和歌山大学と包括的連携協定書を締結

2023年2月

ジェトロは、2023年2月21日(火曜)、国立大学法人和歌山大学と包括的連携協定を締結しました。海外大学との教育連携や留学生と地域との交流などを通じて、地域の活性化及びグローバル化を推進することや、アントレプレナーシップ教育の推進などにより、新しい価値創造の担い手となる人材を育成することに取り組んできた和歌山大学と、国内の中小企業等に対して、輸出や海外拠点設置などの国際ビジネス、高度外国人材の採用や定着といった支援を行い、また、海外のネットワークを活用し収集した海外ビジネス情報の提供などを行ってきたジェトロが、日本国及び和歌山県とその周辺地域の発展、並びに人材の育成に寄与することを目的に、それぞれの組織の強みを生かしながら、継続的かつ包括的に事業を連携し実施していきます。

調印式に出席したジェトロ信谷副理事長と和歌山大学伊東学長

背景

少子高齢化が急速に進む地方都市においては、あらゆる産業を支える人材が減少し、地域経済の衰えは顕著であり、改善する見込みはない。さらに、世界と地域の現状は複雑に変化しており、先行きの見通せぬ状況が続いている。 しかし、あらゆる日本企業にとって今後、企業活動を日本国内で留めておくことは難しく、何らかの形で海外の市場や企業と携わっていく必要がある。

優秀な人材を地域へ供出することでこの地域の経済、企業の発展に貢献してきた和歌山大学と、世界に70カ所以上の事務所を構え、ネットワークを有するジェトロはこれまでの単発的に協力して事業を実施してきた。

この協力体制を維持、発展させていくことで、双方が実施する事業等がより効果的にかつ効率的に実施することが期待できると昨年のうちに、伊東学長と信谷副理事長が面談し、確認していた。

これまでの両機関の関係

(1)高度外国人材の活躍促進及び国際ビジネス人材育成
2020年度から毎年、ジェトロ和歌山の主催にて、和歌山大学や和歌山県及びその周辺地域で学ぶ留学生が和歌山県企業のことを学ぶイベントを開催している。
そのなかの1つの企画として実施した和歌山県内の企業で働いている高度外国人材と留学生との交流会は、外国人同士が日本の地方都市の企業に勤めることについて、本音で語りあえたと好評。昨年6月には同イベントを和歌山大学の教室にて実施した。
(2)国際的な学術研究、産学連携
2021年度末、ジェトロ和歌山の主催にて、和歌山大学経済学部を始め、一橋大学、慶応大学、中央大学から国際経済の研究者らを招き、和歌山県内企業と、パンデミックが世界経済に及ぼす影響などを学ぶことなどを目的に、研究および事業活動報告会を開催。

これからの両機関の連携

和歌山大学で学ぶ留学生が和歌山県企業について学ぶ事業を充実させる予定。これまでは屋内で留学生と和歌山県内の企業が交流しあう場の提供であったが、今後は留学生に企業へ実際に足を運んでもらい、現場見学する機会などを設けていきたい。

さらには、和歌山大学発のスタートアップ企業に対し、海外エコシステムとの接続などによる支援などについて、今後、両者で協議していきたいと考えている。