「中国・北京イノベーション対日投資セミナー」を開催(中国・北京)
2019年8月
ジェトロは2019年8月29日、中国・北京で「中国・北京イノベーション対日投資セミナー」を開催しました。米国シリコンバレーに次ぐ、ユニコーン企業輩出都市と言われる北京において、主にAIやIoT等の先端技術分野の中国企業に対して、日本市場の魅力やビジネスチャンスを発信し、日本企業との協業や日本への投資を呼びかけました。
主催者挨拶では、ジェトロ北京事務所の堂ノ上所長が登壇し、日本の地域の投資環境の魅力を紹介するとともに、イノベーションを活用した社会課題の解決を目指す日本政府の取り組み「Society(ソサエティ)5.0」に触れ、日本への投資を力強くアピールしました。また、共催機関である中国国際貿易促進委員会(CCPIT)貿易投資促進部の俞海燕副部長は、日中間の貿易投資関係や人的交流が拡大する現状に触れ、イノベーション分野での更なる関係強化に期待を込めました。
セミナー会場の様子
日本のAI、IoT市場やエコシステム紹介のセッションでは、ディップ株式会社が日本市場の特徴として、垂直型の事業展開やSIer(システムインテグレーター)文化が主流であること等を説明、多数の日本企業が技術を欲しているとし、日本企業との共創や拠点進出を促しました。株式会社ディープコアは、日本におけるAI関連の主な産学連携事例を紹介し、日本のAI市場の課題を挙げながら、中国企業への期待とともに、日本市場参入を有利に進めるための日本企業との提携パターン例を説明しました。
日本の投資環境や支援制度の紹介セッションでは、地方自治体から、横浜市、大阪市、神戸市、唐津市、神奈川県の担当者が地域のビジネス環境やパートナー企業、支援制度等を紹介。ジェトロは、ジェトロの対日投資支援サービスや規制のサンドボックス制度(注1)の他、地方へ拠点設立する際のコストメリット等を紹介しました。
後半では、日本に進出したAI関連の中国企業2社が登壇。医療画像AI診断ツールの株式会社Infervision.Japanは、最初の海外拠点に日本を選んだ背景として、日本の先進的な医療システムや明確な法制度、ASEAN市場へのアクセス優位性などを挙げ、日本の放射線科医不足や医師の業務効率化、がんの早期発見等に貢献していると説明しました。トラック自動運転の株式会社TuSimple JAPANは、北九州市に拠点を設立した理由について、地域の旺盛な物流ニーズ、ドライバー不足等を挙げ、日本の高い物流コスト削減への貢献を目指すとし、さらに日本の大手企業との連携の魅力についても語りました。
オープンイノベーションを進める日本企業を代表して、パナソニック株式会社と同社の社内アクセラレータープログラムを手掛けるアプライアンス社(Game Changer Catapult)から、自社のオープンイノベーションの取り組みやこれまでの他社との協業事例の紹介の他、コストやスピードに優位な中国企業との連携を積極的に検討していきたいと述べました。
パネルディスカッションでは、日中の6社(ディップ株式会社、株式会社ディープコア、株式会社Infervision.Japan、株式会社TuSimple JAPAN、パナソニック株式会社、アプライアンス社)が登壇し、「13億もの人口・市場規模を有する中国から、なぜ日本に進出したのか」「イノベーションで解決を目指すべき日本の社会課題とは」「日本で成功するための秘訣」というテーマで、多角的な視点から議論が進められました。
セミナー後のネットワーキングでは、各登壇企業、横浜市、大阪市、神戸市、唐津市、神奈川県とジェトロのPRデスクに多数の中国企業関係者が訪れ、活発な交流が行われました。
ジェトロは、今後もイノベーション創出に向け日中企業間の連携促進や中国企業の日本進出に向け、支援を行っていく予定です。
※本事業は経済産業省の委託事業にて実施しました。
パネルディスカッションの様子
自治体PRデスク
(注1)「規制のサンドボックス制度」に係る情報はジェトロウェブサイトをご参照ください。
中国・北京イノベーション対日投資セミナー 概要
開催日時 | 2019年8月29日(木曜)14時00分~17時00分 |
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会場 | 北京・長富宮飯店 |
主催 | ジェトロ |
共催 | 中国国際貿易促進委員会(CCPIT)貿易投資促進部 |
協力 | 中関村発展集団、中国国際科技促進会、北京長風信息技術産業連盟、泰智会産業加速器、Plug and Play、氪空间、中国国際貿易促進委員会投資促進中心 |
後援 | 北京市投資促進服務中心 |
来場者 | 約150名 |
プログラム概要 |
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