1. サイトトップ
  2. 目的別に見る
  3. 知的財産権保護
  4. 国際知的財産保護フォーラム(IIPPF)
  5. これまでの活動
  6. 2020年度 国際知的財産保護フォーラム(IIPPF)総会の開催(2021年3月3日)

国際知的財産保護フォーラム(IIPPF) 2020年度 国際知的財産保護フォーラム(IIPPF)総会の開催(2021年3月3日)

国際知的財産保護フォーラム(IIPPF)は2021年3月3日(水曜)、ジェトロ本部5階展示会場(東京都港区)にてWEB会議との併催(ハイブリット形式)にて、2020年度の年次総会を開催した。総会には89名が参加した。また、来賓として、以下7名の方に参加いただいた。

  • 内閣府 的財産戦略推進事務局 次長 出倉 功一 氏
  • 特許庁 総務部長 小見山 康二 氏
  • 特許庁 総務部 国際協力課長 冨澤 武志 氏
  • 特許庁 総務部 国際協力課 模倣品対策室長 新田 稔 氏
  • 財務省 関税局 業務課 知的財産室長 石川 陽一 氏
  • 外務省 経済局 知的財産室長 鵜木 崇史 氏
  • 文化庁 著作権課国際著作権室長 関 百合子 氏
会場の様子

会場の様子

議事次第

  1. 開会
  2. 来賓紹介(司会)
  3. 来賓挨拶
    • 内閣府 知的財産戦略推進事務局 次長 出倉 功一 氏
    • 特許庁 総務部長 小見山 康二 氏
  4. 座長挨拶
    座長 内山田 竹志 氏(トヨタ自動車株式会社 代表取締役会長)
    ※企画委員長・近藤健治氏による代読。
  5. 2020年度活動報告および2021年度活動方針の紹介
    1. 企画委員会及び全体活動について
      企画委員長 近藤 健治 氏(トヨタ自動車株式会社)
    2. 中国プロジェクトチーム
      幹事 大久保 淳 氏(ヨネックス株式会社)
    3. アジア大洋州プロジェクトチーム
      幹事 牛久 有紀 氏(キヤノン株式会社)
    4. 中東プロジェクトチーム
      幹事 吉田 康浩 氏(トヨタ自動車株式会社)
    5. インターネットプロジェクトチーム
      幹事 岡崎 高之 氏(株式会社バンダイ)
  6. 2021年度企画委員について
  7. 世界税関機構との連携について
  8. 閉会挨拶
    • 独立行政法人 日本貿易振興機構(ジェトロ)
    • 理事 曽根 一朗

座長挨拶

座長 内山田 竹志 氏(トヨタ自動車株式会社 代表取締役会長)
※企画委員長 近藤 健治 氏 代読

  • IIPPFは、2022年4月に20年目の節目を迎える。この間、諸外国政府に対する協力と要請というアプローチにより、真贋判定セミナーなど人材育成支援事業や、官民合同ミッション派遣など法制度、運用改善等の提言を行ってきた。とりわけ中国に対して様々な建議を行い、多くの法制度が整備され、運用が改善された。
  • 中国が初めて知財保護綱要を制定した2008年から10年後の2018年には、同国は知財強国を目指すまでに至った。2019年からの商標法、反不正当競争法、電子商取引法、専利法、著作権法などの一連の知的財産関連法制の大改正は、米中貿易協定締結などの後押しもあったが、中国が知財保護を自律的に邁進している左証であり、大きな時代の変化を感じる。
  • IIPPF活動の意義を改めて振り返ると、IIPPFは、2002年4月に業種を横断した59の団体、82の企業が集まり、設立された。それは、模倣品・海賊版が世界で蔓延し、権利者が本来得るべき利益を奪われ、新たな知的財産の創造意欲が減退し、活力ある経済活動が阻害されていたことが背景にあり、これを決して許さないという強い決意があったものと考える。その後、8回にもわたる官民合同のハイレベルミッション派遣など強い姿勢が多くの国、地域で経済発展における知的財産保護の重要性を認識させた。加えて、各国の多くの消費者を不正で危険な商品から保護することにもつながり、我が国と諸外国との互恵的な関係を構築するだけではなく、国際社会全体の発展にも大きく寄与した。
  • 過去を振り返ったのは、長年IIPPF活動を牽引してきた中国プロジェクトチームの模倣品対策建議グループ(現在の交流グループ)が今年度でその活動を終えるためである。本グループの活動の終焉は中国での法整備が進んだことが大きな要因ではあるが、皆様を代表し、これを大きな時代の変化の中での発展的な解消と捉え、IIPPFで活躍された諸先輩方など関係者一同に対し、その偉大な成果を称賛し、困難への対応を労いたい。
  • これからもIIPPFは諸先輩方の意思を引き継ぎ、皆様の協力を得て、未だに減少しない模倣品の撲滅に向け活動を継続して行く。
  • また、国際化の進展やインターネットの利用拡大に伴い、世界税関機構(WCO)や諸外国のECプラットフォーマーとの連携促進など、新しいアプローチに果敢に挑戦し続けたい。

2020年度活動報告および2021年度活動方針の紹介

1. 企画委員会及び全体活動について
企画委員長 近藤 健治 氏(トヨタ自動車株式会社)

  • 2020年度は、企画委員会を3回開催。第1回は2020年度の各プロジェクトチームの活動計画、企画委員長の選任、企画委員メンバーの承認などが議題となり、書面にて開催した。第2回は2020年度各プロジェクトの活動報告、第3回は2020年度各プロジェクトの活動報告、2021年度以降の中国プロジェクトの活動、世界税関機構(WCO)との連携などが主な議題であった(いずれもオンライン開催)。
  • 2020年度活動の報告は2点。1点目は、情報共有セミナーであり、今年度は同セミナーを3回オンラインで開催した。講演内容は、第1回は「アジア大洋州におけるポスト・コロナの模倣品対策(8月7日)」、第2回は「中国における専利・商標模倣品対策セミナー(10月30日)」、第3回は「ケニアにおける知的財産保護(11月25日)」。2点目は、IIPPFのウエブサイトの随時更新であり、これにより、IIPPFの認知度向上に寄与した。
  • 2021年度の活動方針は、今年度同様に情報共有セミナーの開催等を通じ、新規メンバーの獲得を目指すほか、模倣品のグローバルな拡散に対応し、政府機関職員向け真贋判定セミナーや招へい事業、調査事業を通じ、引き続き模倣品対策に取り組むこと。さらに、中国プロジェクトでの新たな取組やWCOとの連携を進めて行く。
  • 中国プロジェクトチームの交流グループの今までの活動を振り返ると、主な活動として、日中間ハイレベルミッション (02,04,05,06,07, 09,10,12年の計8回)が挙げられる。その際に多くの建議を行い、その結果、中国において大幅な知財関連法の改正を実現できた。近年では、中国当局に対し、制度運用改善に関する要請を行い、2018年から2020年にかけ6件の法改正につながった。
  • 2021年度には、IIPPFの組織について、一部改変を行う。今まで中国プロジェクトチームは2グループで構成されていたが、そのうちの交流グループを発展的に解消する。2021年度からは、中国プロジェクトチームは一体となり、既存及び新規の課題に対応する。また、新たな取組として、WCOと各プロジェクトチームが連携し、模倣品の水際対策を進めて行く。

2. 中国プロジェクト
幹事 大久保 淳 氏(ヨネックス株式会社)

  • 2020年度交流グループでは、メンバー企業にアンケートを行った結果、法改正や法制度の整備が模倣品・海賊版の撲滅につながっていない現状に対し、中国当局等と交流や協力ができるか検討したが、解決策を見出すことができなかった。しかし、これは長年の建議及び交流活動の成果により課題が減少した結果と評価できる。中国当局への建議に関する意見交換会の開催も検討したが、コロナ禍により実施できなかった。
  • 2020年度情報収集グループでは、会合を4回実施し、毎回メンバー企業による事例発表(計5社)とグループディスカッション(計3回)を行った。事例発表では、以前からの商標権侵害のほか、意匠権対策に関する事例発表が多くなった。オンライン会合では、一方的な情報発信となりがちだが、グループディスカッションではZoomの機能を活用し、参加者を複数の小グループに分け活発な意見交換を行えた。
  • 真贋判定セミナーについては、コロナ禍で開催が危ぶまれたが、オンラインとオフラインのハイブリッド形式で9月に広州市市場監督管理局と、また、11月には香港税関と実施した。
  • 2021年度の活動方針については、定例会合と真贋判定セミナーのほか、従来、インターネットプロジェクトが意見交換を行っていたアリババに加え、京東(JD.com)、フリマサイトの拼多多(Pinduoduo)、日本のLINEに似た微信(wechat)などのプラットフォームにも対象を広げ、意見交換等を行う。交流グループとの統合後も、活動を収縮するのでなく、発展的に活動を進めて行く。
  • 新しい試みとしては、中国消費者向けの知財保護啓発動画の作成及び広報支援。実施理由は、消費者による模倣品の購入抑制により、模倣品の減少につなげるためであり、これは非常に重要な活動と認識している。即効性は期待できないが、長い時間をかけて取り組んでいくことが重要。交流グループが行ってきた政府機関職員との意見交換については、今年もメンバー企業にアンケートを行い、その結果を踏まえ、中国IPGとも必要に応じて連携を図りながら実施したい。WCOには、中国の税関における差止の精度が向上するよう、適宜情報提供を行い、状況の改善を目指す。

3. アジア大洋州プロジェクト
幹事 牛久 有紀 氏(キヤノン株式会社)

  • 2020年度、日本国内では会合をオンラインで4回開催し、調査事業を3本実施した。
  • 会合では、発信が一方的とならないよう参加者を4~5名の小グループに分け、討議の時間を設け、メンバー間で意見交換を行いやすいよう工夫を行った。グループ討議のテーマは、啓発、摘発、税関、EC対策など。
  • 海外では、コロナ禍により、例年現地へ出張し実施してきたベトナム真贋判定セミナーなどは実施できなかった。他方、オンラインでタイ警察との意見交換会を実施し、市場での摘発状況に関する意見交換や2020年末から本格的な活動が始まった「知財侵害抑制センター」の説明を受けた。また、タイにおいては、同国知財庁と米国特許商標庁(USPTO)が企画した現地大学生向け啓発活動に協力した。具体的には、メンバー企業が模倣品対策の取組みについて説明を行ったほか、学生との意見交換を行った。
  • 2021年度は、2020年度の活動を概ね踏襲する。2020年度に中止となったベトナムなどASEANで真贋判定セミナーを実施するほか、フィリピン当局との招へい事業などを予定しているが、コロナ禍が継続する現状を踏まえ、オンラインによる事業実施についても検討していく。また、メンバーの間で関心の高かった啓発活動にも力を入れるほか、WCOとの連携を通じて、メンバーによる模倣品対策の更なるレベルアップを図る。

4. 中東・アフリカプロジェクトチーム
幹事 吉田 康浩 氏(トヨタ自動車株式会社)

  • 2020年度当初は、アラブ首長国連邦(UAE)のフリートレードゾーンの状況や反不正競争防止法の適切な運用の働きかけを目的とした現地での事業や招へい事業を計画していた。しかし、コロナ禍により事業の見直しを行い、次の3点に活動を変更した。1点目は、コロナ禍における中東・アフリカ現地情報の収集。この背景としては、2020年3月から5月にかけ、現地の政府当局がコロナの影響で活動を停止し、また権利者も同様に現場での摘発が難しかったため、現地の情報を可能な限り収集すべく取り組んだ。もともとUAEには海外との通信制限があり、海外とのリモート会合ができない環境であった。しかし、2020年にはコロナ禍により海外との通信制限が緩和され、Skype等の利用が可能となった。これを受け、2020年度に開催した全ての会合にジェトロドバイ事務所の知財部長に参加してもらい、同部長よりUAEを中心とする現地の最新情報を紹介してもらった。
  • 2点目は、メンバーによる摘発事例の共有・勉強会の実施。コロナ禍により、このテーマに取り組む時間的余裕ができたため、そもそも情報が少ないアフリカ・中東での摘発事例について、毎回の会合で2~3社が紹介することで対策方法や制度情報等のメンバー間での情報共有が図られた。
  • 3点目は、「西アフリカ地域の流通実態調査」の実施。当初は西アフリカ地域で模倣品がどの港と陸路を通じて、どのように販売されているかを洗い出したかったが、コロナの影響で現地調査が難しかった。しかし、現地の弁護士等を通じ、この地域の模倣品市場や摘発の状況等有意義な情報を得ることができた。
  • 2021年度は、まだしばらくコロナ禍が続くことを考慮し、事業によっては、リモートと現地開催のハイブリット開催も視野に入れつつ実施する。計画中の活動は3点で、1点目は今年度実施したかった、模倣品の経由地であるUAEでの問題(反不正商品法、フリーゾーン、罰則)の改善に関する現地政府等への働きかけであり、ハイブリッド開催を想定。2点目は、東アフリカの模倣品の流入口であるケニアでの模倣品対策関係機関等との協力関係構築。3点目は、中東・アフリカ地域における模倣品対策のための情報収集であり、「アフリカを中心とした各国制度・運用状況の比較調査」の実施及び北アフリカ地域の弁護士による講演などを計画している。

5. インターネットプロジェクト
幹事 岡崎 高之 氏(株式会社バンダイ)

  • 2020年度の主な事業は4点。1点目は、オンラインでのアリババとの意見交換会(3月)及び国内ECサイトとの交流等。後者では、ヤフー株式会社及び楽天フリマアプリ「ラクマ」と交流を行った。2点目は、メンバー間での情報共有を図るべく、定例会合において「我が社の対策」というセッションを設け、全4回のうち3回の会合で計6社がネット上の模倣品対策事例を発表した。3点目は、非典型権利侵害関連の活動。これは、目立たずに模倣品の情報をEC上に掲載するケースや、一見侵害とはわからない状態で模倣品を売っているケースに対し、どのように責任追及ができるかを研究するプロジェクト。本プロジェクトの下、各国の法制度や対応を調査すべく「発信者の知的財産権侵害行為に対してプラットフォーマー/プロバイダーが負う法律上の責任に関する各国比較調査」を実施した。この研究事業は本年度でいったん完了となる。4点目は、9月に実施したAMAZONの日本及びインド法人との意見交換会。
  • 今後の課題及び活動方針は2点。1点目は、コロナ禍でも、国内外インターネット事業者との協力関係を維持する点。2点目は、模倣品業者の最新トレンド(スマホアプリやSNSの活用状況)を把握し、事例をメンバー間で共有すること。
  • また、商標法・関税法改正による、個人使用を目的とする輸入模倣品の没収に期待する声がメンバーにあり、2021年度のプロジェクトとすることを検討中。

2021年度企画委員について

事務局より、2021年度IIPPF企画委員名簿(案)を説明。審議の結果、異議なく承認された。

世界税関機構との連携について

事務局より、世界税関機構(WCO)の概要及び連携(案)として、(1)IIPPF各プロジェクト会合との連携、(2)IIPPFセミナーにおける講演、(3)真贋判定セミナーでの連携、(4)日本企業が直面する課題等の共有を紹介。審議の結果、異議なく承認された。

閉会挨拶

ジェトロ理事 曽根 一朗

  • IIPPFは、2002年に設立後、本年で19年目を迎えた。この20年弱の間で、IIPPFを取り巻く環境は大きく変化した。中国を例としてみても、2002年以降、継続的にハイレベルミッションを派遣し、中国政府に対し具体的な建議を行ってきた結果、刑事訴追基準の引き下げや知財裁判所の設立など、法制度や運用の改善が見られた。
  • このような変化を受け、これまで中国政府に対し法改正などを提言してきた交流グループがその役割を終え、本年4月以降は情報収集グループと一体となり、中国プロジェクトチームとして活動することになった。新たな中国プロジェクトチームでは、オンライン上での模倣品被害や地方における執行問題など、引き続き改善を要する事項について情報を収集し、必要な取組が行われることを期待。事務局のジェトロも、引き続き中国プロジェクトチームが円滑に活動できるよう尽力する。
  • オンライン上での売買などが活発化し、模倣品がより一層国境を越え世界で流通しやすくなる中、多国間での連携が益々重要となる。IIPPFでは、こうした状況を踏まえ、今後はWCOと連携強化を図って行く。

ご相談・お問い合わせ

現地日系企業の皆様

最寄りのジェトロ事務所にご連絡ください。