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国際知的財産保護フォーラム(IIPPF) 平成28年度 第2回国際知的財産保護フォーラム総会の開催(2017年3月2日)

国際知的財産保護フォーラム(IIPPF)は2017年3月2日(木曜)、ANAインターコンチネンタルホテル(東京都港区)にて、2016年度の年次総会第2回を開催した。総会には118名が参加した。また、来賓として、以下7名の方に参加いただいた。

  • 内閣府 知的財産戦略推進事務局 次長 増田 義一 氏
  • 経済産業省 大臣官房審議官 土田 浩史 氏
  • 特許庁 総務部長 間宮 淑夫 氏
  • 外務省 経済局知的財産室長 小山 隆史 氏
  • 財務省 関税局業務課知的財産調査室長 加藤 誠 氏
  • 文化庁 長官官房国際課長 北山 浩士 氏
  • 農林水産省 食料産業局知的財産課長 杉中 淳 氏

会場の様子

議事次第

  1. 開会
  2. 来賓紹介(司会)
  3. 来賓挨拶
    • 内閣府 知的財産戦略推進事務局 次長 増田 義一 氏
    • 経済産業省 大臣官房審議官 土田 浩史 氏
    • 特許庁 総務部長 間宮 淑夫 氏
  4. 座長挨拶
    座長 西川 廣人 氏(日産自動車株式会社 代表取締役、共同最高経営責任者)
  5. IIPPFの軌跡と活動成果
    企画委員・IIPPF事務局 鈴木 啓之
  6. 2016年度活動報告および2017年度計画案の紹介
    1. 企画委員会及び全体活動について 企画委員長 別宮 智徳 氏 (日産自動車株式会社 知的財産部長)
    2. 第1プロジェクト【中国への協力・要請】
      幹事 小薗江 健一 氏(日本知的財産協会 アジア戦略PJ リーダー)
    3. 第2プロジェクト【中国以外の国・地域への対応】
      インターネットWG 幹事 鈴木 啓之(日本貿易振興機構 知的財産・イノベーション部長)
    4. 第3プロジェクト【情報交換】
      副幹事 飯田 圭 氏(日本弁理士会 貿易円滑化対策委員会 委員)
    5. 第4プロジェクト【人材育成・普及啓発】
      幹事 腰原 正秀 氏(発明協会 発明奨励グループ 部長)
  7. 2017年度企画委員について(報告)
  8. 副座長挨拶
    副座長 石毛 博行(ジェトロ 理事長)

来賓挨拶

内閣府 知的財産戦略推進事務局 次長 増田 義一 氏

  • 近年、第4次産業革命、Society5.0の時代を迎え、知的財産を取り巻く環境は大きく変動しており、社会の変化に合わせて知的財産のあり方も変わっている。この変化に備えるため、内閣府としてもビッグデータ、IoT、人工知能(AI)などに関する新たな知的財産に関する検討会を立ち上げており、近々報告書を取りまとめる予定。
  • 他方、社会がいかに変化をしても知的財産の重要性は不変である。知的財産の活用によって社会にイノベーションとクリエーションが生まれる。社会発展には知的財産の保護が不可欠である。
  • 知的財産権の侵害は未だに残存しており、徹底的な対策が重要。この点において、IIPPFのこれまでの活動を評価するとともに、模倣品・海賊版の撲滅に向けて日ごろより尽力頂き、感謝している。
  • 内閣府では、総理大臣を本部長、閣僚および有識者をメンバーとする戦略本部において、知的財産戦略を策定している。知的財産権保護の活動は官民連携、オールジャパンの体制での対策が重要。今後ともIIPPFにはご指導ご鞭撻を頂くとともに、ご協力をお願いしたい。

経済産業省 大臣官房審議官 土田 浩史 氏

  • 我が国の優れた製造技術や商品開発力に裏打ちされた企業ブランドは、顧客への大きな訴求力を維持し続けており、これはBREXITや米国新政権の動向など、ともすれば世界経済秩序の再編をうかがわせる昨今の状況においても揺るぎない。他方で、こうした企業の努力の成果であるブランド力に「ただ乗り」する模倣品・海賊版行為の存在は、ブランドイメージを悪化させるだけでなく、企業のイノベーションと知的財産の創造意欲を減退させることにも繋がる。
  • 経済産業省はIIPPFの協力の下、中国には、2016年度において実務レベルの官民合同代表団を北京及び広州に派遣し、中央政府及び地方政府との意見交換を実施した。また、東南アジア、中東、米国等の国、地域についても、各国当局の担当官を対象とした真贋判定セミナーや日本への招聘事業を行い、これらの機会にも積極的にご参加頂いたところ。このような、模倣品・海賊版の拡散防止に向けたIIPPFの積極的な取組に対し、心より敬意を表す。
  • 発足15年目を迎えるIIPPFだが、昨今のインターネット上の知的財産権侵害をはじめ模倣品・海賊版対策が複雑化している中で、その役割は以前にも増して重要なものとなっていると認識している。当省としても、引き続き密接に連携し、各企業の活動を側面から支援しつつ、模倣品・海賊版対策を行って参りたい。昨年6月にはIIPPF及び事務局であるジェトロ並びに関係省庁にもご協力いただき、中国との政策対話である「日中知的財産権ワーキンググループ」の第5回会合を東京で開催するなど、中国との知財問題に関する関係緊密化に向けた取組を鋭意続けているところ。
  • IIPPFには、模倣品・海賊版対策における中心的な役割を担う団体として、今後とも積極的な活動を継続していただくことを改めてお願いしたい。

特許庁 総務部長 間宮 淑夫 氏

  • 常日頃、模倣品対策の最前線に立つ皆様に敬意を表するとともに、発足15周年を迎えたIIPPFにおかれては、これまでの活動の成果をお祝い申し上げるとともに、益々のご発展を祈念する。
  • この場をお借りして、特許庁の取り組みを紹介したい。第四次産業革命について、昨年10月に産学の有識者を招き、「第四次産業革命を視野に入れた知財システムのあり方に関する検討会」を設置した。本年度末の中間取りまとめに向けて、検討を進めているところである。 ・グローバル化の関連では、特許審査ハイウェイの拡大に取り組んできており、現在、日本国特許庁の審査結果を利用できる対象は、66ヶ国・地域となっている。その他、海外研修生の受け入れを通じた交流や、特許審査官をインド、タイへ派遣し研修を実施するなど、世界各国との関係構築を図っている。
  • 悪意の商標出願については、TM5(日米欧中韓)との協力体制を構築し、対策を進めている。また、模倣品撲滅キャンペーンとして、渋谷109でニセモノ展示会を行うとともに、インターネット上の模倣品対策をテーマにパネルディスカッションを開催した。
  • 海外の模倣品対策、知的財産権の保護については、官民合同の要がIIPPFであり、きわめて重要な組織と認識している。特許庁としても、引き続き連携をお願いしたい。

座長挨拶

座長 西川 廣人 氏(日産自動車株式会社 代表取締役、共同最高経営責任者)

  • IIPPFは本年4月で設立15周年を迎える。この間、官民、各国政府の協力のもと、諸外国政府に対する「協力と要請」というアプローチにより、着実に成果を収めてきた。
  • 一方で、模倣業者の手口の複雑化、巧妙化や、インターネットを介した世界各国への拡散等が加速しており、新たな状況にも直面している。
  • 長年蓄積したブランド力は競争力の源泉、企業発展には欠かすことはできない。
  • このような状況の変化に対応するため、IIPPFは新たな体制にて、新たな機能・役割を担い活動を発展させる必要があると感じている。本日の総会では、まさにその起点となるべき議題について皆様に討議決定いただきたい。
  • IIPPFの活動にあたっては、我々産業界と、内閣府や経済産業省、特許庁をはじめとした日本政府、そして事務局として国内外で支えるジェトロの3者の協力と連携があって、はじめて成立する。関係者の皆様のご協力に改めて感謝を申し上げるとともに、本日の総会と今後のIIPPF活動が大いに実りあるものとなることを祈念し、開会のご挨拶とさせて頂きたい。

IIPPFの軌跡と活動成果

企画委員・IIPPF事務局 鈴木 啓之(ジェトロ 知的財産・イノベーション部 部長)

  • IIPPFは中国のWTO加盟の前年、2002年に発足した。中国が国際経済体制に組み込まれる中、IIPPFは「日米欧連携」による先進国間協力を推進するとともに、中国にハイレベルミッションを計8回派遣するなど、多国間・二国間の両輪で中国政府への協力と要請にかかる活動を展開してきた。
  • 主な成果として、中国政府が2008年に知財保護の基本方針として発表した「中国知的財産権保護網要」と「行動計画」が挙げられる。これは日本の「知的財産戦略大綱」を参考に作成され、2009年以降の毎年の「行動計画」では、IIPPFミッション受入が中国政府のその年の取り組み内容として明記された。
  • また、IIPPFが要請した「行政・刑事摘発の強化」については、2010年以降中国政府が国を挙げて特別行動を展開し、刑事訴追基準が段階的に引き下げられるという成果を得ることが出来た。
  • その他、冒認商標に関連して要請した「商標登録審査の適正化」や「司法処罰の強化」、「情報公開」等についても、2013年の改正商標法、判例の公開、知財裁判所の設立等により、一定程度実現に至った。特に、2011年の中国最高法院の日本招聘は、中国の知財裁判所設立にあたり、大いに参考にされたとの評価を得ているところ。
  • 2013年以降から現在に至るまで、中国についてはIIPPF実務ミッションをベースに制度運用の改善を図ってきた。加えて、2013年以降は中国以外の諸外国における活動が、活発化してきた時期である。
  • 例として、中東では、倉庫保管料やサンプル提供等にかかる権利者負担が、一部ではあるが、軽減される動きが見られるようになった。また、その他の新興国では、模倣品輸入地であれば国境税関での対策強化、模倣品消費地であれば市場での監督強化、制度が整備されていない国においては、税関差止制度の導入等を、権利者の皆様の働きかけにより進展を図ってきた。
  • しかしながら、特許庁のアンケート結果によると、日本企業の中で模倣品の被害を受けている会社数は増加傾向にある。模倣被害の業種や形態等に変化はあるが、模倣対策が依然として重要な課題であることに変わりはない。
  • IIPPFが更に諸外国に有効且つ効果的に働きかけを行うため、どのような活動をどの様なアプローチで展開すべきか、改めて検討していく必要があると考えている。

2016年度活動報告および2017年度計画案の紹介

1. 企画委員会及び全体活動について
企画委員長 別宮 智徳 氏(日産自動車株式会社 知的財産部長)

  • 今年度は、計5回の会合を開催。今年度はIIPPFのあり方を見直し、組織の再構築について検討を行った。
  • 会員から運営上の課題として、「活動のマンネリ化」「活動成果が見えにくい」、「活動の結果を評価し、それを次に繋げることができていない」との声を多く頂戴した。今後は、「オープンな活動」「各WGの成果発信と共有」「PDCAサイクルの実施」を念頭に組織を再構築していく。
  • IIPPFの活動については、模倣品対策に特化すべきという声は強い。加えて、流通経路の分析など、地域横断的な取り組みを実施すべきという意見も頂戴している。
  • 第1プロジェクトでは、模倣品対策の経験が豊富な企業と、これから対策を取っていく企業の二極化が進行。結果的に、新規企業からは敷居が高く、参加しづらいという意見が寄せられた。これを受け、次年度は対政府に建議を行うグループと情報収集を行うグループの2つに分ける。
  • 第2プロジェクトでは、対象地域ごとに活動の濃淡があったことが課題。活動が活発であったASEAN、中東の各WGはプロジェクトに格上げするとともに、企画委員会を中心に地域横断課題にも取り組んでいく。
  • 第3プロジェクトは活動内容のマンネリ化、成果の不明確さが課題としてあげられていた。今後は、全会員向けに各プロジェクトの活動成果の共有やセミナー開催を実施していく。
  • 第4プロジェクトは、会員企業の方々に直接的なメリットがないという声が多かったことから、今後は企画委員会を中心に一般消費者向けのセミナーを開催していく形に変更する。
  • 非プロジェクトであったインターネットWGは、関心の高さによりプロジェクトへ格上げ。これにより、次年度からは、中国・アジア大洋州・中東・インターネットの4つのプロジェクト体制となる。
  • 昨年度に発展的解消となった第5プロジェクト流れを汲む、営業秘密官民フォーラムへの参画は、企画委員会主導で引き続き継続していく。2016年度は6月に開催され、営業秘密の最近の動きや、相談窓口活用状況の確認等がテーマとなった。

2. 第1プロジェクト【中国への協力・要請】
幹事 小薗江 健一 氏(日本知的財産協会 アジア戦略PJ リーダー)

  • 中国における知的財産権問題の解決を目的として活動。2015年度の活動の感触を踏まえ、2016年度は中国政府へ意見・要望を打ち込む好機と捉えて取り組んだ。
  • 2016年6月の日中知財WGに参加された中国政府代表との交流会では、「ワンストップで網羅的な侵害排除」と「第2回特別プロジェクトの実施」の2点を議題にあげたところ、後者にはやや消極的な反応だったものの、前者については実現可能との回答を得た。
  • 2016年11月の北京実務レベルミッションでは、中国政府機関に対する各種建議に加え、 中国行政政府機関間の連携の現状確認を実施した。
  • 2017年2月の広東ミッションでは、総合MSA(市場監督管理局)体制の構築の提案を行った。概ね、前向きな回答があった。
  • IIPPFメンバーへのアンケートを実施した結果、第1プロジェクトが実施している中国政府への建議活動に対し、メンバーの45%から高い評価を得た一方で、同36%から興味はあるが参加しがたいとの評価があった。評価が分かれた原因は、第1プロジェクトメンバーの約1/3(35%)が権利行使に積極的な一方で、同約1/3(38%)が模倣品対策の経験なしであるためと推察している。
  • 中国では汪洋副総理が先頭に立ち、知的財産権保護強化に取組んでいるところであり、中国政府への建議活動は更に積極的に進める必要がある。一方、模倣品対策未経験メンバーには、模倣品対策関連情報を提供するため、模倣品対策建議グループと模倣品対策情報収集グループの2つに分かれて活動することにした。

3. 第2プロジェクト【中国以外の国・地域への対応】・インターネットWG
幹事 鈴木 啓之(ジェトロ 知的財産・イノベーション部長)

中東WG
今年度の主要目標は(1)活動対象国の拡大(エジプト・トルコ)、(2)中東ミッションの派遣、(3)IPGとの連携の3点。
中東ミッションでは、従来から関係を築いてきたドバイ警察や経済開発局(DED)等の取締機関の他、司法研修所とジュベルアリ・フリーゾーン庁へ初めての訪問を行った。
司法研修所では、WG企業内の過去の事例を独自に調査し、商標権侵害の罰金が法定最低額となることが多い点について指摘。抑止力としての罰金額の増額を打診したところ、問題認識の共有のため、UAEと日本の司法関係者の間でワークショップを開催したい、との提案を受けた。
2015年に中東WGとMOUを締結している首長国知財協会(EIPA)総会にて、中東WGメンバー企業が、日本企業を代表してプレゼンを行った。あわせて、ミッション行程の中で中東IPGとの意見交換会を開催し、問題意識の共有や役割分担の確認を行った。
エジプトでは、アフリカ初の真贋判定セミナーを開催。午前中は現地政府機関の高官からプレゼンを頂き、午後は現地の取締実務担当者向けに、中東WGメンバーが真贋判定セミナーを行った。
2017年の1月にEIPA/DEDを日本へ招聘し、UAE模倣品対策セミナーの会場にて、中東WGとドバイ経済開発局の間で知的財産権保護に関するMOUを締結。模倣品の撲滅に向け、相互の今後の協力体制を確認した。
2017年2月に実施したイラン税関職員の招聘事業では、イラン税関の副長官以下5名とイラン人弁護士1名と意見交換会を実施。イラン国内の模倣品流通状況や取締の実務について、活発な議論が展開された。
ASEAN WG
国によって制度・運用が異なることから、各国の情報収集に重点を置いて活動。また、現地政府機関との共同事業にも取り組んだ。
ベトナムでは、三者連携プロジェクトを実施。三者とは、現地取締り執行機関・大規模市場の経営者・日本の権利者を指す。同事業として、店舗事業者向けの反模倣品啓発セミナー等を実施した結果、同市場内での日本企業の模倣品取り扱い店舗が減少したとの報告があがっている。
ミャンマーでは、昨年に引き続き、税関差止プロジェクトを実施。現地税関へ差止手順や真贋判定に関する情報を提供する等、税関差止の早期体制整備と運用開始を依頼した。その結果、2月以降、同国税関から日本企業の侵害疑義品を発見したとの連絡も入るようになっている。
インドネシアでは、複数の取締り執行機関に向け真贋判定セミナーを実施。また、ショッピングモールで多くの模倣品が出回っていることから、モール事業者を招いたセミナー・意見交換も実施した。その他、税関差止に係る実施細則の早期制定に向けて、インドネシア税関総局へ日本企業の声をまとめたレターを提出した。
来年度も、アセアン各国の情報収集と相手国政府との協力関係構築を継続して実施していくとともに、今年度ベトナムやミャンマーで実施した共同事業のスキームを他国でも展開していきたい。
インドWG
インドでは、日本の権利者の疑義品発見が未だ少ないことから、現地税関向けセミナーを実施。
来年度、水際措置の強化等、模倣品取締り体制に関して、引き続き現地政府に改善を要請していく。また、ECサイトでの模倣品対策についても取り扱いたい。
ロシアCIS東欧WG
これまでロシアを中心に活動していたが、今年度は周辺国への調査を拡大。
具体的には企業ニーズに基づき、カザフスタン、キルギスタン、ウクライナで模倣品流通の実態に把握のための調査を実施した。
インターネットWG
中国のECサイトを中心に活動を実施してきたが、昨年度より活動の対象を日本国内や中国以外の国々にも拡大。各国のECサイト、ISPと双方向的な意見交換を行い、協力関係を構築するとともに、自主的な対応を促すことを活動の目的とする。
WG内では、企業各社からの事例紹介を通じ、情報交換やベストプラクティスの共有を行いながらインターネット上の模倣品被害の実態把握に努める。あわせて、ECサイトの窓口担当者や専門家(弁理士・弁護士・警察担当者等)を講師としてWGに招聘し、模倣品対策の取り組みに関する研究活動も行っている。
2016年度は、WG企業からの事例発表として、近年、急速に拡大しているSNS上の模倣品販売に関する事例が報告されたほか、WGに参加している業界団体からも取組事例が紹介された。また、外部講師を招聘することで、これまでに活動対象としてこなかったECサイトでの対策事例や、オークションサイト上での模倣品対策についての実務について、研究を行った。
2016年10月には、インターネットWGとしてかねてより協力関係を構築しているアリババ集団にミッション団を派遣。模倣品販売業者への厳罰化について、建設的な意見交換を行った。先方からは、模倣品対策用に導入した最新システムの紹介を受けた。
アリババミッション派遣時に、インターンネットWGとしては初めて杭州市の市場監督局を訪問。インターネット上の模倣品取締について、意見交換を実施した。
来年度は、中国のECサイトとの関係構築を継続しつつ、国内ECサイトやオークションサイト、SNSサイト等、新興サイト上での模倣品対策について、WG企業からの事例発表や専門家招聘等を通じて研究を行っていく。

4. 第3プロジェクト【情報交換】
副幹事 飯田 圭 氏(日本弁理士会 貿易円滑化対策委員会 委員)

  • 業種横断的な情報交換の場を設置し、海外での有効な模倣対策について、実務的な情報交換を行うことを目的に活動。
  • 企業担当者からの事例紹介をふまえた参加者との双方向の情報交換行うべく、メンバー限りのクローズド会合を年3回、メンバー以外も対象としたオープンセミナーを年1回開催した。
  • 成果としては、参加者からは好評であり、活動方針に沿って目標を達成できた。
  • 課題としては、毎回30名程度の規模のクローズドな情報交換会は、会員一般への広がりを欠くこと、また事例紹介を行う担当企業の選任が年々困難なことが挙げられる。
  • 来年度からは、クローズドな意見交換を見直し、新たな企画委員会の活動として継承する。またIIPPF全体として各プロジェクト・WGの活動成果を会員一般に見える化し共有することも必要であることから、成果共有・報告の場として、会員一般向けのオープンな会合を適宜開催する。それを通じ、各プロジェクトへの参加促進を図る。さらに、各プロジェクトではカバーされないテーマを中心に、オープンセミナーを年1回開催する。

5. 第4プロジェクト【人材育成・普及啓発】
幹事 腰原 正秀 氏(発明協会 発明奨励グループ 部長)

  • 一般市民等に対する知的財産普及啓発活動を推進することを目的に、大学での講座を活用した人材育成協力活動、青少年向け知財保護教育活動、真正品や模倣品・海賊版の展示、ウェブサイトによるメッセージの発信などを実施した。
  • 筑波大学法科大学院、岐阜大学、政策研究大学院大学、大阪工業大学大学院で知的財産についての講義の中でIIPPFの活動について紹介した。青少年向けの教育活動としては、電子紙芝居および工作教室からなる、IPカルチャー教室を7月に開催した。真正品や模倣品・海賊版の展示については7月、9月及び2017年3月の計3回実施した。
  • 来年度は、企画委員会による「普及啓発・人材育成」活動として、日本企業・一般消費者向けに普及啓発セミナーを年1~2回開催する。その他政府や各業界団体で行っている普及啓発活動への参画、国内で開催される国際展示会における広報出展等の検討を行う。

副座長挨拶

副座長 石毛 博行(ジェトロ 理事長)

  • 報告の通り、IIPPFは設立15周年の節目を迎えるにあたり、今後は体制や機能を一新して活動していくことになる。
  • 今さら申し上げるまでもないが、IIPPFの強みは官民連携により、産業界の要請を海外政府に直接伝達できる点にある。
  • 中国においては、巧妙化する模倣・違法業者をより効果的・効率的に処すための更なる法整備や運用の強化、新興国においては、水際措置や市場監督の制度導入や運用強化など、要請すべき課題も多々あるのではないかと考えられる。
  • 中国を中心に生産された模倣品は今も世界的に流通しており、大幅な改善には至っていまい。課題が山積している状況に変わりはない。
  • これまで挙げてきた成果を踏まえ、新たな体制のもとで、働きかけるべき課題や、アプローチの手法につき、しっかりと議論を深めていただきたい。
  • その意味でも、来年度よりPDCAサイクルを実施することになった点は、非常に心強く感じている。
  • 他方で、近年、中国へのハイレベルミッションが実現できていない。中国は、政府のトップと話ができれば、現場へのインパクトが大きく異なってくる。この点、働きかけの仕方をしっかり検討する必要があり、ジェトロとしても、引き続き努力して参りたい。

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