2027年ベオグラード国際博覧会の日本館基本計画を策定しました ―出展テーマは「ともにあそび つながる 日本のあそび心」―

2025年10月27日

ジェトロ(理事長:石黒憲彦、本部:東京都港区)は、2025年8月の閣議了解により、参加機関として「2027年ベオグラード国際博覧会(以下、「ベオグラード博」)」への日本政府出展事業を実施します。

ベオグラード博への日本の公式参加にあたり、ジェトロに有識者で構成される「2027年ベオグラード国際博覧会 日本政府出展検討委員会」を設置し、幹事省の経済産業省と副幹事省の文部科学省も参加する形で、3回にわたり議論を重ね、このたび日本館のテーマや出展の方向性等を定めた基本計画をとりまとめました。

1. 日本館のテーマ

ともにあそび つながる

日本のあそび心

2. テーマに込めた思い

2027年ベオグラード万博のテーマ「人類のためのあそび」は、世界が分断の様相を深めるいま、手を携えてともに考える価値を湛えた、真に普遍性を持つテーマである。セルビアが開催国として世界に投げかけたこのテーマに、日本の立場から応えるにあたって、私たちがまず想起したのは、2025年大阪・関西万博のセルビア館である。
同館では、大阪・関西万博のテーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」を、次期ベオグラード博の「あそび」に接続させるユニークな展示を構築された。開催国であった日本が閉幕後初めて参加するベオグラード万博の日本館では、「いのち輝く未来社会のデザイン」、そして大阪・関西万博のレガシーとなった「多様でありながら一つ」のコンセプトを「あそび」というテーマのなかへ昇華させることで、セルビアへの返礼としたい。

あそぶことは、つながることであると、私たちは考える。好奇心に導かれるままに、夢中になってあそぶとき、人と人がつながる。そして、あそびながら自然とかかわり、自然のなかで戯れ、また周囲の環境を探究することで、人とすべての生命体がつながっていく。つながろうとすること自体があそびにもなる。
「あそび」にはもともと、余白、余裕という意味合いも含まれている。建築などにおける物理的なゆとりもあれば、人の心のゆとり、なかでもユーモアや可笑しみなどの要素は、その重要な一端である。それらは生活のなかの習慣や知恵として受け継がれてきた。そのような余裕こそが、人と人、すべてのいのちのつながりを可能にする。

これは「あそび」のもつ普遍的な性格であると同時に、日本社会のさまざまな場面で、日本の歴史にねざしたその発露を特徴的に見出すことができる。日本館ではこのような観点から、日本社会で過去から現在にわたり、さまざまな世代によって受け継がれてきたあそびの諸相を紹介する。それを総称する日本館のテーマを、「日本のあそび心」とした。
この展示を通じて、「ともにあそび、つながる」ことの先に「いのち輝く未来」があること、「ともにあそび、つながる」ことこそが、世界が直面する様々な分断を乗り越え、「多様でありながら一つ」を実現する力となることを表現したい。

【参考】2027年ベオグラード国際博覧会 概要

開催地:
セルビア共和国ベオグラード市
会期:
2027年5月15日から2027年8月15日
テーマ:
「人類のためのあそび~すべての人のためのスポーツと音楽~」
(Play for Humanity: Sport and Music for All)

ジェトロ海外展開支援部 国際博覧会課(担当:石原、藤田)
Tel:03-3582-4688
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