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平成23年度国際知的財産保護フォーラム総会の開催(2012年3月30日)

国際知的財産保護フォーラム(IIPPF)は2012年3月30日、ホテルオークラ東京(東京都港区)にて平成23年度の年次総会を開催した。総会には、57名が参加した。

【来賓】
来賓として、以下7名の方々に参加いただいた。

  • 内閣官房 知的財産戦略推進事務局 次長 芝田 政之
  • 経済産業省 大臣官房審議官 宮本 聡
  • 特許庁 総務部長 熊谷 敬
  • 外務省 経済局 知的財産室長 彦田 尚毅
  • 財務省 関税局 業務課 知的財産調査室長 上川 純史
  • 農林水産省 食料産業局 新事業創出課長 遠藤 順也
  • 文化庁 長官官房 国際課長 佐藤 透

【来賓挨拶】

柴田次長:
・知的財産は経済成長の原動力であり、その実現には充実した研究・技術開発環境、豊かな文化的背景、自由な表現の保障、知的財産保護制度が整った成熟した社会の存在が必要。
・日本は成熟した社会として知的財産を大きく、早く回転させることで日本経済の発展に資したい。世界経済で成果を得る前提となる、諸外国における知的財産保護が大きな課題となる中で、志賀座長以下IIPPF会員団体・企業の皆様の多大なご尽力に敬意を表する。
・日本国政府としては、IIPPFの活動を支援すると共に政府としても、模倣品・海賊版対策強化を目指す。事例を挙げるとすれば、2005年に日本が提案した模倣品・海賊版拡散防止条約(ACTA)を国会審議するための閣議決定や2012知的財産推進計画の骨子を決定した。
・グローバルネットワークにおける知的財産への対応に向け、知的財産システム強化やソフトパワー活用が不可欠であり、模倣品・海賊版対策強化は重要な政策の柱。途上国・新興国が成熟した社会として日本のパートナーとなるよう政府も協力し、官民共同のオールジャパンで知的財産保護に取り組みたい。

宮本審議官:
・昨年は製造業においては震災、円高等の非常に過酷な状況に直面したが、従来から培ったブランド力を高め、国際競争力を高める必要があり、IIPPFの取り組みの重要性はますます増している。
・中国中央政府のみならず、実際に模倣品対策に取り組む地方政府の広東省とも強いパイプ作りにご尽力いただいた。
・知的財産に関する密接な協力関係がなかった国々において、南米、東南アジア、ロシアでは真贋判定セミナーを、ドバイからの税関庁一行の招聘を行っていただいた。
・経済産業省は、中国商務部との覚書に基づき、第3回日中知財WGを神戸で開催。インターネット上の模倣品対策やACTAの中国法に関する勉強会等に関して合意。中国国家行政管理総局との覚書に基づいた日本招聘を実施。今後も中国政府との模倣品対策に関する連携を深め、日本企業を支援していきたい。
・経済産業省としては今後もIIPPFと密接に連携と共に、企業への側面支援も継続したい。IIPPFには、今後とも模倣品・海賊版対策における中心的な役割をお願いしたい。

熊谷部長:
・グローバル競争が激化する中で、IIPPFの重要性はますます高まっており、官民挙げて支援できることが望ましい。
・模倣品対策から知的財産対策へ急速に舵を切りつつある中国に対し、日本がいかに対応するかは重要な課題。中国の特許出願は世界一であり、2015年には実用新案、意匠、商標等を加え、250万件の出願を目指す。中国における知的財産訴訟の件数も急速に拡大し、年間6,000件で世界一位。海外企業を巻き込んだ案件は数%だが、日本企業に多額の損害賠償を命ずる判決も出ており、対応策は重要な課題。現在、世界の特許文献の1/3は中国語であり、日本人にとって読解が容易でない文献の存在は大変な問題。今年度3月19日より、無審査で登録され、リスクの高い中国実用新案に関しては、日本語で検索できるシステムを導入。平成24年度より中国特許文献に関しても同様のシステムを導入。さらに、日中機械翻訳の辞書開発にも着手し、数年度にはフルテキストで中国文献を検索できる環境を整備したい。
・海外における迅速な権利取得のため、特許審査ハイウェイ(PPH)の拡大を推し進めてきたが、昨年の中国での始動により日本企業は世界の9割で利用可能となり、現在は交渉中のアセアン、インドで実現すれば世界のほぼ100%が利用可能となる。
・知的財産保護には官民挙げての尽力が重要であり、その要となるIIPPFとの協力関係が重要と認識。

【座長挨拶・志賀俊之座長】
・IIPPF設立以来10年にわたり「協力と要請」を行動指針に掲げ、継続的に中国ミッションを派遣し、中国政府と密な信頼関係を築くことができた。中国の知的財産行動計画にIIPPFとの協力が明記され、IIPPFと中国との関係は着実に強化された。
・中国政府は積極的に自国の知的財産保護を強化し、「知的財産権侵害を摘発する特別行動」を展開し、多大な成果を挙げた。中央政府の意識は高まっても地方政府は依然低いままとの声が聞かれる中、特に模倣品・海賊版被害の多い広東省に官民合同ミッションを派遣した。共産党広東省委員会の汪洋書記との会談が実現し、汪洋書記からは非常に積極的な姿勢が示された。汪洋書記との合意に基づき、IIPPF広東省ミドルレベルミッション、実務レベルミッションを派遣し、広東省政府とIIPPFの協力関係を構築できた。
・第7回ハイレベルミッションでの商務部との合意に基づき、中国最大の展示会である広州交易会にて日中広州交易会知的財産保護シンポジウムを開催し、非常に有意義な啓発活動を実施できた。
・中国で製造された模倣品・海賊版が世界中に拡散しており、インド・中東・ASEAN・南西アジア地域・ロシア等の様々なワーキンググループ活動を通じて、中国以外の地域の知的財産保護も重視したい。
・IIPPFの活動の重要性は増すばかりであり、日本企業・団体の知的財産保護活動が少しでも多くの成果を挙げることを目指し、積極的な活動を展開する必要がある重要な時期にある。

【座長・副座長の選出について】
・志賀座長の任期満了に伴う座長の選任については、IIPPFの運営要領上、「座長の選任は総会の決定による」とされ、選出方法は定めがないため、総会参加者からの推挙の形式をとることで異議なしで採択された。さらに、日産自動車株式会社の志賀COOは、日本の基幹産業である自動車業界において積極的な侵害対策に取り組まれ、中国におけるミッション派遣でも多大な貢献をいただいていることから、石毛副座長から再任の推挙があり、満場一致で採択された。
・2011年11月28日、副座長の選任の書面審議を行った結果、賛成多数で独立行政法人日本貿易振興機構の石毛博行理事長が副座長に選任されたため、本総会で改めて報告した。

【プロジェクト活動報告】

全体活動総括(河本 健二 企画委員長 日本知的財産協会 理事長)
・中国広東省へハイレベル・ミドルレベル・実務レベルの3つのミッションを派遣し、地方政府との交流強化を実現。
 (1)研修のために来日した人材に対し、フォローアップの勉強会の実施
 (2)広東省政府を日本に招聘し、より深化した意見交換を実施
 (3)不法経営額により行政罰か刑事罰か左右される中国において、適正に金額が算出されるよう、不法経営額算定セミナーを開催
 (4)日中企業間交流の機会設置
・2012年度の活動予定は、北京へハイレベルミッションを派遣すること。さらにIIPPF10周年記念誌を発行し、日本国民に活動成果を普及すると同時に中国政府には日中協力による成果を共有し、今後の関係深化に役立てたい。

第1プロジェクト(小薗江 健一 幹事 日本知的財産協会 常務理事)
・北京へのフォローアップ・実務レベルミッション派遣、広東省への実務レベルミッション派遣により中国政府へ知的財産保護強化に向けた建議を行った。
・広東省政府との合意に基づき、広東省で初の日中企業連携会議を開催。日中企業連携・知財フォーラムは、知的財産保護による相互発展、知的財産の尊重と公正な企業活動を擁護・推進、継続的な議論による企業連携の深化を行動理念として、日本知的財産協会により2005年から上海と北京にて継続的に実施されてきた。PCT出願数世界順位上位5社では、2005年には中国企業は1社も入っていなかったが、2011年には連携会議の参加企業から2社が上位5社に入った。
・広東省での日中企業連携会議では、北京や上海での日中企業連携会議の内容を紹介し、日中企業(各2社)代表の知的財産活動紹介を行った。中国側4社、日本側5社が参加。広東省中国企業から模倣品・海賊版対策の声を上げてもらうことや日中企業間の知的財産訴訟の増加における交渉ルート作りが目的。

第2プロジェクト(河本 健二 企画委員長 日本知的財産協会 理事長)
・模倣品の世界的な中継地点となるドバイでの水際対策強化を目的として、税関庁一行を日本に招聘。代理人を経由せず、権利者から直接税関への情報提供が可能ということと、第三国からドバイへの模倣品流入情報を提供すれば優先的に対応してくれる等の有用な発言が得られた。
・インド・アセアン地域では現地で真贋判定セミナーを開催。税関職員等が60名程度参加し、さらに意見交換会により各国政府から情報を得、交流も深めた。
・ロシアCIS・東欧研究会が2010年6月に発足し、2011年度は真贋判定セミナーおよび内務省との意見交換会を開催。

第3プロジェクト(黒瀬 雅志 副幹事 日本弁理士会 産業競争力委員会委員)
・第1回情報交換会では、富士化水工業の井本社長をお招きした。中国で知的財産侵害訴訟を提訴され、多額の損害賠償が認定された案件として日本企業の注目を集めているが、井本社長から背景について率直なご意見をいただいた。その他、中国で出願が急増する実用新案等をテーマとして計4回開催。
・会合という方法だけでなく、データベース(DB)により情報交換を迅速に行うことを目標に模倣対策DB研究会を設置し、現状の課題や理想とするDB内容を研究。
・2012年度は、メンバーからの要望アンケートを基に、中国を中心とした「企業の模倣対策事例」や「訴訟対策」等の時勢に合ったテーマを取り上げる予定。テーマによってはIIPPF会員企業へ公開することも検討。

第4プロジェクト(杉山 定次 幹事 社団法人 発明協会知的財産研究センタ-総合支援グループ 部長)
・日本国内大学での講義等による人材育成を通じた知的財産保護意識の向上や「出張!IPカルチャー教室」を開催し、参加者自らがオリジナル創作体験を通じてものづくりの楽しさを体得しながらアイデア尊重意識の醸成を図る取組みを実施。
・中国北京の小学校において、青少年の知的財産保護意識向上を目的に知的財産保護教育を実施。

非プロジェクト【インターネットWG】(児山 信之 部長 独立行政法人 日本貿易振興機構 進出企業支援・知的財産部)
・日中インターネットシンポジウム(北京)にて中国大手商取引サイトのタオバオとインターネット上の知的財産保護に関する協力の覚書を締結。
・インターネットWGでは、上記覚書に基づき、問題改善に向けた具体的な協力活動を協議。
・昨年度からの継続的な活動の成果として、オンライン削除申立てプラットフォームの開始や日本語窓口の設置等、申し入れ内容が一部反映された。メンバー企業の確認によると、サイトの汚染率や出品者数に減少が見られ、侵害状況にも若干の改善が見られる。

【閉会挨拶・石毛博行副座長】
・IIPPF設立当初の中国への官民合同ミッションでは中国政府は必ずしも協力的ではなかったが、皆様のご尽力により、昨今の良好な関係が構築された。
・2012年度のジェトロの新たな取組みとしては、2012年3月に、東南アジアを横断的に把握したいとの企業の方々のご要望の高まりにより発足した「東南アジアIPネットワーク」の活動の強化がある。2012年2月の日ASEAN知的財産庁長官会合では、ASEAN各国長官から同ネットワークを歓迎する旨が表された。
・インドにおける知的財産問題に関する企業の方々のご関心の高まりに応え、ジェトロニューデリー事務所に知的財産部を設立し、専任の人員を配置予定。
・模倣品・海賊版対策の新たな世界的枠組であるACTAが2011年10月に署名され、世界的に知的財産保護強化の動きが一歩前進した時期にIIPPFも10周年を迎える。その活動をより強化すると共に、ジェトロは上記のASEAN・インドにおける新たな取組みのように、企業の方々の要望に応じてIIPPFの活動を支援していきたい。

【議事次第】

  1. 開会
  2. 来賓紹介
  3. 来賓挨拶
  4. 企画委員の紹介
  5. 座長挨拶
  6. 座長・副座長の選出について
  7. 平成23年度活動報告および平成24年度主要事業の紹介
    (1) 企画委員会および全体活動について
    (2) 第1プロジェクト
    (3) 第2プロジェクト
    (4) 第3プロジェクト
    (5) 第4プロジェクト
  8. 閉会

(資料)