北海道で「アジア貿易振興フォーラム(ATPF)」CEO会議を開催

2017年10月

2017年10月6日(金曜)、7日(土曜)の両日、北海道の洞爺湖町において、アジア貿易振興フォーラム(ATPF)のCEO会議が開催されました。会議には20カ国・地域から37名が参加し、主催国を代表してジェトロの石毛理事長が議長を務めました。

貿易振興機関の役割について議論

「自由貿易における貿易振興機関の役割」をテーマとする全体討議の基調講演において、貿易振興機関の役割に触れた石毛理事長は、より多くの層を自由貿易に包摂しつつ、貿易・投資を振興する取り組みを進めることが必要であると強調しました。基調講演に続く議論の中では、中小企業支援、地方創生、人材育成などの幅広い分野について、グッド・プラクティスの共有が図られました。

会議風景

ジェトロ石毛理事長基調講演

議論風景

「分科会」「トップ会合」導入で議論を活性化

今回のCEO会議より、議論を活性化させるための新しい試みとして、「分科会」および「トップ会合」の両セッションが設けられました。「分科会」では、CEO会議では初めてグループ・ディスカッション形式が導入され、「Eコマース」「人材育成・交流」「イノベーション創出」の3テーマで議論が行われました。また各貿易振興機関のCEOのみが参加した「トップ会合」では、各機関の経営課題について、ざっくばらんな意見交換が行われました。参加したCEOからは、「同じ立場の友人と意見交換ができて嬉しい」とのコメントがあるなど、課題を共有するCEO同士の連携強化に資することができました。

分科会の様子(Eコマース)

分科会の様子(人材育成・交流)

分科会の様子(イノベーション創出)

知事を始めとする地元関係者と交流

本会議では、開催地である北海道の魅力をATPF関係者に発信するため、「北海道セッション」や「交流会」が催されました。「北海道セッション」では、児嶋北海道経済産業局長、辻副知事、堰八北海道観光振興機構会長らが、北海道のかかえる問題点とその対応策、および北海道の魅力と可能性について発表しました。また本会議後に行われた「交流会」には、高橋北海道知事、青山室蘭市長、真屋洞爺湖町長をはじめ、企業等関係者を含む約120名の地元参加者が、ATPFメンバーとの交流を深めました。また北海道の食材をふんだんに使用した料理を通して、北海道の魅力を発信しました。

交流会風景

交流会での高橋はるみ知事挨拶

地元企業との交流の様子

産業視察を通じ、北海道の魅力を体感

会議翌日には、会議参加者に北海道の地場産業を紹介する産業視察が実施されました。まず一行が訪れた日本製鋼所では、同製鋼所の製品や技術、歴史などの説明を受けた後、日本のものづくりの象徴とも言うべき日本刀の鍛刀所を見学しました。次に訪れたJファームでは、ITによって管理された植物工場を通して、日本の最先端農業栽培が紹介されました。また競走馬の生産・育成・調教を行うノーザン・ファームでは、北海道の雄大な自然を背景とする調教、そしてアジア・オセアニア地域からのバイヤーが増えている現状に触れました。最後に訪れたはまなす食品では、工場を見学するとともに、海外進出事例や障がい者の雇用促進などの取組みについての説明を受けました。ツアー参加者からは、「最新技術を通して北海道企業への理解を深めることができた」などの感想が寄せられました。

日本製鋼所見学

Jファーム見学

はまなす食品

第30回アジア貿易振興フォーラム(ATPF)CEO会議 概要

開催日時 2017年10月6日(金曜)、7日(土曜)
場所 北海道虻田郡洞爺湖町
主催・事務局 ジェトロ(途上国ビジネス開発課 アジア支援班)
参加機関 オーストラリア貿易投資促進庁(AUSTRADE)
中国国際貿易促進委員会(CCPIT)
フィリピン国際貿易促進センター(CITEM)
インドネシア貿易省国家輸出振興総局(DGNED)
タイ商務省国際貿易振興局(DITP)
バングラデシュ輸出振興庁(EPB)
カンボジア商業省貿易振興総局(GDTP)
香港貿易発展局(HKTDC)
マカオ貿易投資促進局(IPIM)
インド貿易振興局(ITPO)
日本貿易振興機構(JETRO)
大韓貿易投資振興公社(KOTRA)
マレーシア貿易開発公社(MATRADE)
モンゴル商工会議所(MNCCI)
ブルネイ外務貿易省(MOFAT)
スリランカ輸出開発庁(SLEDB)
パキスタン貿易開発庁(TDAP)
ラオス貿易振興局 (DTP)
台北世界貿易センター(TWTC)
ベトナム貿易振興庁(VIETRADE)