「インド投資フォーラム-Exclusive Investment Forum-」を開催(日本/インド)

2020年8月

ジェトロは2020年8月6日、経済産業省、インド商工省、インベスト・インディア(インド商工省傘下の投資誘致機関)と共催で、日本企業の対インド投資の促進を目的とした「インド投資フォーラム-Exclusive Investment Forum-」をオンライン開催しました。

開会セッションでは、日本から梶山弘志経済産業大臣、田中繁広経済産業審議官、ジェトロ佐々木伸彦理事長、インドからピユシュ・ゴヤル商工大臣、インド商工省グルプラサード・モハパトラ次官、インベスト・インディア ディーパク・バグラCEOが登壇。日本企業、インド政府関係者の435名に対して、日系企業による対印投資の拡大に向けた日印双方のビジョンを共有しました。また、インド政府の5つの省庁・部局(電子情報技術省、繊維省、重工業局、医薬品局、食品加工産業省)の次官らも出席し、各分野の投資機会について参加者に説明しました。

日印ビジネス推進に向け、両国の大臣がメッセージを発信

ゴヤル商工大臣は、日本はインドにとって信頼できる重要な貿易相手国で、日本企業のビジネス促進のために工業団地の整備と活用、物流コスト削減、許認可手続きの円滑化などを行っていることを述べ、インドへの投資を呼び掛けました。梶山経済産業大臣は、日本とインドは安倍総理とモディ首相の信頼関係の下これまでも様々な分野で協力関係を築いており、今後はコロナを契機としてIoTや教育、医療などの分野でのデジタルトランスフォーメーションが求められる中、日印双方の強みを生かした協力が期待できる、と述べました。

輸出拠点としてのインド

ジェトロの佐々木理事長は、輸出拠点としてのインドの可能性や、日本企業がインドでビジネスを行うにあたって直面している課題について述べました。インドは人口規模の大きさや国内需要の旺盛さから内需を狙って進出する企業が多く、中国やアセアンへ進出している日系企業と比べて輸出比率が低いのが現状です。一方で、インドのエンジニアリング力、人材力、コスト競争力、地理的ポジショニングを考慮すれば、インドをグローバル・サプライチェーンの一角をなす輸出拠点へと成長させていくことが今後のインド経済発展のカギとなります。しかし、インドからの輸出拡大を目指す日本企業の多くは物流インフラの未整備を大きな障害の一つに挙げています。ほかにも進出日系企業は複雑な税務処理、労働者保護的な労働法、役所の対応や手続きの曖昧さなどの課題に長年悩まされていることから、佐々木理事長は「こうした一つ一つの課題の克服なくして日本からの飛躍的な進出増加はない。今こそ、インド政府には課題の解決に向けてダイナミックに取り組んでもらいたい。」と力強いメッセージを送りました。

ゴヤル大臣、今後のアクションプランをその場で提示

こうした日本側からの問題提起をうけてゴヤル商工大臣は開会セッションの終盤再び発言。道路や税など関係する省庁の関係者を集め、日系企業の抱える課題の解決に取り組む省庁横断的ワーキンググループを設置することや、既進出およびこれからインドへの進出を考える日系企業の意見をヒアリングすることなどをその場で関係者に指示し、次の具体的なアクションへの道筋を示しました。

ピユシュ・ゴヤル鉄道・商工大臣

梶山弘志経済産業大臣

ジェトロ 佐々木伸彦理事長の講演

インド投資フォーラム-Exclusive Investment Forum-概要

開催日時 2020年8月6日(木曜)日本時間14時00分~16時00分
会場 オンライン開催
主催 ジェトロ、経済産業省、インド商工省、インベスト・インディア
参加者 435名
プログラム概要
開会セッション
ピユシュ・ゴヤル鉄道・商工大臣
梶山弘志経済産業大臣
商工省 グルプラサード・モハパトラ次官
経済産業省 田中繁広経済産業審議官
インベスト・インディア ディーパク・バグラMD & CEO
ジェトロ 佐々木伸彦理事長
分野別セッション
電子情報技術省 アジェイ・プラカーシュ次官
繊維省 ラビ・カプール次官
重工業省 重工業局 アルン・ゴエル次官
科学・肥料省医薬局 P.D.バゲラ次官
食品加工省 プシュパ・スブラフマヤン次官
閉会セッション
商工省 スミタ・ダウラ局長