ジェトロ 2020欧州・ロシア・中東・アフリカ(EMEA)進出日系企業実態調査

2020年12月21日

ジェトロは2020年9月、欧州23カ国、ロシア、中東10カ国、アフリカ24カ国に進出する日系企業に対し、現地での活動実態に関するアンケート調査を実施しました。EMEAにおける各地域の主要ポイントは以下の通りです。

調査結果の主要ポイント

欧州:
日EU間貿易では、在EU日系企業各社の日本からの調達割合の平均値は36.6%となり、 日EU・EPA発効前の2018年調査から5.2ポイント上昇。日EU・EPAの利用も普及する中で、自己申告制度が徐々に浸透。また、日本から輸入を行う在英企業の7割強が日英EPAの利用を予定、もしくは検討しており、ジェトロは年内に、同EPAの利用解説書を公表予定。
ロシア:
ロシアに進出する日系企業の過半数(55.9%)が黒字を見込んでいる。世界全体でみても、 韓国(71.8%)、中国(63.5%)に次ぐ高水準。「現地通貨ルーブルの下落に応じた値上げや契約を外貨建てにして利益を確保する」工夫とコスト削減が奏功した。
中東:
新型コロナの感染拡大と原油価格の急落という二重苦に直面。トルコとUAEは5割以上が 黒字を維持するも、イランでは米国の経済制裁を背景に約半数が赤字。サウジアラビアでは景気悪化や財政悪化に伴う付加価値税引き上げの影響などを理由に、赤字が約2倍に増加。
アフリカ:
新型コロナ感染拡大を要因に20年は営業利益が大幅に悪化。事業拡大ペースが減速し「現状維持」と「縮小」が増える。一方、アフリカ投資のリスクは全項目で改善傾向。特に21年1月から運用開始のアフリカ大陸自由貿易圏(AfCFTA)に期待が高い。

※EMEA:欧州(Europe)、中東(Middle East)、アフリカ(Africa)地域を指す。企業会計の地域セグメント上、日本、米州、アジア・オセアニアとともに4極で分類することが多い。

欧州:新型コロナは業績に深刻な影響、在欧日系企業はデジタル化を模索

調査結果のポイント

  • 英国のEU離脱(ブレグジット)に関する移行期間が終了する2021年以降、英国・EU間貿易について懸念を表明する企業が一定割合存在。ブレグジットの最大懸念は英国経済の不振。
  • 日EU間貿易では、在EU日系企業各社の日本からの調達割合の平均値は36.6%となり、 日EU・EPA発効前の2018年調査から5.2ポイント上昇。日EU・EPAの利用も普及する中で、自己申告制度が徐々に浸透。また、日本から輸入を行う在英企業の7割強が日英EPAの利用を予定、もしくは検討しており、ジェトロは年内に、同EPAの利用解説書を公表予定。
  • 2020年に黒字を見込む企業の回答割合は48.5%と、非製造業を対象に含めた2012年の調査以降の最低を記録。売上減少が主な理由で、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う「越境移動制限」と「消費需要の減退」が新たな経営課題に。
  • ビジネス活動の正常化時期としては、「2021年後半」との回答が30.0%で最多。「2021年前半」が26.6%と続き、来年以降に期待。2021年以降の取り組みとして、「人員削減による合理化」「海外駐在員の削減」など経費圧縮を挙げる企業が多い反面、「販売製品の見直し」「デジタル化の推進」「調達先の見直し」などの新たな取り組みへの挑戦姿勢も伺える。そのため、EU各国の「デジタル化投資支援策」「グリーン化投資支援」に注目が集まっている。

本調査について

  • ジェトロは2020年9月3~24日、欧州23カ国・地域の日系企業(日本側出資比率10%以上の法人。駐在員事務所、連絡事務所、現地で日本人が起業した法人は対象外)1,419社を対象に、アンケート調査を実施。949社より有効回答を得ました(有効回答率66.9%)。
  • 設問項目:
    1. 営業利益見通し
    2. 進出国の景気の現状・見通し
    3. 経営上の問題点
    4. 新型コロナウイルス感染拡大の影響
    5. 英国のEU離脱の影
    6. 通商環境の変化
    7. EPA/FTA
    8. 現地調達と今後の方針
    9. 将来有望な販売
    10. 今後1~2年間の事業展開

※英国のEU離脱の影響については、一部結果を11月10日に先行して公表いたしました。詳細は以下をご覧ください。

英国のEU離脱に関する英国・EU進出日系企業への影響について(記者発表 - ジェトロ)

※営業利益見通しやビジネス正常化時期については、概要を12月4日の「2020 海外進出日系企業実態調査-全世界編-」にて公表いたしました。詳細は以下をご覧ください。今回は欧州地域の詳細結果を発表します。

「ジェトロ 2020年度 海外進出日系企業実態調査 ―全世界編―」 ―新型コロナで過去最悪の景況感。その中で新たな経営・販売戦略を構築する日本企業―(記者発表 - ジェトロ)

調査の結果概要

1.営業利益見通し、進出国の景気

  • 2020年に黒字を見込む企業の割合は48.5%。前年の70.5%から22ポイント低下。従来の製造業対象から非製造業も含めた調査を開始した2012年調査以降の最低を記録。また赤字の割合も最高を更新(配布資料のスライド1-1)。
  • 前年と比べた2020年の営業利益は悪化(57.4%)が改善(13.0%)を大きく上回る結果に。ホテル/旅行業界で影響が深刻(1-5)。
  • 進出国の景気の現状を「良い」「やや良い」とみる企業割合は前年調査の32.6%から8.0%へと大幅に悪化(2-1)。

営業利益見通しの推移

単位:%

欧州進出日系企業の調査年の営業利益見通しについて。有効回答数は在欧州日系企業が2012年828社、2013年979社、2014年961社、2015年948社、2016年996社、2017年937社、2018年743社、2019年818社、2020年932社、在英日系企業が2012年235社、2013年273社、2014年272社、2015年273社、2016年287社、2017年243社、2018年191社、2019年186社、2020年162社、在EU日系企業が2012年570社、2013年686社、2014年674社、2015年664社、2016年695社、2017年683社、2018年538社、2019年619社、2020年752社。 在欧州日系企業で「黒字」と回答した企業の割合は2012年が64.3%、2013年が67.4%、2014年が69.8%、2015年が72.0%、2016年が72.7%、2017年が75.0%、2018年が73.9%、2019年が70.5%、2020年が48.5%、「均衡」と回答した企業の割合は2012年が16.9%、2013年が15.9%、2014年が17.2%、2015年が14.9%、2016年が14.8%、2017年が13.4%、2018年が13.3%、2019年が15.8%、2020年が23.3%、「赤字」と回答した企業の割合は2012年が18.8%、2013年が16.6%、2014年が13.0%、2015年が13.1%、2016年が12.6%、2017年が11.5%、2018年が12.8%、2019年が13.7%、2020年が28.2%。在英日系企業で「黒字」と回答した企業の割合は2012年が70.2%、2013年が71.1%、2014年が68.0%、2015年が71.1%、2016年が70.4%、2017年が71.6%、2018年が75.4%、2019年が70.4%、2020年が47.5%、「均衡」と回答した企業の割合は2012年が13.2%、2013年が13.9%、2014年が16.5%、2015年が13.9%、2016年が15.7%、2017年が16.9%、2018年が14.7%、2019年が18.8%、2020年が22.8%、「赤字」と回答した企業の割合は2012年が16.6%、2013年が15.0%、2014年が15.4%、2015年が15.0%、2016年が13.9%、2017年が11.5%、2018年が9.9%、2019年が10.8%、2020年が29.6%。在EU日系企業で「黒字」と回答した企業の割合は2012年が61.1%、2013年が66.2%、2014年が70.6%、2015年が72.4%、2016年が73.5%、2017年が76.6%、2018年が73.2%、2019年が70.9%、2020年が48.1%、「均衡」と回答した企業の割合は2012年が18.9%、2013年が16.5%、2014年が17.2%、2015年が15.1%、2016年が14.4%、2017年が12.0%、2018年が12.8%、2019年が14.7%2020年が23.7%、「赤字」と回答した企業の割合は2012年が20.0%、2013年が17.3%、2014年が12.2%、2015年が12.5%、2016年が12.1%、2017年が11.4%、2018年が13.9%、2019年が14.4%、2020年が28.2%。

2.新型コロナウイルス感染拡大の影響とビジネス見直しの状況

  • 在欧日系企業全体の経営上の問題点として「新型コロナウイルスの感染拡大」を選択した割合が57.2%と最大に。国別でみるとスペイン(87.5%)、スイス(86.7%)、フランス(67.9%)で特に高かった。新型コロナ感染拡大の具体的な内容として、スペインでは「消費需要の減退」、スイス、フランスでは「国境を越えた移動制限」を挙げる企業の割合が高かった(3-1、3-5)。
  • 新型コロナを受けて進出企業は事業戦略・ビジネスモデルをデジタル化にシフト。在宅勤務などの活用拡大、バーチャル展示会の活用、AI利用の推進などに意欲的に取り組む姿勢が顕著(4-2)。
  • 2021年以降については、「調達先の切り替え」「人員削減による合理化」「海外駐在員の削減」に着手予定の企業割合が比較的高かった(4-2)。
  • 注目する各国支援策としては「デジタル化投資支援」が34.1%で最大、特にイタリア(53.3%)、英国(42.7%)、ベルギー(36.8%)で高い割合となり、在欧日系企業のデジタル化への意欲がうかがえる(4-3)。

経営上の問題点(欧州、複数回答)

在欧日系企業の経営上の問題点として2020年(回答企業数891社)は2020年に新たに追加した「新型コロナウイルスの感染拡大」が57.2%となった。労働コストの高さが40.4%(2019年調査比0.1ポイント増)、英国のEU離脱が39.7%(同16.8ポイント減)、人材の確保が34.0%(同7.8ポイント減)、競合企業の製品価格の低下が29.7%(同3.3ポイント)で続いた。

注目する復興支援策(業種別)

EU、各国が新型コロナからのビジネス回復の取り組みとして導入する支援策のうち在欧日系企業が注目するものとして全業種(回答企業数651社)ではデジタル化投資支援が34.1%、グリーン化投資支援が32.3%、エコカー購入支援が28.6%、燃料車購入支援が17.8%、観光産業支援が10%、その他が18.1%、製造業(回答企業数298社)ではデジタル化投資支援が32.6%、グリーン化投資支援が28.9%、エコカー購入支援が33.2%、燃料車購入支援が23.5%、観光産業支援が4.4%、その他が16.8%、非製造業(回答企業数353社)では、デジタル化投資支援が35.4%、 グリーン化投資支援が35.1%、エコカー購入支援が24.6%、燃料車購入支援が13.0%、観光産業支援が14.7%、その他が19.3%となった。

3.英国のEU離脱

  • 在英日系企業の経営上の問題点として「英国のEU離脱」が引き続き最大に(3-4)。
  • 移行期間終了後の貿易上の懸念として「英国からEU向け輸出」に懸念を示した在英製造業は7割近くに達し、EU市場の重要性を裏付けた。「EUから英国向け輸出」についての懸念は在英製造業で51.7%、輸出入のどちらか一方でも懸念する割合でみると、78.3%に達した(5-3)。
  • ビジネス環境上の懸念として在英・在EUともに「英国経済の不振」が最大割合。「英国の規制・法制の変更」に関する在英・在EU共通の具体的な懸念として、製造業では「CEマーク」、非製造業では「英国・EU間の人の移動に関する規制」が最も多い回答となった(5-5、5-6)。
  • 在英日系製造業各社の「EU」からの調達割合の平均値は13.5%で前年調査比10.4ポイント低下。今後の調達方針についても「縮小」と回答した割合が25.0%と同2.3ポイント増加(8-2、8-3)。

「英国の規制・法制の変更」に関する懸念(左:英国、右:EU)

単位:%

「英国のEU離脱」に関連して日系企業が抱える「英国の規制・法制の変更」に関する具体的な懸念内容について。有効回答数は在英日系企業の全業種が75社、在英日系企業の製造業が25社、在英日系企業の非製造業が50社、在EU日系企業の全業種が181 社、在EU日系企業の製造業が84社、在EU日系企業の非製造業が97社。 「英国・EU間の人の移動に関する規制」を回答した割合は在英日系企業の全業種で58.7%、在英日系企業の製造業で44.0%、在英日系企業の非製造業で66.0%、在EU日系企業の全業種で44.8%、在EU日系企業の製造業で29.8%、在EU日系企業の非製造業で57.7%、 「個人データ保護に関する規制」を回答した割合は在英日系企業の全業種で48.0%、在英日系企業の製造業で32.0%、在英日系企業の非製造業で56.0%、在EU日系企業の全業種で26.5%、在EU日系企業の製造業で27.4%、在EU日系企業の非製造業で25.8%、 「CEマーク」を回答した割合は在英日系企業の全業種で34.7%、在英日系企業の製造業で56.0%、在英日系企業の非製造業で24.0%、在EU日系企業の全業種で32.6%、在EU日系企業の製造業で40.5%、在EU日系企業の非製造業で25.8%、 「英国・EU間の資金移動に関する規制」を回答した割合は在英日系企業の全業種で29.3%、在英日系企業の製造業で12.0%、在英日系企業の非製造業で38.0%、在EU日系企業の全業種で30.9%、在EU日系企業の製造業で21.4%、在EU日系企業の非製造業で39.2%、 「REACH規制」を回答した割合は在英日系企業の全業種で24.0%、在英日系企業の製造業で36.0%、在英日系企業の非製造業で18.0%、在EU日系企業の全業種で31.5%、在EU日系企業の製造業で35.7%、在EU日系企業の非製造業で27.8%。

4.日EU・EPA、日英EPAの利用

  • 在EU日系企業における日EU・EPAの利用状況について日本からEU(英国含む)への輸入で利用していると回答した企業が48.1%と約半数を占めた。「準備中」「検討中」も含めると約8割に。国別でみるとチェコ(75.0%)、オランダ(56.0%)、ベルギー(50.0%)イタリア(50.0%)、ドイツ(46.0%)で比較的高い(7-1)。
  • 利用にあたっての課題は「サプライヤー/取引先との協力体制整備」が約半数を占めた一方、前年調査で回答が最も多かった「自己証明制度の手続き」は前年調査から10ポイント以上減少。EPAの利用が普及し始めた中、原産地証明のためサプライヤーや取引先からの必要書類の整備が引き続き課題の企業も(7-5)。
  • 在EU企業各社の日本からの調達割合の平均値は36.6%と日EU・EPA発効前の2018年調査から5.2ポイント増と伸長。日系企業が多く集積し、EPAの利用状況も良好なドイツやオランダでそれぞれ4割を超えた(8-1)。
  • 英国・日本間で輸出入を行っている在英日系企業のうち、「日本から英国への輸入」で日英EPAを「利用予定」もしくは「利用を検討中」の企業割合は73.7%だった。在英企業は2021年1月1日に発効する日英EPAの日EU・EPAからの円滑な移行を進めたい意向とみられる(7-9)。

5.その他の目立った動き

  • 進出国の景気の現状について、中・東欧では「良い」「やや良い」を合わせた割合が23.4%と西欧(6.3%)を大きく上回った。見通しについても西欧を10ポイント以上上回った(2-1、2-2)。
  • 今後1~2年の事業展開の方向性についても在中・東欧製造業で45.2%が拡大と回答、在西欧製造業よりも10ポイント以上高い(10-1)。
  • 経営上の問題点について、在中・東欧製造業では回答割合が減少したものの、「労働コスト上昇率の高さ」が「新型コロナウイルス感染拡大」を上回った(3-3)。
  • 将来有望な販売先として、約3割の企業が「ポーランド」と回答。上位10カ国のうち5カ国が中・東欧となり、従来の生産拠点としての位置づけから市場としての期待が高まっている(9)。

お問い合わせ先

ジェトロ海外調査部 (担当:田中、福井、山田)
Tel:03-3582-5569

ロシア:営業黒字見込み割合は過半を維持、世界主要国の中で上位3位

調査結果のポイント

  • ロシアでは新型コロナ感染拡大による世界経済の成長鈍化に伴う収益減などを背景にマクロ経済の減速がみられる中、2020年の営業利益見通しを「黒字」と回答した在ロシア日系企業の割合は全体の55.9%を占め過半を維持した。主要国と比較すると韓国(71.8%)、中国(63.5%)に次いで3番目に大きい。新型コロナと油価下落による現地通貨ルーブル安が発生したが、各社ともに黒字を維持するための措置や経営努力が奏功していることが背景にある。
  • 一方、今後1~2年の事業展開について「拡大」と回答した企業が29.0%(15.1ポイント減)で、3年連続減少。世界の主要国と比較すると、「拡大」方針の企業の割合は英国、韓国、アラブ首長国連邦(UAE)に次いで小さいことが分かった。
  • 新型コロナ感染拡大を受けて63.4%の企業が「事業戦略の見直しを行った(あるいは行う予定がある)」と回答。この割合は世界の主要国の中で最も大きい。見直し内容について「在宅勤務やテレワークの活用拡大」(79.7%)、「デジタルマーケティング、AI利用などデジタル化の推進」(42.4%)などが挙がった。特に、「AI利用などデジタル化の推進」の割合は世界の主要国の中で3番目に大きかった。

本調査について

  • ジェトロは2020年9月10~30日、ロシアに進出する日系企業(日本側出資比率10%以上の法人。駐在員事務所、連絡事務所、現地で日本人が起業した法人は対象外)120社を対象に、アンケート調査を実施。93社より有効回答を得ました(有効回答率77.5%)。
  • 設問項目:
    1. 営業利益見通し、
    2. 今後1~2年の事業展開、
    3. 経営上の問題点、
    4. 投資環境、
    5. 新型コロナによるビジネスへの影響

調査の結果概要

1.営業利益見通し

  • 2020年に黒字を見込む企業の割合は55.9%(前年比12.4ポイント減)。5年ぶりに6割を下回ったが過半を維持した(配布資料8ページ)。製造業では58.3%の企業が「黒字」と回答し、「新型コロナにより需要が拡大し、増収となった」といったコメントがみられた。また、非製造業では55.1%の企業が「黒字」と回答し、「収益確保のためにコスト削減に着手した」などの声が挙がった。
  • 主要国と比較すると黒字と回答した企業の割合は韓国(71.8%)、中国(63.5%)に次いで3番目に大きい(図1)。新型コロナと油価下落による現地通貨ルーブル安が発生したが、各社ともに黒字を維持するための工夫(販売価格の引上げや契約通貨の外貨建てへの変更など)や経営努力(営業努力やコスト削減など)が奏功していることが背景にある。

図1.営業利益見通しの推移

営業利益見通しの推移について。有効回答数は韓国124社、中国 862社、ロシア 93社、UAE 92社、ブラジル 120社、ドイツ277社、ベトナム 832社、南アフリカ 82社、英国 162社、オランダ110社、米国 951社、タイ 666社、メキシコ 261社、インドネシア 625社、インド329社。 「黒字」と回答した企業の割合は韓国が71.8%、中国 が63.5%、ロシア が55.9%、UAE が53.3%、ブラジル が51.7%、ドイツが50.2%、ベトナム が49.6%、南アフリカ が47.6%、英国 が47.5%、オランダが47.3%、米国 が47.1%、タイ が40.7%、メキシコ が40.2%、インドネシア が37.1%、インドが32.2%。 「均衡」と回答した企業の割合は韓国が17.7%、中国 が17.1%、ロシア が31.2%、UAE が25%、ブラジル が17.5%、ドイツが22%、ベトナム が20.3%、南アフリカ が25.6%、英国 が22.8%、オランダが27.3%、米国 が18.3%、タイ が19.5%、メキシコ が19.5%、インドネシア が16.5%、インドが17.0%。 「赤字」と回答した企業の割合は韓国が10.5%、中国 が19.5%、ロシア が12.9%、UAE が21.7%、ブラジル が30.8%、ドイツが27.8%、ベトナム が30.1%、南アフリカ が26.8%、英国が29.6%、オランダが25.5%、米国が34.6%、タイが39.8%、メキシコが40.2%、インドネシアが46.4%、インドが50.8%。

2.今後1~2年の事業展開

「拡大」と回答した企業が29.0%(15.1ポイント減)で、3年連続減少(配布資料13ページ)した。世界の主要国と比較すると、「拡大」方針の企業の割合は小さいことが分かった(図2)。「拡大」と回答する企業の割合の増減は、当該年の経済成長予測にリンクする傾向がみられている。また、「縮小」は10.8%と過去最大を記録したものの、「現状維持」も過去最大の59.1%に達し、新型コロナを踏まえ慎重に状況判断をする姿勢がうかがえる。「経済の変動幅が大きいため、投資回収および事業計画の変更を余儀なくされることが多すぎる」(輸送機器部品製造)といったコメントがみられた。

図2.今後1~2年の事業展開の方向性(主要国別)

今後1~2年の事業展開の方向性(主要国別)について。有効回答数はインド336社、ベトナム901社、オランダ109社、ドイツ283社、ブラジル120社、メキシコ259社、米国950社、インドネシア666社、中国876社、南アフリカ82社、タイ671社、ロシア93社、UAE94社、韓国127社、英国162社。 「拡大」と回答した企業の割合はインドが50.9%、ベトナムが46.8%、オランダが45.9%、ドイツが43.5%、ブラジルが42.5%、メキシコが40.5%、米国が39.1%、インドネシアが37.4%、中国が36.6%、南アフリカが34.1%、タイが31.5%、ロシアが29.0%、UAEが27.7%、韓国が26.8%、英国が24.7%。 「現状維持」と回答した企業の割合はインドが41.7%、ベトナムが47.1%、オランダが45.0%、ドイツが48.1%、ブラジルが49.2%、メキシコが53.3%、米国が51.9%、インドネシアが53.3%、中国が55.6%、南アフリカが53.7%、タイが58.6%、ロシアが59.1%、UAEが66.0%、韓国が63.0%、英国が63.0%。 「縮小」と回答した企業の割合はインドが6.3%、ベトナムが5.4%、オランダが9.2%、ドイツが7.8%、ブラジルが6.7%、メキシコが5.8%、米国が7.8%、インドネシアが8.0%、中国が6.7%、南アフリカが8.5%、タイが8.6%、ロシアが10.8%、UAEが5.3%、韓国が9.5%、英国が11.7%。「第三国(地域)へ移転、撤退」と回答した企業の割合はインドが1.2%、ベトナムが0.7%、オランダが0%、ドイツが0.7%、ブラジルが1.7%、メキシコが0.4%、米国が1.3%、インドネシアが1.4%、中国が1.0%、南アフリカが3.7%、タイが1.3%、ロシアが1.1%、UAEが1.1%、韓国が0.8%、英国が0.6%。

3.新型コロナによるビジネスへの影響

  • ビジネス活動が正常化する時期の見込みについて7割近い企業が「2021年内」と回答。「2020年内」と回答した企業は1割程度にとどまった。正常化後の需要環境については、半数を超える企業が「新型コロナ前の状況に戻る」とみている。
  • 新型コロナ感染拡大を受けて63.4%の企業が「事業戦略の見直しを行った(あるいは行う予定がある)」と回答(配布資料25ページ)。この割合は世界の主要国の中で最も大きい(図3)
  • 見直し内容について「在宅勤務やテレワークの活用拡大」(79.7%)を挙げる企業が最も多く、次いで「デジタルマーケティング、AI利用などデジタル化の推進」(42.4%)などが挙がった。特に、「AI利用などデジタル化の推進」の割合は世界の主要国の中で3番目に大きかった

図3.事業戦略やビジネスモデルの見直し(地域別)

事業戦略やビジネスモデルの見直し(地域別)について。有効回答数は全体8,974社、ロシア93社、南西アジア472社、欧州923社、アフリカ282社、北米1,095社、中南米527社、ASEAN3,513社、北東アジア1,627社、中東240社。 「見直しを行った(予定がある)」と回答した企業の割合は全体が53.6%、ロシアが63.4%、南西アジアが62.7%、欧州が59.4%、アフリカが59.2%、北米が56.0%、中南米が52.4%、 ASEANが51.7%、北東アジアが48.4%、中東が46.3%。 「見直しを行っていない(予定がない)」と回答した企業は全体が46.4%、ロシアが36.6%、南西アジアが37.3%、欧州が40.6%、アフリカが40.8%、北米が44.0%、中南米が47.6%、ASEANが48.3%、北東アジアが51.6%、中東が53.8%。

お問い合わせ先

ジェトロ海外調査部 (担当:下社、斎藤、宮下)
Tel:03-3582-1890

中東:黒字企業が5割以下に減少。今後、現状維持を見込む企業が多数

調査結果のポイント

  • 【営業利益見込み】

    2020年は新型コロナや油価下落などの影響で、黒字企業の割合が5割を下回る。トルコやUAEでは5割超も、サウジアラビアやイランは2割弱と苦戦。

  • 【今後の事業展開】

    中東全体では、事業拡大ペースは減速し「現状維持」が10ポイント増え、6割と最多。一方、イスラエル・トルコ・サウジアラビアでは約5割が拡大予定。

  • 【投資環境/有望ビジネス分野】

    投資環境の最大の魅力は「対日感情の良さ」。課題は法制度(突然の変更や未整備・不透明性)。有望ビジネス分野は、全体では「新産業」「資源・エネルギー」「インフラ」。

本調査について

  • ジェトロは2020年9月1~30日、中東10カ国に拠点を有する日系企業269社を対象に、アンケート調査を実施。244社より有効回答を得ました(有効回答率90.7%)。

    (内訳:UAE94社、トルコ45社、サウジアラビア27社、イスラエル17社、カタール17社、イラン12社、ヨルダン13社、クウェート9社、バーレーン5社、オマーン5社)

  • 設問項目:
    1. 営業利益見通し
    2. 今後の事業展開
    3. 新型コロナウイルス感染拡大の影響
    4. 投資環境
    5. 有望ビジネス分野
    6. 通商環境の変化

調査の結果概要

2020年の中東は、新型コロナウイルスの感染拡大と原油価格の急落という二重苦に直面。ジェトロが同年9月に中東進出日系企業244社にアンケート調査を行ったところ、黒字企業がここ5年で初めて5割以下に減少し、赤字が26.2%と大幅に増加。トルコやUAEは比較的堅調も、サウジアラビアとイランの苦戦が目立った。今後の事業展開の拡大を検討する企業も前年比10ポイント減の33.2%となり、現状維持が6割に。拡大ペースは減退傾向にある。投資環境面では、法制度の運用が課題。新産業や資源・エネルギー、インフラなどの分野に期待の声があった。

1.営業利益見通し

  • 営業利益見込みは、前年までは「黒字」5割強、「均衡」3割、「赤字」2割弱程度で推移していたが、2020年は「黒字」と回答した企業の割合が45.1%と5割を下回った。「赤字」企業も前年から11.4ポイントと大幅に増加し、26.2%となった。背景としてコロナ禍に加え、油価下落を挙げる声が多く見られた。【資料7頁】
  • バーレーンはすべての企業、トルコやUAEは5割以上が「黒字」と回答。一方、サウジアラビア・イランは「黒字」は2割弱、「赤字」がそれぞれ57.7%、45.5%となった。サウジアラビアでは「赤字」企業が、前年の3割から約2倍と大幅に拡大。付加価値税の増税などを理由に挙げる声があった。堅調なトルコ・UAEに対し、サウジアラビアとイランの苦戦が目立った。【資料7頁】
  • 前年比でみると、2020年は「悪化」(39.3%)が「改善」(14.1%)を大きく上回り、前年から19.5ポイント増に。一方、2021年の見通しは、半数以上は「横ばい」を見込む。2020年の大幅な悪化の反動により、「改善」を見込む企業も4割超。【資料9頁】

2020年営業利益見込み

2020年の営業利益見込みを国別でみると、バーレーンはすべての企業、トルコやアラブ首長国連邦は5割以上が「黒字」と回答。一方、サウジアラビア・イランは「黒字」は2割弱、「赤字」がそれぞれ57.7%、45.5%となった。

2.今後の事業展開

  • 今後の事業展開は、「拡大」が前年から約10ポイント減の33.2%に。「現状維持」が約10ポイント増となる6割で最多となり、約1割の企業が様子見の姿勢に転じた。【資料14頁】
  • 国別では、イスラエル・トルコ・サウジアラビアでは約5割の企業が「拡大」と回答したものの、前年からはカタール・UAEが20ポイント台、イスラエル・オマーン・トルコが10ポイント台と大幅な減少を示す。イランは6割弱が「現状維持」も、16.7%の企業が「縮小」と回答。ただし、前年からは「拡大」が18ポイントの増加。【資料14頁】
  • 事業拡大の理由は、約7割の企業が「現地での売上増加」、5割以上が「成長性、潜在力の高さ」と回答。【資料15頁】拡大する機能は「販売機能」が6割超で、他を引き離す。【資料16頁】

今後1~2年の事業展開

今後1~2年の事業展開について、「拡大」と回答した企業は前年から9.9ポイント減の33.2%になった。一方、「現状維持」が約10ポイント増となる6割で最多となり、約1割の企業が「縮小」と「第三国(地域)への移転、撤退」で、様子見の姿勢に転じた。

3.新型コロナウイルス感染拡大による影響

  • 約7割の企業が2021年中(同年前半は33.1%、後半は34.3%)のビジネス活動の正常化を見込む。2020年内を含めると、2021年後半までに正常化を見込む企業は8割を占める。【資料21頁】
  • 事業戦略やビジネスモデルについて「見直しを行っていない(予定がない)」企業は53.7%で、「見直しを行った(予定がある)」の46.3%をわずかに上回る。【資料22頁】
  • 具体的な見直し内容では、「在宅勤務やテレワークの活用拡大」と回答した企業が8割以上にのぼる。「バーチャル展示会、オンライン商談会などの活用の推進」も3割以上の企業が取り組む。【資料23頁】
  • 「見直しを行っていない(予定がない)」と回答した企業のうち、7割以上は「すぐに判断できない(様子見)」と回答。新型コロナウイルスの先行きの不透明さが理由に挙がった。【資料24頁】

ビジネス活動が正常化する時期

ビジネス活動が正常化する時期について、2021年前半は33.1%、2021年後半は34.3%で、約7割の企業が2021年中のビジネス活動の正常化を見込む。すでに正常化している(6.6%)、2020年内(6.6%)を含めると、2021年後半までに正常化を見込む企業は8割を占める。

事業戦略やビジネスモデルの見直し

事業戦略やビジネスモデルについて、「見直しを行っていない(予定がない)」と回答した企業は53.7%で、「見直しを行った(予定がある)」と回答した企業(46.3%)をわずかに上回った。

4.投資環境の魅力と課題

  • 投資環境の魅力としては、「対日感情が良い」が53.5%で最多。「市場規模、成長性」も50.6%で続くが、2016年時点の約6割だった回答率と比べると10ポイントほどの下落。【資料27頁】
  • 一方の課題は、「突然の制度導入や変更」が60.9%で最多。「法制度の未整備・不透明性」も51.7%で続く。【資料27頁】
  • 魅力を国別にみると、UAEでは「フリーゾーン/経済特区などのメリット」「駐在員の生活環境」が多数挙げられた。【資料28頁】
  • 課題を国別にみると、多くの国で法制度が最多の回答となるなか、イスラエルは、「人件費の高騰」「不動産賃料の高騰」、イランは「不安定な政治・社会情勢」を挙げた。【資料31、32頁】

投資環境の魅力

調査対象10カ国における投資環境の魅力について聞いたところ、「対日感情が良い」が53.5%で最多。「市場規模、成長性」も50.6%で続く。

投資環境の課題

調査対象10カ国における投資環境の課題は、「突然の制度導入や変更」が60.9%で最多。「法制度の未整備・不透明性」も51.7%で続く。

5.有望ビジネス分野

  • 全体では「新産業」が最大で、「資源・エネルギー」「インフラ」「サービス業」も有望視。イスラエルでは約9割が「新産業」と回答、イランでは「資源・エネルギー」「インフラ」に高い期待。【資料36頁】
  • 新産業では「IoT」「Eコマース」「AI」が上位。サービス業では「医療・保健」が最多。資源・エネルギーは「再生可能エネルギー」を有望視。インフラでは「電力」「都市開発」「水」が上位。消費市場では「食品」が最大の回答となった。【資料37頁】

有望視するビジネス分野

有望視するビジネス分野は、調査対象国全体では「新産業」が最大で、次いで「資源・エネルギー」「インフラ」「サービス業」も有望視。国別にみると、イスラエルでは約9割が「新産業」と回答、イランでは「資源・エネルギー」「インフラ」に高い期待。

お問い合わせ先

ジェトロ海外調査部 (担当:佐藤、米倉)
Tel:03-3582-5180

アフリカ:コロナ禍でビジネスは減速。2021年は経済回復と地域統合に期待

調査結果のポイント

  • 【営業利益見込み】

    新型コロナウイルス感染拡大を要因に、2020年は営業利益見込みが大幅に悪化。2021年は約半数が回復を見込む。

  • 【今後の事業展開】

    事業拡大ペースは減速し、「現状維持」と「縮小」などが増える。特にエチオピア、ナイジェリア、コートジボワール、ケニアで1割以上が「縮小」と回答。

  • 【事業環境の変化/将来市場への期待】

    アフリカ投資のリスクはすべての項目で改善傾向。2021年1月から運用開始予定のアフリカ大陸自由貿易圏(AfCFTA)に期待。

本調査について

  • ジェトロは2020年9月1~31日、アフリカ24カ国・地域の日系企業(日系企業の出資があれば出資比率や日本人駐在員の有無に関わりなく対象)327社を対象に、アンケート調査を実施。282社より有効回答を得ました(有効回答率86.2%)。
  • 設問項目:
    1. 営業利益見通し
    2. 今後の事業展開
    3. 新型コロナウイルス感染拡大の影響
    4. 投資環境面など経営上のメリット・課題
    5. アフリカ市場での競合・連携相手
    6. FTA・関税同盟の利用状況
    7. 今後の有望国・有望分野
    8. 通称環境の変化

調査の結果概要

世界中で新型コロナウイルスが猛威を振るう中、アフリカ進出日系企業は感染予防を講じつつ、ビジネスを継続していくという過去に類を見ない厳しい状況に直面。ジェトロが同年9月にアフリカの日系企業282社にアンケート調査を行ったところ、「現地市場での売上減少」は7割強と高く、その殆どの企業が新型コロナによるものと回答。そのため、今後の事業展開の拡大を検討する企業は4割程度にとどまり、未だ感染の収束目途が立たない中で様子見の姿勢が窺える。一方で、アフリカの投資環境面には改善傾向が見られ、また、2021年1月から運用開始予定のアフリカ大陸自由貿易圏(AfCFTA)にも期待が寄せられている。

1.新型コロナウイルス感染拡大を要因に、2020年は営業利益見込みが大幅に悪化。2021年は約半数が回復を見込む

  • 営業利益見込みが「黒字」と回答した企業の割合は近年5割前後で推移していたが、2020年度は36.5%と前年から13.8ポイント下落。「均衡」、「赤字」が増加【図1】。
  • 国別では南ア、エジプト、モザンビークで約半数が黒字を維持した一方で、エチオピアは半数が赤字見込みと回答。(配布資料のスライド7頁)。
  • 営業利益見込み(前年比)は43.6%の企業が「悪化する」と回答し、前年から24ポイント増加【図2】。一方で2021年の見通しについては、約半数の企業が「改善する」と回答した【図3】。

【図1】2020年の営業利益見込み(時系列)

営業利益見込みの「黒字」割合は、近年5割前後で推移していたが、2020年度は36.5%と前年から13.8ポイント下落し、「均衡」「赤字」が増加した。

【図2】2020年の営業利益見込み(前年比)

2020年の営業利益見込み(前年比)は43.6%の企業が「悪化する」と回答し、前年から24.1ポイント増加した。

【図3】2021年の営業利益見通し

2021年の営業利益見通しは、約半数となる47.2%の企業が「改善する」との見通しを示した。

2.事業拡大ペースは減速し、「現状維持」と「縮小」などが増える。特にエチオピア、ナイジェリア、コートジボワール、ケニアで1割以上が「縮小」と回答

  • 今後1~2年の事業展開は(新型コロナウイルス拡大前以前と比較して)、「拡大する」と回答した企業は41.8%と前年度調査から14.4ポイントの減少。「縮小」は7ポイント増となる9.2%【図4】。
  • 国別で、「拡大」の回答率は軒並み減少するも、モロッコ、ケニア、モザンビークは5割超。 「縮小」はエチオピア、ナイジェリア、コートジボワール、ケニアで10%超となった(配布資料のスライド14頁)。
  • 縮小の要因として「現地市場での売上の減少」が約6割と最も多く、「その他」では、新型コロナウイルスによる活動・行動制限、資源やインフラ開発、ODA案件等の減少による事業低迷などが理由として挙がった(配布資料のスライド15頁)。

【図4】今後の事業展開

今後1~2年の事業展開は、新型コロナウイルス拡大以前と比較して「拡大する」と回答した企業は41.8%と、前年から14.4ポイント減少した。「縮小」は7ポイント増となる9.2%となった。

3.アフリカ投資のリスクはすべての項目で改善傾向。2021年1月から運用開始予定のアフリカ大陸貿易圏(AfCFTA)に期待

  • 前年と比較するとすべての項目でスコアが減少し、投資のリスクに改善傾向が見られた。一方で半数強が「規制・法令の整備、運用」「不安定な政治・社会情勢」「財務・金融・為替面」を引き続きアフリカ投資のリスクと捉える【図5】。
  • 最大のリスクである「規制・法令の整備、運用」では、リスク改善のためにコンプライアンスの遵守や現地政府との交渉、当局とのコミュニケーション強化など、各社取り組みを行っている(配布資料のスライド24頁)。

【図5】アフリカ投資のリスク

アフリカの投資リスクを前年と比較すると、すべての項目でスコアが減少し、投資のリスクに改善傾向が見られた。一方で5割強の企業が「規制・法令の整備、運用」「不安定な政治・社会情勢」「財務・金融・為替面」を引き続きアフリカ投資のリスクと捉えている。
  • 海外戦略におけるアフリカの位置づけは今後5年間では「重要性が増す」と約6割の企業が回答。その理由として多くの企業が、“人口増加に伴う市場拡大"や、“アフリカ大陸自由貿易圏(AfCFTA)への期待"などを挙げた【図6】。

【図6】海外戦略における今後5年間のアフリカの位置づけ

海外戦略における今後5年間のアフリカの位置づけは、「重要性が増す」と約6割の企業が回答した。 その理由として多くの企業が、“人口増加に伴う市場拡大”や、“アフリカ大陸自由貿易圏(AfCFTA)への期待”などを挙げている。
  • アフリカ域内外の既存(発効済み)FTA・関税同盟の利用状況は、2007年から大幅に増加、今後の利用検討を合わせると4割近くが利用に前向き(配布資料のスライド30頁)。
  • 今後の利用検討としてアフリカ大陸自由貿易圏(AfCFTA)に関心が高まる。「ビジネス機会の拡大」や「関税削減・撤廃」などを理由に好影響を期待【図7】。

【図7】利用を検討しているFTA・関税同盟

今後利用を検討しているFTA・関税同盟として、アフリカ大陸自由貿易圏(AfCFTA)に関心が高まる。「ビジネス機会の拡大」や「関税削減・撤廃」などを理由に好影響を期待していることが窺える。

お問い合わせ先

ジェトロ海外調査部 (担当:佐藤)
Tel:03-3582-5180