛りつけた皿が並べられ、青りんごやいちじくを載せた皿のそばにシャンパンのボトルが置かれている。テーブルの真ん中に、葉のように真ん中に膨らみがあり、上下がすぼまった形の長さが異なる白いろうそくが4本並び、すべてに火がともっている。

ナレーション: 和ろうそく(わろうそく)が燃え尽きるまで、例えば、大きな炎の揺らぎのなかで、リラックスして過ごすなどの時間の使い方を提案。

映像説明: 大きな窓に白いレースのカーテンが掛けられた、光の入る部屋の写真。ベージュのシャツとパンツ姿の女性が、フローリングの床に敷かれた水色のマットの上に片足を前に伸ばして座り、前屈をしている。 傍らには、小さな黒い箱型のろうそく立て(たて)の上に、葉のように真ん中に膨らみがあり、上下がすぼまった形の白いろうそくに火がともされ、置かれている。(写真提供 高澤商店)

ナレーション: 今では、アメリカのヨガスクールで採用されているという。

映像説明: 木目調の壁の部屋。紫のテーブルクロスが掛けられたテーブルを囲んで、黒と白のチェック柄の半袖ワンピース姿で眼鏡をかけた女性と白いタンクトップを着てメモを取っている女性、白いトップスの上に半袖のジャケット姿で眼鏡をかけたロングヘアの女性が並んで座っている。白と水色の細いストライプのシャツを着た玉置さんが3人の女性の対面に座り、グレーの平たい箱を開けながら話をしている。 玉置さんが、うなずきながら話を聞いている。

ナレーション: 玉置さんは、今後も、こうした海外のライフスタイルへの提案型の営業を展開していきたいと考えている。

映像説明: 木目調の壁の前で、玉置さんが身ぶりを交えてインタビューに答える。

玉置さん: ただ単にリラクシングでは…、ま、もちろんなんですけれども、メディテーションとか、あとは、もう少し長い、あの、特別なダイニングとかでも提案できたらなと思って。

映像説明: クリーム色(いろ)の壁の部屋。髪を紫に染めた男性と赤に染めた男性バイヤーがテーブルを囲んでいる。テーブルの上には不規則なしま模様が浮かび上がった4台の筒型のランプが置かれ、明かりがついている。太さはすべて同じだが、黄色(きいろ)とピンクのシェードを使用した2台は40cmほどの高さで黒い模様が波のように浮き出ている。青とオレンジのシェードを使用した2台は90cmほどの高さで、青のものは黒い格子模様が波打ち、オレンジのものは黒い模様が波のように浮き出ている。 4台のランプの横に、白と水色のストライプのシャツを着て眼鏡を掛けた男性が座り、口元を指で触りながら話を聞いている。 眼鏡を掛けた男性の隣で、紺の半袖ポロシャツを着た男性が、身ぶりを交えて話をしている。正面に座る髪を赤く染めた男性バイヤーが、背の高い青のシェードを使用したランプを見上げている。

ナレーション: 一方、幻想的な模様を浮かび上がらせるこちらのランプ。海外からの宿泊客も多い高級ホテルで採用されており、海外展開をすすめる声が増えている商品だ。

映像説明: 黒い壁の薄暗い部屋。高さが90cmほどのピンクや青、紫、薄茶、オレンジなどのシェードを使用したランプと、高さが120cmほどの白のシェードを使用したランプが並べられ、それぞれに不規則なしま模様や格子模様を浮き上がらせている。白のシェードを使用したランプの手前には、高さのある黒の台座に載せられた紫のシェードを使用したランプが飾られている。黒い壁には、白でアルファベットの「S」をデザインしたマークと、白の筆文字で「織工房(おりこうぼう) 風美舎(ふうびしゃ)」のロゴが描かれている。その下には、「カラミ織物によるモアレ模様をデザインとしたインテリア照明「モアレマジック」 モアレの不思議な表情をシェードに用い、幻想的な光で空間を華やかに演出します。」と書かれている。ロゴと説明の左側には、無数のヒビのような模様が入った、円い透明なオブジェが額の中に飾られている。

テロップ: 発想3 嫌われものを魅力に変える

ナレーション: この美しい模様、実は、嫌われものなのだという。

映像説明: 空に低い雲が広がっている静かな住宅街。はるか遠くに黒い山影が連なる。まっすぐのびる道の左側に濃いグレーの壁の2階建ての建物がある。手前の屋根のある駐車場にはシルバーと白の2台のミニバンが駐車されている。濃いグレーの建物の隣には、シャッターの下りた、薄いグレーの建物が建っている。

テロップ: 福井市

テロップ: 織工房(おりこうぼう) 風美舎(ふうびしゃ)

ナレーション: 開発したのは、繊維産業(さんぎょう)の盛んな福井で、昭和20年に創業した、織工房(おりこうぼう)風美舎(ふうびしゃ)。

映像説明: 室内。白く細い線が入った透明なついたての前に、120cmほどの高さのピンクのシェードを使用したランプと、御白衣(おびゃくえ)の上に黒い着物、その上に黒い羽織を着たマネキンが並んでいる。黒の着物には薄い生地が使われ、下の御白衣(おびゃくえ)が透けて見える。

テロップ: 法衣

映像説明: 金属製の大きな織り機が自動で動き、薄いグレーの生地を織っている。機械の後部ではグレーの細いたて糸を無数に張った複数の枠が上下に動き、手前には、細長い金属製の横板(よこいた)が前後に動いてグレーの生地を織っていく。

テロップ: カラミ織(からみおり)

ナレーション: 一般的な夏の和装や、僧侶の法衣にも使用されている、カラミ織(からみおり)という生地を製造、販売している。

映像説明: 黒い壁の前に置かれた、青やオレンジ、薄茶のシェードを使用したランプ。不規則なしま模様が浮かび上がっている。

ナレーション: ランプに使用されているのも、このカラミ織(からみおり)の生地。

映像説明: いくつかのパネルが掲げられたベージュの壁の部屋。眼鏡を掛けた男性がテーブルの前に座り、黒のとても薄い生地を広げ、胸の前に掲げている。生地の向こうに男性の姿がはっきりと見える。

ナレーション: ここに、嫌われものが現れるというのだ。

映像説明: 眼鏡を掛けた男性が、薄い生地を持ったままインタビューに答える。男性が薄い生地を2つ折りにして掲げると、不規則なしま模様が浮かび上がる。

テロップ: 織工房(おりこうぼう) 風美舎(ふうびしゃ) 澤田 勝(さわだ まさる) 会長

澤田会長: で、これが、1枚はこういうな、あの、ま、こう透けた感じで何も見えませんけど、2枚合わさったときに、こういったしま模様が出るのね。 これがモアレなんですよ、ね。 で、モアレってもうほんとに、まあ、写真・印刷・繊維の業界使われますけど、ま、どこも、どの業界もみな、こうならないように、あの仕事するっつかね、あの作業されるのがほとんどなんですよね。

映像説明: 不規則なしま模様が浮かび上がった赤い長方形の生地。シルバーの腕時計をはめた手が、生地を挟み込んだ紺のタグを持ち、掲げている。タグには白の筆文字で「織工房(おりこうぼう) 風美舎」(ふうびしゃ)、フランス語で「moiré magic(モアレ マジック)」、「New Sample」と書かれている。

テロップ: モアレ

ナレーション: モアレとは、生地の網目など、規則正しい線を重ねたとき、意図せず現れてしまう視覚的な現象だ。繊維業界では、染色作業でモアレが出た場合は、不良品と見なされるという。

映像説明: 黒い壁の薄暗い部屋。波のようなしま模様や格子模様が浮き出た、90cmほどの高さの紫、青、ピンク、薄茶、オレンジのシェードを使用した筒型のランプと、120cmほどの高さの白いシェードを使用した筒型のランプが並べられている。90cmほどの高さの青、ピンク、薄茶のシェードを使用した筒型のランプにズームインする。

ナレーション: だが、あえてモアレを作り、一点もののデザインと捉えたことで、この照明が生まれた。

映像説明: 白いテーブルの上に置かれた、赤いクッションに黒のモアレが浮き出たクッションのアップ。ベージュの壁の部屋。白いテーブルの上に、コーヒーカップとお菓子が入った小さなトレー、黒のモアレが浮き出た赤いクッションが置かれている。眼鏡を掛けた澤田会長が、クッションを左右にひっぱると、黒いモアレの模様が変化する。

ナレーション: こうした商品開発は、もともと分業制で産業が成り立っていた福井で、大きく事業を転換したことから始まったと、澤田会長は振り返る。

映像説明: クリーム色(いろ)の織り機が並ぶ薄暗い工場の中で、澤田会長が身ぶりを交えてインタビューに答える。

澤田会長: (ターニングポイントとなったのが)法衣の自販始めるときからですわ。 ま、以前はほんとに、あの、メーカー・商社の下請けでね、糸を出してもらって。で、自分とこでは織るだけだったんですよ。

映像説明: グレーや緑の織り機が置かれた工場の通路を澤田会長が笑顔で歩いていく。紺のジャケットにベージュのズボン姿の男性が、後ろからついていく。 工場の一角。緑の床の上に台が置かれ、茶色の筒に巻かれた白い生地が3本ずつ白いひもで束ねられて5セット積み上げられている。

ナレーション: かつて福井では、生地の生産者が、直接販売まで行なうことは、おきて破りとされていた。

映像説明: クリーム色(いろ)の織り機の前。澤田会長が、織り機の様子を見ながら、織られていく白い生地に触れる。

ナレーション: それでも、批判を覚悟で挑んだときに、視野がひらけたという。

映像説明: ベージュの壁の部屋で、澤田会長が身ぶりを交えてインタビューに答える。

澤田会長: 以前は私、もう、機屋(生地を織る職業)、ま、正直言って嫌いだったんですよ。それがね、その、嫌いだった思いが、頭んなかが180度変わるのが分かりましたよ。 自分で気持ちが、おー、あの、嫌な商売が、いや嫌いな商売が、ああ、なんか面白い、やりがいあるなっていう、なった。

映像説明: 木目調の壁の部屋。紫のテーブルクロスの上に、5つのおちょこやタンブラー、コップなどが置かれている。内側は金色や銀色の金属で、外側は光沢のある黒や、ツヤのない金色に塗られている。 紫のテーブルクロスの上におちょこやタンブラーが並び、資料が広げられたテーブルを囲んで、紺の半袖ポロシャツを着て眼鏡を掛けた男性と、白いフレンチ袖のブラウスを着た女性、黒い半袖のブラウスを着てブロンドの髪を後ろで束ねた女性が話をしている。

テロップ: 発想4 “できない”という固定観念を打ち破る

ナレーション: 歴史ある産業だからこそ、「これはできない」、という思い込みにとらわれてしまうケースは、意外に多い。

映像説明: 青空の下、ベージュの外壁の2階建ての建物の外観。駐車スペースには、2台の乗用車のほかに、カーキ色(いろ)のほろがついた小型のトラックが駐車してある。奥には、正面が薄いグレーと濃いグレー、横が青に塗り分けられた、3階ほどの高さの切妻屋根の建物が建っている。

テロップ: 石川県 加賀市

テロップ: ウチキ

ナレーション: そんな「できない」に挑み、新商品を開発したのが、明治21年に創業したウチキ。

映像説明: 中央にベージュのソファーが置かれた広い部屋。窓際の棚には、盾や賞状などが飾られている。大きなガラス板(がらすいた)の棚がいくつも並べられ、さまざまなサイズやデザインの光沢のあるタンブラーやおちょこ、コップなどが100個以上並べられている。手前の棚の上の段には、金色のコップやおちょこ、葉のような絵柄が描かれたデザインの黒と赤のコップが置かれている。真ん中の段には、内側は銀色の金属で、外側が赤と黒に上下を塗り分けたコップやタンブラー、おちょこが並べられている。後ろには、長方形の高さの異なる木箱が2つ並んでいる。下の段には、内側が銀色の金属で、外側が白やオレンジ、茶色に塗られたカップ、奥の棚には内側が銀色の金属で、外側がパステルカラーの水色、黄緑、ピンクに塗られたカップが飾られている。 棚のガラス板(がらすいた)の上に置かれた、大きさの異なる4つのコップとタンブラー。内側は銀色の金属で、外側は上下が赤と黒で塗り分けられ、つややかに光っている。

ナレーション: 看板商品は、このステンレス素材に漆塗りを施したカップ。

映像説明: 紺のジャケットにベージュのズボン姿の男性がガラス板(がらすいた)の棚に近づき、内側が銀色の金属で、外側が赤と黒に塗り分けられたタンブラーやカップを丁寧に並べ直している。 テロップ: ウチキ 営業企画部 打出 勇喜 さん

ナレーション: この商品を開発したのは、打出さん。きっかけは、2012年に出展した上海の展示会で、中国人バイヤーが「ステンレスと漆を合わせればいい」と話していたのを、耳にしたことだった。ヒントを得た打出さんは、早速商品化を企画。しかし当初は、ことごとく反対されたという。

映像説明: 2段の棚に細長い板が6枚ずつ間隔をあけて並べられ、それぞれの板の上に銀色のステンレスのタンブラーが5個ずつ、伏せて置かれている。

ナレーション: 漆と金属は相性が悪く、剥離してしまうことが分かっていたからだ。

映像説明: 内側が銀色の金属で、外側が赤と黒に塗り分けられたカップやタンブラーなどが並ぶガラス板(がらすいた)の棚の前で、白いクルーネックのシャツに紺のジャケット姿の打出(うちで)さんが、身ぶりを交えてインタビューに答える。

打出さん: 長らく、その、漆器を取り扱って販売してる、その、各社さんの、ま、方々は、恐らくその、ま、ステンレスには無理だろうと、すぐまあ頭に浮かんでしまうっていうことも、やっぱあって。 ただ僕はその、できるんじゃないかっていうので。

映像説明: ガラス板(がらすいた)の棚に、さまざまな種類のカップが並ぶ。紺のジャケット姿の打出(うちで)さんが、棚の方を見ながら話をしている。壁際に置かれた低い棚の上には、たくさんの木箱が積み上げられている。

ナレーション: 地元の職人たちの協力を得て、開発に取り組んだ打出さん。漆をステンレスに焼き付けるという方法もあったというが…。

映像説明: 内側が銀色の金属で、外側が赤と黒に塗り分けられたカップやタンブラーなどが並ぶガラス板(がらすいた)の棚の前で、打出さんが話を続ける。

打出さん: 経年変化で、その楽しめる漆の良さってものを、ま、焼き付けは殺してしまうんで…。

映像説明: 打出(うちで)さんが、右手にオレンジの模様が入ったえんじ色(いろ)のタンブラー、左手に同じ色と柄(がら)の湯飲みを持ち、タンブラーの模様の部分を指で示している。タンブラーと湯飲みを同じ高さに掲げ、さまざまに動かして模様を見せる。並べてみるとタンブラーの模様は落ち着いた深い赤、湯飲みの模様は明るいオレンジ色(いろ)で、明らかに違いがある。

ナレーション: 漆は、使われる環境や年数で、その味わいが変化していく。打出さんは、その良さを生(い)かせる方法をひたすら探った。

映像説明: 茶色い壁の作業場。壁際の棚に、白の文字で「Spray Gun」と書かれた紺の箱やガムテープなどが積まれている。薄い紫の長袖シャツを着た男性が、透明のカップに入った黒い液体を、ろ過紙を敷いた別の容器に移し替えている。 自然光が入る作業場の一角。作業台の周りの窓は茶色のシートで覆われている。黒い作業台から突き出た黒い軸に、銀色のタンブラーが逆さに取り付けられ、高速で回転している。薄い紫の長袖シャツを着た男性が、オレンジのホースにつながったシルバーの円筒形の容器がついたスプレーを使って、銀色のタンブラーの表面に黒い液体を吹きつけていく。

ナレーション: そして、およそ1年半をかけて探し出したのが、ステンレスの素材と漆をつなぐことができる塗料。この塗料を下地に施せば、漆の剥離もなく、長持ちすることが分かった。「できない」が可能になったのだ。

映像説明: 作業場の別の一角。薄い水色の作業服を着た男性が赤いフレームの眼鏡をかけ、可動式のレンズを前方に90度傾けて、裸眼で作業をしている。赤く塗られたタンブラーの底に、木の棒がはめ込まれている。男性が木の棒をにぎり、棒の先にあるタンブラーにハケを使って赤い塗料を塗っていく。 黒く塗られたタンブラーの胴の部分に、ハケを使って赤い塗料が丁寧に塗られていく手元のアップ。

ナレーション: こうして、名工たちの手によって、これまでにない新たな漆器が誕生した。今では、電化製品など、さまざまなものに漆を塗りたいという問い合わせも来るようになった。

映像説明: 内側が銀色の金属で、外側が赤と黒に塗り分けられたカップやタンブラーなどが並ぶガラスの棚の前で、打出さんが身ぶりを交えてインタビューに答える。

打出さん: これだけ(金属と漆が)密着するってことが分かってきたんで、まあ、あのー、いろんなものに塗って、 その、漆の可能性っていうものを、ま、世界と、あの、日本(にほん)に、まあ、伝えていきたい。

スタジオの八木(やぎ)キャスター: 代々続いてきた伝統も、発想の転換によって、新たな可能性を開いていくことができるんですね。今回紹介した地域だけでなく、日本各地(にほんかくち)の伝統産業(さんぎょう)も、こうして、進化しながら、その価値を今後に伝えていってほしいと思います。

映像説明: 八木(やぎ)キャスターがお辞儀をする。


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