東京大学及び東北大学の学内で、外資系企業と学生の交流会を開催

2019年6月

2019年6月、ジェトロは東京大学(以下、東大)及び東北大学(以下、東北大)の学内において、在日外資系企業と両大学に在籍する留学生やグローバルなキャリアを考える日本人学生等との交流会を開催しました。ジェトロと両大学がこのような交流会を開催するのは昨年に続き2回目です。

ジェトロが外資系企業を対象として毎年実施している「日本の投資環境に関する調査」において、2017年に続き2018年も外資系企業が日本で事業展開を行う上での阻害要因として、「グローバル人材確保の難しさ」が最上位に挙げられました。また、人材確保に関して“特に困難”と感じていることとして「外国語でコミュニケーションのとれる人材の不足」(2018年調査)という回答が最も多く、外国人留学生の採用にも積極的な姿勢を見せる外資系企業もあります。一方、外国人留学生の多くは日本に残って就職したいと考えているにも関わらず、日本特有の就活システムや日本語力に阻まれ、実際に日本で就職する留学生は約3割に留まるなど、希望どおりに日本で就職できていない現状があります。このような外資系企業、外国人留学生の双方のニーズを満たすために、外資系企業が自社の事業をPR映像やパンフレットを用いて紹介する個別ブースを今年も設け、両大学あわせて200名以上の学生が来場し、各ブースは企業情報を求める大勢の学生でにぎわっていました。

外資系企業で働くことの魅力や企業が求める資質について議論

東大では、6月5日に交流会に先駆けたプレイベントを開催しました。同イベントでは、東大グローバルキャンパス推進本部の矢口国際化教育支援室長より挨拶があり、次いで、ジェトロの中島対日投資部次長より「在日外資系企業で働くということ」をテーマに、在日外資系企業の事業展開の事例や、親会社の所在地域によって生じる企業文化の違いなどについて講演しました。さらに外資系企業で働いた経験を持ち、同大を卒業した元留学生や、外資系企業で採用を担当する日本人職員等4名によるパネルディスカッションを実施しました。外資系企業で働くことの魅力やチャレンジ、日本企業と外資系企業における企業文化の違い、採用担当者として学生に求める資質などについて議論が展開されました。パネルディスカッション終了後も、パネリストたちはイベントに参加していた現役の学生たちと熱い議論を交わしていました。

プレイベント会場(東大)の様子

相互理解を深めた外資系企業と学生の交流

6月11日に開催した東大での交流会には、外資系企業36社と東大学生156名(うち留学生127名)が参加しました。また、6月19日に開催した東北大での交流会には、外資系企業20社と同大及び周辺大学の学生89名(うち留学生61名)が参加しました。ブースを設けた外資系企業からは「普段あまりリーチできない人材との交流ができた」、「社名とサービスのPRができ、優秀な学生とも出会えた」との感想が寄せられました。また、両大学の学生からは「企業の方と直接話せることで勉強になることが多かった」、「今まで知らなかった企業を知ることができ、卒業後のキャリアの選択肢が増えた」との声がありました。なお、東北大では、企業がブースを離れて学生とフランクな交流をする懇親の時間を設けたところ、外資系企業より「学生が何を考えているのかを知ることができてよかった」とのコメントも寄せられました。外資系企業と学生のニーズが一致した結果、互いに理解を深めることができた有意義な交流会となりました。

交流会の様子(東大)

交流会の様子(東北大)