世界最大規模のバイオ展示会「2024 BIO International Convention」 ジャパンパビリオンに30社の出展が決定 ―米国・サンディエゴで日本発のバイオ医薬品関連製品・サービスを紹介―

2024年05月23日

ポイント
日本のバイオスタートアップの海外展開支援のため、米国サンディエゴで開催される、世界最大規模のバイオ展示会「BIO2024」にジャパンパビリオンを設置(過去20年でのべ530社を支援)し、日本から30社が出展予定(3分の2がアカデミア発ベンチャー)。
出展者のパイプライン、創薬基盤技術は多岐にわたり、そのモダリティは抗体医薬、核酸医薬、ペプチド医薬、細胞治療など幅広いのが特徴的で、本展示会を通じ、欧米大手製薬企業等への導出などを目指す。
J-Bridgeの一環として、併催イベント「Japan Innovation Luncheon」を開催し、日本のバイオスタートアップに対し、現地投資家等との交流機会を提供。

ジェトロは、6月3日から6日にかけて米国・サンディエゴで開催される世界最大規模のバイオテクノロジー関連展示会「2024 BIO International Convention(以下「BIO2024」)にて、ジャパンパビリオンを設置し、バイオ医薬品関連の製品、サービスを有するスタートアップ等の海外展開、海外大手製薬企業等との国際協業連携を支援します。今年は、ジェトロが同展示会にジャパンパビリオンを初めて設置してから21年目となり、これまでの支援対象数は約530社(のべ数)に上ります。
BIO2024のジャパンパビリオンには30社のバイオスタートアップ等が出展しますが、iPS細胞を活用した細胞医療と疾患特異的iPS細胞を用いた薬剤スクリーニングにより神経難病(ALS(筋萎縮性側索硬化症)等)の研究開発に取り組む(株)ケイファーマ(東京都、慶応義塾大学発SU)、抗体薬物複合体(ADC)による難治性固形がん治療薬に取り組む(株)凜研究所(東京都、国立がん研究センター(NCC)発SU)、次世代型放射性医薬品に取り組むリンクメッド(株)(千葉県、量子科学技術研究開発機構(QST)発SU)などアカデミアから創出されたスタートアップが出展者の2/3を占めます。
出展企業の有するパイプライン(医薬品候補物質)や創薬基盤技術は多岐に渡り、そのモダリティは抗体医薬、核酸医薬、ペプチド医薬、細胞治療など幅広いのが特徴的で、本展示会を通じ、海外大手製薬企業等への導出(ライセンスアウト)や共同研究等を目指します。
会期2日目(6月4日)には、J-Bridge (Japan Innovation Bridge)の一環として、日米産学官のバイオテクノロジー・ライフサイエンス分野の関係者を集めた「Japan Innovation Luncheon」を開催します。日本のスタートアップによる米国投資家等に対するピッチの機会を設けるとともに、産学官の関係者によるプレゼンテーション、ブース設置、ネットワーキングの場を提供することにより、日米間のバイオ分野のエコシステム構築・連携強化の促進を狙いとしています。
医薬品産業では、研究開発から製品・サービスの提供に到るまで、多額の資金や時間が必要となるなど、事業化の難易度が高いことに加え、世界的に新規医薬品はスタートアップ由来が中心で、大手製薬企業等との協業を通じ、製品化に到るのが通例となっています。
こうした中、世界有数の医薬品産業・アカデミアが集積し、スタートアップ・エコシステムを形成しているサンディエゴ地域での本取り組み(BIO2024ジャパンパビリオンおよび「Japan Innovation Luncheon」)は、我が国バイオ医薬品関連企業が海外製薬企業・投資家とコンタクトする絶好の機会であり、日本からの海外展開、国際協業連携が進むことが期待されます。

2024 BIO International Convention概要

会期:
2024年6月3日(月曜)~6月6日(木曜)
会場:
San Diego Convention Center(米国カリフォルニア州・サンディエゴ)
主催:
Biotechnology Innovation Organization(米国バイオテクノロジーイノベーション協会)
主催者公式ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

※前回の開催状況・実績

会期:
2023年6月5日~6月8日
参加者数:
20,559人
出展者数:
1,540社・団体
パートナリングシステムによる商談件数:57,044件

ジャパンパビリオン概要

会場:
San Diego Convention Center, Booth 4421
出展者数:
30社
出展規模:
2,500平方フィート(約233m2
※2023年度ジャパンパビリオン出展者数は34社

Japan Innovation Luncheon概要

主催:
ジェトロ、経済産業省、現地パートナー企業/団体
日時:
6月4日(火曜)10時30分~14時30分
会場:
Venue 808(808 J St, San Diego, CA 92101)
※San Diego Convention Centerより徒歩8分程度
主な内容(予定):
スタートアップによるピッチ/展示セッション、基調講演、参加団体/企業によるプレゼンテーション

2024 BIO International Conventionジャパンパビリオン出展企業一覧

No. 企業名 所在地 製品・サービス
1 リンクメッド株式会社外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます 千葉県
  • がんの診断と治療に使える銅の放射性同位体64Cuによる次世代型放射性医薬品
  • 64Cuを抗体・ペプチドなどに結合し評価・解析する共同研究・受託研究サービス
2 KHネオケム株式会社外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます 東京都
  • 糖鎖試薬の販売
  • 糖ペプチドおよび糖鎖リンカーを用いた抗体薬物複合体の受託合成サービスの販売
3 エムバイオテック株式会社外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます 東京都 マイコプラズマ感染症診断システム、ワクチンや抗体医薬など新規創薬モダリティなどのコア技術、マイコプラズマ感染症に対するAI診断治療プログラムや情報システム設計や事業開発など、感染症予防未病医療の提案
4 エルピクセル株式会社外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます 東京都 製薬/バイオベンチャー、CRO、CDMO、医療機器企業向け画像解析AIツール提供およびAI技術の受託開発
5 キッズウェル・バイオ株式会社外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます 東京都 バイオシミラー(既存上市製品:ラニビズマブ、フィルグラスチム、ペグフィルグラスチム、ダルベポエチンアルファ)
6 ジェリクル株式会社外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます 東京都 完全に物性制御ができる独自のゲル材料(テトラゲル)を活用した製品とサービスを提供
7 ぺプチグロース株式会社外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます 東京都 再生医療・細胞医薬の製造に使用される細胞培地成分である成長因子類を代替する新規機能性ペプチド
8 レナセラピューティクス株式会社外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます 東京都 ヘテロ2本鎖核酸(HDO)技術という核酸医薬品の創薬基盤プラットフォームの提供
9 株式会社Auxilart外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます 東京都 医薬品製造プロセスの設計および最適化のためのハイブリッドモデリングソリューション
10 株式会社Elix外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます 東京都 AI 創薬プラットフォーム「Elix DiscoveryTM
11 株式会社FerroptoCure外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます 東京都 フェロトーシス誘導性抗がん剤の開発
12 株式会社Logomix外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます 東京都 ゲノムの大規模改変技術Geno-Writing™ Platformをもちいたゲノム構築・編集サービス
13 株式会社S-Quatre外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます 東京都 乳歯歯髄幹細胞(SHED)を活用した同種細胞治療薬製品および医療用細胞由来製品の原料としてのSHEDマスターセルバンク提供サービス
14 株式会社ケイファーマ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます 東京都 iPS細胞を用いてスクリーニングしたALS治療剤(KP2011)及び、再生医療等製品候補KP8011(脊髄損傷)
15 株式会社セルージョン外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます 東京都 iPS細胞から製造した角膜内皮細胞を用いて、水疱性角膜症の治療薬の研究・開発・製造・販売を行う。
16 株式会社坪田ラボ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます 東京都 近視進行抑制効果のあるバイオレットライト発光眼鏡フレーム(医療機器)他
17 株式会社凜研究所外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます 東京都 以下の医薬品候補物質:(1)抗TMEM180抗体、(2)抗不溶性フィブリンADC、(3)独自のリンカーADC技術
18 住商ファーマインターナショナル株式会社外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます 東京都 AUTiv / マウス尾静脈自動注射ロボットシステム
19 真崎産業株式会社外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます 東京都 多検体・大容量に対応したビーズ式破砕装置
20 国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます 東京都 創薬系SUの海外展開に資する取組展示
21 株式会社Jiksak Bioengineerig外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます 神奈川県
  • 三次元細胞組織・培養デバイスのNerve Organoid™の開発・製造・販売
  • ヒト由来細胞(iPS細胞)培養系を利用した創薬研究開発
  • ヒト由来細胞(iPS細胞)を利用した医療機器(軸索集積型人工神経)の開発
22 iBody株式会社外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます 愛知県 超迅速で高効率なモノクローナル抗体作製技術 “Ecobody技術”を用いたモノクローナル抗体作製サービス・共同研究
23 マイキャン・テクノロジーズ株式会社外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます 京都府 不死化血球細胞を用いた発熱性試験キット
24 リバーセル株式会社外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます 京都府 TCR遺伝子の導入により多能性幹細胞から効率的に抗原特異的な高品質なキラーT細胞を再生し、他家免疫細胞療法に供するプラットフォーム技術
25 株式会社aceRNA Technologies外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます 京都府 特定の細胞種あるいは疾患状態に特異的に薬物効果を制御するRNA switch (microRNA-based expression control technlogy)
26 株式会社ステムリム外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます 大阪府 再生誘導医薬・医薬品の導出候補品
27 株式会社Flying Cell外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます 広島県 磁場を活用した細胞治療のプラットフォーム「Target and Stay Techenology」
28 株式会社PURMX Therapeutics外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます 広島県 機能性RNAスクリーニングプラットフォームおよびマイクロRNAを基盤とした核酸医薬品
29 オプティアム・バイオテクノロジーズ株式会社外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます 愛媛県 CAR-T細胞の薬効向上を目的としたCAR配列作製技術及び当該技術より創製した抗FAPa CAR-T細胞
30 株式会社CUBICStars外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます 福岡県 全臓器・全身の組織透明化、染色、三次元イメージング技術であるCUBIC法を基にした創薬支援事業(試薬キット販売および医薬品開発受託サービス)
J-Bridgeとは
ジャパン・イノベーション・ブリッジ(J-Bridge)は、日本企業とスタートアップ等の海外企業によるデジタル分野またはグリーン分野における国際的なオープンイノベーション創出のためのビジネスプラットフォームです。海外企業との協業・連携によりビジネス開発や新規事業立ち上げを目指す日本企業向けに、海外有望企業情報の提供、イベントの開催、個社の要望に応じた海外企業の発掘および面談支援、専門家による戦略策定やビジネス開発支援などを行います。

参考リンク

ジェトロ海外展開支援部 販路開拓課 ヘルスケア産業班(担当:佐藤拓、石原、川澄、前田)
Tel:03-3582-8351 E-mail:healthcare@jetro.go.jp

イノベーション部 ビジネスデベロップメント課(担当:廣田、安藤)
Tel:03-3582-5644 E-mail:ive@jetro.go.jp