韓国・ソウルで初の大型対日投資シンポジウムを開催

2016年11月

ジェトロは2016年11月22日(火曜)、韓国ソウルにて、初の大型対日投資シンポジウムを開催しました。142名が参加した本シンポジウムには、既に日本に進出している観光・IT分野の韓国企業2社の幹部の他、韓国最大手法律事務所の弁護士、ジェトロの下村理事らが登壇し、それぞれの立場から投資先としての日本の魅力や日本におけるビジネスのメリットについて発信しました。

韓国企業に対日投資を呼びかけ

基調講演に立ったジェトロの下村理事は、身近な国である韓国との関係は、経済的にも文化的にも緊密であると強調した上で、韓国の対日投資は日本の対韓投資の約1/10に過ぎないと指摘しました。そして、日本と韓国のGDP規模が3:1であることを考えても韓国にはさらなる対日投資の余地があるのではないかと、来場した韓国企業に日本への直接投資を呼びかけるとともに、アベノミクスによって好転した日本の経済や消費市場、技術力の高さといった、投資先としての日本市場の魅力を紹介しました。

ジェトロ下村理事による基調講演

韓国企業2社が日本の投資環境について説明

続いて、観光およびIT分野から韓国企業の幹部がそれぞれ1名ずつ登壇し、日本進出のケーススタディとして、日本市場進出におけるメリットについてプレゼンテーションを行いました。
韓国初の格安航空会社ティーウェイ航空の金 亨二取締役は、訪日観光客数が大幅に増加していることを背景に、航空産業にとって日本でのビジネスチャンスは大きいと強調、市場参入の容易さや地方自治体等による支援が魅力であるとつけ加えました。続いて登壇したIT企業Simplex Internetのグローバルビジネスチーム長チョン・ミョンソン氏は、現在、世界第3位である日本の電子商取引市場の規模は、20年には2.2兆円を超えると見込まれており、日本における韓流人気、日韓関係の改善、日本政府による国境間電子商取引の環境整備などもあって、日本はECに最適な投資環境を提供していると述べました。
最後に、金・張法律事務所のパク・インドン弁護士が登壇し、日本における拠点設立手続きに関し、具体的に説明を行いました。

ティーウェイ航空の金 亨二取締役による講演

Simplex Internetのチョン・ミョンソングローバル ビジネスチーム長による講演

地方自治体などがPR・個別相談コーナーを設置

シンポジウム後のネットワーキングレセプションでは、大阪外国企業誘致センター(大阪府・大阪市・大阪商工会議所)、福岡市、北海道、静岡県、大韓貿易投資振興公社(KOTRA)がPRコーナーを設置し、各地の魅力やインセンティブ情報、サポート体制をアピールしました。また、ジェトロや一部の自治体は、参加企業から寄せられた具体的質問に個別に応えるための個別相談コーナーを設置、それぞれ担当者が丁寧に対応しました。

個別相談コーナー

韓国対日投資シンポジウム概要

日時 2016年11月22日(火曜)14時00分~17時10分
会場 ロッテホテル サファイヤボールルーム3階
主催 ジェトロ
共催 経済産業省(METI)、在大韓民国日本国大使館、大韓商工会議所(KCCI) 、韓日経済協会(KJE)
後援 大韓貿易投資振興公社(KOTRA)、韓日産業技術協力財団(KJCF)
来場者 147名(うち報道関係者5社5名)
プログラム概要
  • 司会挨拶:保科 聡宏 ジェトロ・ソウル事務所長
  • 共催者挨拶:李 鐘允 韓日経済協会副会長
  • 来賓挨拶:羽鳥 隆 在大韓民国日本国大使館経済公使
  • 基調講演:下村 聡 ジェトロ理事
  • 企業プレゼンテーション(1)(観光):金 亨二(株)t’way航空 取締役
  • 企業プレゼンテーション(2)(IT):チョン・ミョンソン(株)Simplex Internet グローバルビジネスチーム長
  • 日本拠点設立手続に係る紹介:金・張法律事務所 パク・インドン弁護士
  • ネットワーキングレセプション
※PRコーナー設置:大阪外国企業誘致センター、福岡市、静岡県、北海道、KOTRA
※個別相談コーナー設置:大阪外国企業誘致センター、福岡市、ジェトロ