2021年度 日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査(ジェトロ海外ビジネス調査)

2022年01月31日

2021年8~9月に実施した日本企業の海外拠点約1万9,000社に対する調査(11月発表)に続き、11月初~12月初にかけて、日本本社約1,700社の海外事業展開について調査した。

調査結果の要旨

1.海外ビジネスに対する意欲の変化

  • 2021年、海外市場での売り上げが2019年比で「増加」する企業は約4割。国内市場と比較すれば、明るい兆しも、過去最大の危機からの回復は未だ道半ば。
  • 国内市場の停滞を理由に、輸出意欲は急速に回復。輸出方針で「さらに拡大を図る」と回答した企業の割合は過去最大。最も重要な輸出市場として、米国および中国をあげる企業の割合が高まる。
  • 海外での事業拡大意欲は上向くも、コロナ禍前の水準には戻らず。事業展開先では米国が初の首位。

2.バリューチェーン再構築の取り組み

  • サプライチェーンの見直し方針は、販売網の見直し、価格引き上げを実施する企業の割合が大幅に増加。調達先の変更、複数調達化も進展。見直しの最大の理由は国際輸送の混乱とコスト上昇。
  • コロナ禍における海外市場開拓手段としてのEC活用が進展。海外向けの販売でECを活用、もしくは、活用を検討する企業の割合は、初めて、国内向けの販売での同割合を上回った。

3.気候変動や人権など共通価値への対応

  • 人権尊重の方針を、策定予定・検討中とする企業は4割近く、業種により「1年以内に策定」との回答も目立つ。国内・外顧客からの要請が、バリューチェーン全体の取り組みを促している実態が明らかに。
  • 脱炭素化への取り組みは、国内向けが先行し、海外向けは大きく遅れる。海外拠点を有する企業のうち、海外で脱炭素化に取り組む企業の割合は、大企業で約4割、中小企業では15%にとどまる。

本調査について

本アンケート調査は海外ビジネスに関心の高い日本企業(本社)を対象に2002年度に開始し、今回で20回目になる。ウェブサイト上で調査を実施し、計1,745社(有効回答率13.0%)より回答を得た(調査期間:2021年11月4日~12月7日)。
本年度は、人権や環境等への取り組みについて、本年度初めて大項目を追加して尋ねた。また、電子商取引(EC)やデジタルトランスフォメーション(DX)の取り組みについては本年度いくつか新たな質問を追加した。なお、昨年度に引き続き、貿易・海外進出への取り組みや海外ビジネス見直しについても尋ねている。

ジェトロ国際経済課 (担当:伊藤、古川)
Tel:03-3582-5177