ハノイ貿易大学「ジェトロ講座」修了式を開催 ―ベトナム人学生と日系企業をつなぐ初の取組―

2019年1月

ジェトロ・ハノイ事務所は1月22日、ハノイ貿易大学において「日本企業におけるビジネスモデル概論(通称ジェトロ講座)」の修了証書授与式を開催しました。

ハノイ貿易大学とジェトロは、二国間の友好関係の一層の強化及び知的で豊かな社会の創成を目指すことを共通の認識として、2018年1月に協力合意書を締結しました。これまでジェトロは、グローバル人材の採用・育成・定着支援やスタートアップ支援などを目的に、大学との連携を強化し、日本国内の大学とも包括連携協定を結んできましたが、海外の大学とは初めての取組です。また、ハノイ貿易大学においても、外国の政府関係機関との合意は初めてです。

ハノイ貿易大学とジェトロハノイ事務所は、具体的な協力事業として2018年11月から12月にかけて、ベトナム進出日本企業14社の協力を得て学生向けの講座を開催しました。ジェトロが現役大学生向けに、正規の単位認定となる授業を開設したのも初めてのことです。ベトナム進出日本企業のトップが、ベトナムへの進出目的や活動状況、経営戦略、課題、望まれる人材、今後の展望等について講義を行い、講義後には活発な質疑応答も行われました。

講義の様子

講義の様子

講義の様子

講義の様子

そして、この度、ブィ・アン・トアン貿易大学長や協力いただいた日系企業、北川ジェトロ・ハノイ事務所長等の出席のもと、優秀な成績をおさめた学生48名に、修了証書を授与しました。

授与式では、まずトアン学長が、「同学はベトナムに於いて最も早く日本語教育を始めた大学であり、日本語学部の卒業生3300名は、越政府や機関、企業で活躍している」と述べ、さらに「高度人材育成に注力しており、本講座の成功を高く評価し、協力いただいた日本企業及びジェトロに感謝する」と謝辞が示されました。

北川浩伸ジェトロ・ハノイ事務所長は、日本企業及び準備・運営に尽力された貿易大学への謝辞に加えて、学生に向けては、「ジェトロ講座修了証書は努力の証であり、今後の就職活動において自分自身をアピールするポートフォリオに含められる価値のあるもの、自信をもってベトナムと世界の発展・繁栄に取り組んでほしい」と激励の言葉を投げかけました。

キヤノンベトナム新村稔社長からの来賓祝辞では、「本講座を通して、日本企業の理念や事業概況だけでなく、どの企業も自分の企業のことだけでなく、ベトナムの国の発展や、ベトナム人スタッフの成長や育成にも力を入れていることが分かってもらえた」と述べました。さらに、「今後、社会に出るにあたっては、“老婆心ながら石の上にも三年”という諦めないことの大切さと心構えが重要である」と伝え、学生たちの今後の活躍、日越友好関係の継続と発展に期待を表しました。

修了生代表謝辞には、最優秀学生のブイ・ファム・カム・リーさんが登壇し、「本講座を通じて、日系企業のビジネスモデルを把握できたばかりでなく、社会人として知っておくべき知識を身に付けることができた」と述べました。さらに、「ベトナムと日本との懸け橋となれるよう日々邁進したい」と、流暢な日本語で決意を表明しました。

修了式後のインタビューで、登壇した日系企業からは「23,000人の従業員を管理できる部長クラスの人材を確保したい」(製造業)や、「エンジニア、営業、総務・人事関係等の様々な人材を探している」(建設業)との声が聞かれました。受講した学生からは、「今後はジョブフェアや工場見学を開催してほしい」との要望がありました。

ジェトロとしましては引き続き、日本企業のグローバル人材活用促進を支援していく所存です。

修了証授与式の様子

祝辞を述べる北川ジェトロ・ハノイ事務所長

修了式後の集合写真