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ベトナムの教育に日本のノウハウを ‐制度の改定を商機に‐

2018年11月08日

ハノイのある公立小学校。校庭は日本の標準よりもかなり狭く、効率的な体育の授業を行うことが難しい。ベトナムでは今、児童の運動能力の発達の遅れや肥満が課題になっているという。一方、音楽の授業では歌や音楽史などの勉強が主で、これまで楽器が使われてこなかった。こうした状況を踏まえ、40年ぶりに小中学校の学習指導要領が改訂されるのを機に、日本のノウハウを導入しようと取り組む企業がある。体育の授業に日本で普及している「中当て」のほか、独自に開発した用具を使ったプログラムを提案するスポーツ・メーカー。そして、リコーダーを使った音楽教育のために、地元の大学と連携して教師の育成を進める楽器メーカー。現地のニーズを捉え、ビジネスにつなげようとする、それぞれの挑戦を追った。

(11分23秒)

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テキスト解説:視覚障害のある方のための文字おこしテキストです。

映像説明: ジェトログローバルアイ オープニングタイトル。 薄い青を基調としたコンピューターグラフィックスの背景画。 世界地図から飛び出した、中が空洞になった地球儀が、回転しながら拡大表示される。 さらに世界のさまざまな都市の画像が周囲を取り巻きタイトルが現れる。 「世界は今 ジェトログローバルアイ」

映像説明: スタジオ。 地球儀と都市の画像をバックに、女性キャスターが入ってくる。 ワインレッドのセーターに花柄のスカート。

テロップ: 宮瀬 茉祐子(みやせ まゆこ)

宮瀬キャスター: 世界は今、ジェトロ グローバル アイ。 人口9,400万のベトナム。 平均年齢はおよそ30歳と、とても若い国です。 この国では今、次世代を担う子どもたちの義務教育が、変わろうとしています。 40年ぶりの学習指導要領の改訂を機に、日本のノウハウを持ち込み、ビジネスを展開しようとする企業の取り組みを追いました。

テロップ: ベトナムの教育に日本のノウハウを ‐制度の改定を商機に‐

映像説明: 豊かな緑に囲まれた湖。中州に古びた塔が立ち、木々(きぎ)の向こうに歴史ある建物や高層ビルがのぞく。画面左下、四角い枠内に東南アジアの地図。南北に伸びるベトナムの西側にはラオスとカンボジア、タイがあり、東側は南シナ海に面している。ハノイは北部の内陸に位置し、地図の中で赤い星印で示されている。 中心部の交差点。信号や車線のない広い道路を走る車。そのあいだを何台ものバイクが走り抜ける。

ナレーション: 高い経済成長を続けるベトナム。

映像説明: 裏通り。車やスクーターが止められた一角に、クリーム色(いろ)の堅牢な建物。背丈の何倍もある門扉を児童たちが出入りする。 建物の中庭。おそろいの白と赤のポロシャツに紺のジャージズボンの体操着(たいそうぎ)を着た児童たちがレモンイエローのポロシャツを着て、黒のジャージズボンをはいた男性教師のまわりに集まっている。男性教師の合図で、児童たちが笑顔を浮かべながら動き出す。

ナレーション: この国の未来を担う子どもたちが通う公立の小学校では、学習指導要領の改訂に伴い、ある取り組みが行われていた。

映像説明: 正面の壁に掲げられた、茶色いプレートにクリーム色(いろ)の文字、ベトナム語で書かれた標語。 3階建ての校舎が中庭を取り囲む。広さはバスケットボールのコートより狭い。薄いレンガ色(いろ)のタイルで地面が覆われている。

テロップ: ベトナムの公立小学校の多くは 日本のような運動場や体育館がない

ナレーション: ここは、とある公立の小学校。正門から入ると、すぐに中庭が。 実は、日本のような運動場や体育館はない。

映像説明: 1階は一部の壁が取り払われたピロティー。 床には大ぶりなレンガ色(いろ)のタイルが敷き詰められており、太い柱を挟んで中庭とつながっている。 中庭の正面にパイプ椅子が並べられ、そばでジャージ姿の教師たちが談笑している。その反対側、門の近くにはスーツ姿の人々が数人立っている。 門から正面入り口に伸びる中庭。正面に向かって左側の一角には演壇が設けられている。

ナレーション: 中庭の横には、雨でも使える場所はあるが、狭い上に、床は中庭と同じ硬いタイル張り(ばり)だ。 大きさの違いはあるが、これが一般的な公立の小学校の姿だ。

映像説明: 通学路。半袖の白いシャツに赤いネクタイをして、グレーのズボンをはいた児童たちが歩いてくる。何人かはふくよかな体格をしている。

テロップ: 児童の運動能力の発達の遅れや 肥満が課題になっている

ナレーション: このような環境のためか、児童たちは運動不足(ぶそく)になりがちで、運動能力の発達の遅れや肥満が課題になっている。

映像説明: 小学校の中庭。レモンイエローのポロシャツを着て、黒のジャージズボンをはき、ホイッスルをくわえた男性教師に続いて歩くおそろいの白と赤のポロシャツに紺のジャージズボンの体操着(たいそうぎ)を着た20名ほどの児童たち。2列に並んで進み、男性教師のホイッスルの合図で、止まる。

テロップ: 小学校低学年の体育の授業

ナレーション: この国では、限られた狭いスペースで体育の授業を行っている。

映像説明: わくわくした表情で男性教師の指示を待つ児童たち。男性教師、児童が掛け声をあげたあと、男性教師の「1、2、3」の合図とともに、男性教師も児童たちも大きく一歩、二歩、三歩と動いて、一斉に動きを止める。男性教師が近くにいる児童たちの肩にタッチする。

テロップ: ベトナム版「だるまさんが転んだ」

ナレーション: 先生の合図で児童たちが動きを止める。 ベトナム版「だるまさんが転んだ」。

映像説明: 鬼役の男性教師の合図とともに、男性教師も児童たちも大きく一歩、二歩、三歩と動いて、一斉に動きを止めた後、男性教師が近くにいる児童の肩にタッチしようと手を伸ばす。 掛け声に合わせて男性教師と児童たちが動き、3テンポ動いた後、一斉に止まり、児童たちが歓声をあげる。

ナレーション: これが、ふだんの小学校低学年の授業のひとコマだ。 それが今、変わろうとしている。

映像説明: 中庭の中央に、1列につき、2つの三角コーンを支柱にしたハードルが2列、設置されている。青いバーがオレンジ色(いろ)の三角コーンの低い位置で取り付けられている。男性教師のホイッスルで、先頭の児童2人がバーを跳び越えていく。走り終わると列まで戻り、先頭で待っている児童にタッチ。順番にハードルを跳んでいく。 オレンジ色(いろ)の三角コーンの下部には、ローマ字の「MIZUNO」をあしらったロゴとロゴマークがプリントされている。

ナレーション: 児童たちが楽しそうに飛んでいる、このハードル。よく見ると… 日本のメーカーのロゴが!

映像説明: 教師たちがバーの高さを一段上げる。 高くなったハードルを跳ねるようにして飛んでいく児童たち。

テロップ: ミズノが開発した「マルチハードル」

ナレーション: この用具を使ったプログラムを開発したのは、大手スポーツ用品メーカーのミズノだ。

映像説明: 「マルチハードル」を正面から写した画像。その画像が小さくなり、画面の中央に配置され、その周りに4種類の用具が映し出される。用具は上から時計回りに、ポリウレタン製の赤と白で配色された長細いロケットのような形をしたもの、同じくポリウレタン製の青と白の丸いディスク、黄色いボールに黒の持ち手付きのベルトがつながったもの、オレンジ色(いろ)の三角コーンの先端に赤い大きな輪が付いたもの。

ナレーション: これ以外にも、さまざまな用具を使ったプログラムを提供している。

映像説明: 中庭で、ポリウレタン製の青と白の丸いディスクを使った授業。2列に分かれた児童の先頭がディスクを投げ、落ちたディスクを拾いに走り、列の方に向かって走ってくる。 パイプ椅子の席に座り、その授業を見学する大人たち。スーツ姿の一団もいる。女の子がディスクを拾い上げ、満面の笑みで走ってくる。 赤、青、黄色(きいろ)の、平たい大小の輪を地面に並べて置き、その輪の中を、児童が片足や両足で跳びながら渡る、ベトナム版けんぱ遊び。渡り終えると列の方に走って戻り、先頭で待っている児童にタッチし、その児童が輪の中を片足や両足で飛びながら渡っていく。

テロップ: 限られたスペースでも 用具を使って 遊び感覚で効率的に運動ができる

ナレーション: ミズノの運動プログラムの特徴は、限られたスペースでも、用具を使って走る、跳ぶ、投げるといった運動が遊び感覚で効率的に行えることだ。

映像説明: 小学校の前の通り。紺色のスーツを着た男性が学校の門扉の方へ歩いていく。中からスクーターを押した女性が出てくると、男性が「どうぞ、どうぞ」と何度もお辞儀しながら女性を先に通す。 中庭に入ると、出迎えた教師たちにお辞儀をしながら両手で握手する。

テロップ: ミズノ 総合企画室 森井 征五 さん

ナレーション: 海外事業担当の森井さんは、ベトナムの教育訓練省へ運動プログラムを提案した理由をこう話す。

映像説明: 校舎の中。窓辺で答える森井さん。

森井さん: 日本にはですね、教育コンテンツ、まあいろんな教育コンテンツがありますけれども、 ベトナムにないものを補完するといった意味で、価値があるんじゃないかなと考えました。 弊社のですね、独自の開発したプログラムを、トライアルで使っていただければなといった形で、やり始めました。

映像説明: 中庭。中央に10人くらいの児童が固まり、外側をほかの児童が囲む。男性教師がボールを投げ入れると、中央にいる児童たちがそのボールをよける。 ボールを持った外側の児童が、下手(したて)投げで中央の児童を狙う。一斉にボールをかわす児童たち。 下手(したて)投げで投げたボールが1人の児童に当たると、数人の児童たちが両手を挙げて声をあげる。

テロップ: 「中当て(なかあて)」

ナレーション: これは、ボールを使った「中当て(なかあて)」という球技。日本の小学校でも行われているものだ。

映像説明: 中庭の片隅で髪を編み込んだ女の子がインタビューに答える。

テロップ: 小学2年生

編み込みの女の子・ベトナム語吹き替え: この授業は大好き!

映像説明: 同じく中庭の片隅で丸顔の男の子も笑顔でインタビューに答える。

テロップ: 小学2年生

丸顔の男の子・ベトナム語吹き替え: 難しかったけど、楽しかった!

映像説明: 中庭で赤、青、黄色(きいろ)の、平たい大小の輪を地面に並べて置き、その輪の中を、児童が両足で跳びながら渡る、ベトナム版けんぱ遊びが続く。

ナレーション: 従来の授業とミズノの用具を使ったプログラムの違いについて、体育教師はこう話す。

映像説明: レモンイエローのポロシャツを着て、笑顔でインタビューに答える男性。

テロップ: 体育教師

レモンイエローのポロシャツを着た男性・ベトナム語吹き替え: 今までの運動プログラムよりも、子どもたちの運動効率が良いと思います。 さらに、子どもたちが、その用具を使った、違う運動を考えるようになりました。

映像説明: 会議室。2列に並んだテーブル越しに、20名ほどの男女が向き合って座っている。画面の左側のテーブルには日の丸の日本の国旗が置かれ、右側のテーブルには、赤地に金色の星が描かれたベトナム国旗が置かれている。正面に掲げられた白地の看板には、両国の国旗とミズノのロゴ。 画面左側の壁際でカメラクルーが撮影をし、画面右側のカーテンが下がっている窓際には数人の大人と小さい子どもたちが座っている。 看板の前で、茶色のワンピーススーツにロングヘアのベトナム人女性が、紺色のスーツを着た日本人男性に黄色い花束を手渡す。拍手が起こり、カメラのフラッシュがたかれる。 同じ看板の前でスーツを着た日本人男性2人が、白い半袖シャツを着たベトナム人女性と5人の子どもたちと並び、カメラ撮影に応じている。ベトナム人女性と子どもたちは、ミズノのロゴが付いた、オレンジ色(いろ)のボールが入った箱を両手で抱えている。室内には拍手が続いている。

テロップ: 2018年9月17日 ミズノ・ベトナム教育訓練省MOU(えむ おー ゆー)締結式

ナレーション: この運動プログラムを小学校の新しい学習指導要領に導入し、定着させるため、ミズノは、ベトナム政府と覚書を交わした。 今後は、体育の授業の充実とスポーツ振興をサポートしていく。

映像説明: 小学校の中庭。地面に並べられた赤、青、黄色(きいろ)の、平たい大小の輪を片づける児童たち。 校舎を背に記念撮影が行われる。前2列は、白と赤のポロシャツに紺のジャージズボンの体操着(たいそうぎ)を着た児童たちと教師。その後ろにはワンピースや長袖シャツなどを着た女性たちやスーツ姿の男性たちが並ぶ。最後列に並ぶスーツを着た男性2人が、赤と白のロゴと、「SPORT FOR TOMORROW」のロゴ文字が書かれた旗を掲げている。記念撮影の映像を背景に、中央から白い縁取りのある赤い文字が大きく浮かび上がる。

テロップ: ベトナムで “ミズノ”ブランドを浸透

ナレーション: ミズノがこの取り組みに協力する狙いは、今回の取り組みを通じて、ベトナムでミズノブランドを浸透させることだという。

映像説明: 校舎の中で森井さんが答える。

テロップ: ミズノ 総合企画室 森井 征五 さん

森井さん: 我らミズノ株式会社がですね、このベトナムの地でですね、いろいろな人に慣れ親しんでいただいて、 われわれの(スポーツ)用具を買っていただく、 あるいは最終的には、そのスポーツのインフラ。 われわれはそういうこともできますので、ベトナムとともに歩んでいきたい、そのように考えています。

映像説明: 街中(まちなか)の交差点。2人乗りのスクーターやバイク、三輪タクシーが数多く行き交う。 小学校の中庭。「マルチハードル」を片づける児童たち。先頭の男子児童が青いポールを持ち、後ろに続く男子児童たちがオレンジ色(いろ)の三角コーンを片づける。 会議室。薄いブルーのボタンダウンシャツにグレーのネクタイをしめ、眼鏡をかけた男性がインタビューに答える。

ナレーション: ベトナムのような新興国で、ビジネスを成功させるためには、自社に有利な制度を作るというだけではなく、現地が抱える課題を解決するという視点も重要だ。 そう話すのは、こうした企業の取り組みをサポートしているジェトロの担当者だ。

テロップ: ジェトロ 貿易制度課 大井 裕貴(おおい ひろき)

大井(ジェトロ 貿易制度課): 健康や教育といった課題の解決につながるような制度や慣習を提案することで、 現地のニーズを満たすとともに、関連市場の創出にもつながります。

映像説明: ハノイの小学校の校庭。制服や体操着を着た児童たちが、思い思いに過ごしている。 立ち話をする子たちや、飛び跳ねて遊ぶ子もいる。 エメラルドグリーンの細長い布のケース。黒い文字で「YAMAHA、Soprano」とプリントされている。

ナレーション: 一方、今まで富裕層など一部の人にしか使うことができなかった楽器を、公立の小中学校の授業で、子どもたちが使える環境を作ろうと乗り出したのは、大手楽器メーカーのヤマハだ。

映像説明: エメラルドグリーンのケースの隣に、ベージュ色(いろ)のリコーダー。吹き口(ぐち)と頭部管と中部管のジョイント部分、中部管と足部管(そくぶかん)のジョイント部分が白い長細い楽器。

テロップ: リコーダー

ナレーション: ヤマハが音楽教育の現場へ提案している楽器のひとつが、リコーダー。

映像説明: 教室。左胸にYAMAHAのロゴが入った黒いシャツを着た男性が前に立ち、エメラルドグリーンのケースからリコーダーを出しながら説明している。

テロップ: ヤマハ・ミュージック・ベトナム 谷 真琴 社長

ナレーション: 現地法人の谷社長は、リコーダーを提案した理由をこう話す。

映像説明: 英語とベトナム語が書き込まれた五線譜の黒板を背に立つ谷社長がインタビューに答える。

谷社長: リコーダーは特にですね、メロディーのパートをつかさどりますけれども、 本格的な楽器なんですけど安価で、しかもあの耐久性があって。 子どもたちの教育現場で実績があるということで、 (ベトナム政府に)リコーダーをお勧めしています。

映像説明: 開かれた楽譜。右側のページにヴィヴァルディ作曲「春」の譜面。左側のページには童謡「ぶんぶんぶん」の譜面。

テロップ: 公立の小中学校では音楽の授業で 子どもたちは楽器を使わない

ナレーション: 実はこの国では、音楽の授業で子どもたちは楽器を使わない。 では、何を勉強しているのか?

映像説明: ピンクのブラウスを着た髪型がショートボブの女性がインタビューに答える。

テロップ: 音楽教師

ピンクのブラウスを着た髪型がショーとボブの女性・ベトナム語吹き替え: 子どもたちは楽器を使わず、歌うことや楽譜、音楽史などを学んでいます。

映像説明: 曇り空の下に建つ、歴史を感じる校舎。壁のいちばん上に紫色で、ベトナム語の大学名と開いた本を重ねたデザインのロゴが記されている。正面入口前の噴水では、下から水が噴きあがっている。

テロップ: ハノイ国立教育大学

ナレーション: ここは、音楽教師を志す学生が通う、ベトナムきっての国立大学。

映像説明: 教室。右手でピアノを弾きながら発声の指導をする白いシャツを着てグレーのストライプのズボンをはいた長い髪の女性講師。白いシャツを着て黒のズボンをはいた女子学生のひとりが講師の前に立ち、おなかに左手を当てながら、ピアノに合わせて発声練習をする。その後ろには3人の学生が机の上の資料を見たり、発生の様子を見ている。

ナレーション: 学生たちはここで、声楽、音楽史、歌う時に伴奏する楽器演奏などを学ぶ。

映像説明: 女性講師が右手で一音(いちおん)ずつピアノを鳴らして歌い、発声の手本を示す。

テロップ: この大学には リコーダーの演奏法や 指導法を教えることができる教授はいない

ナレーション: しかしここには、リコーダーの使い方を指導できる教授はいない。

映像説明: 会議の様子の写真。細長い部屋の手前に置かれた机の上にはベトナムと日本の国旗、赤い表紙のファイルが置いてある。シャツにネクタイを締めたベトナム人の一団と、紺色のスーツ姿の日本人、一団が向かい合わせに座っている。 記念撮影の様子の写真。スーツを着た谷社長とベトナム側の代表が握手をしてカメラを見つめる。2人の後ろで拍手をする会議の参加者たち。二人の前にある机の上には、ベトナムと日本の国旗が置いてある。

テロップ: 2018年8月30日 ヤマハ・ハノイ国立教育大学 MOU(えむ おー ゆー)締結式

ナレーション: そこでヤマハは、楽器を使った指導法を学ぶための教員養成講座の開講に向けて、ハノイ国立教育大学に協力することで合意した。

映像説明: 大学の正門前。黒いヤマハのシャツを着た谷社長が門を通り、校舎に向かう。 バイクが走るキャンパスをゆっくりと歩く。

ナレーション: この日、谷社長は、リコーダーの講義の視察に大学へやってきた。

映像説明: 歩きながらインタビューに答える谷社長。

谷社長: われわれにとっては(大学への協力は)将来への種まきで、 非常に長期間のタームでやっている、種まきのひとつです。非常に重要に位置づけてます。

映像説明: 大学の教室。英語とベトナム語が書き込まれた五線譜の黒板を背に立つ、水色のポロシャツを着た若い日本人の男性講師。手にリコーダーを持ち、英語で説明しながら、子どもたちに多いリコーダーの吹き方の一例として強く息を吐いて音を出す。音を出すたびに体が上下する。 日本人の男性講師を囲むように座り、リコーダーをくわえる女子学生たち。左右の手の位置が逆になっている人などに、講師が正しい持ち方を指導する。

ナレーション: 今回、初めてリコーダーを手にする学生たち。

映像説明: 講師が穴の押さえ方の手本を見せ、出したい音を出す時にどの指をどのトーンホールに置くのか、トーンホールを塞がない指の場所などを教えて、ひとりずつ音をチェックする。講師の指使いを食い入るように見つめる学生たち。真剣な表情で講師の音色に耳を傾ける。

ナレーション: 吹き方、音の出し方を教えてもらったものの、きれいな音色を出すコツが上手く伝わらない。

ナレーション: 講義を受けた学生は。

映像説明: 眼鏡を掛けたロングヘアの女子学生が、教室の入り口でインタビューに答える。

テロップ: 音楽教師を目指す学生

ロングヘアの女子学生・ベトナム語吹き替え: 今回、初めてリコーダーに触れましたが、おもしろい楽器だと思います。 音楽の授業でリコーダーを使えば、教師と子どもたちとの距離が、今より近くなると思いました。

映像説明: 教室。日本人の男性講師が学生たちと声を合わせてメロディーを歌う。 リコーダーで同じメロディーを全員で吹く。正しい持ち方で真剣に音を奏でる学生たち。 教科書の1ページ。トーンホールの塞ぎ方がイラストと英語で説明されている。リコーダーをくわえる角度や演奏するときの姿勢のイラストと英語で説明されている。

テロップ: 制度作りと併せて 指導者育成と 教科書作成も大学に提案

ナレーション: ヤマハは、リコーダーを学習指導要領に取り入れる制度作りの他に、未来の指導者の育成と教科書の作成をパッケージにして提案した。

映像説明: 教室の隅でスマートフォンを手に、リコーダーの講義の様子を撮影する谷社長。 教科書に書かれた「ソ」の音の指づかいのイラストと、3曲の短い楽譜。「ソ」の音を中心に練習できるようになっている。

テロップ: ヤマハ・ミュージック・ベトナム 谷 真琴 社長

谷社長: 指導者が指導者を育てるですね、そういった教育指導制度っていうのも作っていかなきゃいけない。 それを、教育指導要領に合わせて、であの教材も作っていかなきゃいけないというところで、 やっぱり子どもたちが楽しんでというか、しかもお兄ちゃんお姉ちゃん、お父さんお母さんまで知っているような楽曲というのを、必ず使っていきたいと思ってます。

映像説明: 別の教室。白い天井で、エメラルドグリーンのシーリングファンが回る。2列に向き合った机を、男女20名ほどの参加者が囲み、和やかに言葉を交わしている。

テロップ: 現役音楽教師を対象とした リコーダーの勉強会

ナレーション: リコーダーを授業に導入することになれば、現役の教師にも吹き方を指導しなければならない。

映像説明: キーボードの前に立ち、講義をする白いVネックシャツの若い女性。髪を後ろで束ね、にこやかな表情で身振りを交えながら指導する。 机の上に教科書と白いリコーダーを置き、熱心に耳を傾ける参加者たち。

ナレーション: そこでヤマハは、定期的に日本人(にほんじん)講師をベトナムの学校へ招き、リコーダーの勉強会を行っている。

映像説明: キーボードの音で前奏が流れ、全員がリコーダーを口に加え、構える。教科書に目を落としながら一斉にメロディーを奏でる。

ナレーション: さすが! 先生方(せんせいがた)、お見事! 指導者は、順調に育っているようだ。

映像説明: 白地に青と紺のチェックのシャツを着た男性教師も、真剣な面持ちで指を動かし、リコーダーを吹いている。

ナレーション: 子どもたちがリコーダーを使うことは、教育上(きょういくじょう)、どのようなメリットがあるのか。 現役の音楽教師は、こう話す。

映像説明: 白地に青と紺のチェックのシャツを着た男性教師がインタビューに答える。

テロップ: 音楽教師

白地に青と紺のチェックのシャツを着た男性教師・ベトナム語吹き替え: 子どもたちがリコーダーを吹くことで、音楽の感性や楽器演奏などのスキルが上がり、 教師と子どもたちのあいだで、連帯感やチームワークも生まれると思います。

映像説明: 日本人の女性講師の指揮のもと、リコーダーの練習が続く。

ナレーション: こういったヤマハの地道な活動が、ここに来て、実を結びつつあるという。

映像説明: 英語とベトナム語が書き込まれた五線譜の黒板の前に立って、谷社長が笑顔でインタビューに答える。

テロップ: ヤマハ・ミュージック・ベトナム 谷 真琴 社長

谷社長: われわれがあの、リコーダーのあのイベントなんかをすると、興味を持ってその場で買っていかれる方(かた)っていうのが非常に多くなってきました。 少しずつ、なんか、「リコーダーというものがあるらしいよ」、 「子どもの教育に良いらしいよ」というところで、あの、お買い求めいただくような方(かた)が増えてきました。

映像説明: 小学校の中庭での、赤、青、黄色(きいろ)の、平たい大小の輪を地面に並べて置き、その輪の中を、児童が片足や両足で跳びながら渡る児童たち。 勉強会でリコーダーを吹く音楽教師たち。

ナレーション: 現地の課題や制度改定の機会を捉えたアプローチで、ベトナムでのビジネスチャンスをつかんだミズノとヤマハ。

映像説明: 教科書の1ページ。トーンホールの塞ぎ方がイラストと英語で説明されている。リコーダーをくわえる角度や演奏するときの姿勢のイラストと英語で説明されている。 小学校の中庭。「マルチハードル」を飛ぶ児童たち。 青と白の丸いディスクを手に、満面の笑みで走る女子児童。

ナレーション: いずれも、製品を売るだけではなく、ノウハウとともにパッケージで提案したこと、そして、子どもをターゲットにした長期的な視点でのブランディングが、カギとなったようだ。

スタジオの宮瀬キャスター: 日本のノウハウによってベトナムが抱える課題を解決することが、ビジネスにつながり、Win‐Win(ウィン ウィン)の関係になっていくんですね。 ほかの国でも、こうしたチャンスがあるかもしれません。

映像説明: 宮瀬キャスターがお辞儀をする。

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