フィンランドからレーン経済大臣を迎え、「ビジネスセミナー&ネットワーキングイベント」開催

2016年5月

5月18日、ジェトロはフィンランドのオッリ・レーン経済大臣来日の機会を捉え、「フィンランド、デジタル＆コネクテッドワールドのハブとして」をテーマとする「日本・フィンランドビジネスセミナー＆ネットワーキングイベント」を開催しました。日本企業・機関から128名、フィンランド企業・機関から約30名が参加した本セミナーでは、レーン大臣をはじめ、フィンランド側からノキア・コーポレート部のアイラ副社長、投資庁の各部門責任者が登壇、同国のIoTやコネクテッド・カー（注）に関するビジネス機会、および訪日フィンランド各企業に関する紹介が行われました。

セミナー開会挨拶に立ったジェトロの石毛理事長は、日本とフィンランド両国がともに、世界トップクラスのイノベーション力とイノベーション重視志向を持ち合わせていると述べました。その上で、自動車分野の海外企業には、日本の自動車関連メーカーの近くで開発する必要から日本に研究開発拠点を設立する動きがあることを紹介し、本セミナーが日・フィンランド企業の協力促進とフィンランド企業の対日投資促進につながることに期待したいと述べました。

次いで登壇したレーン経済大臣は、ICT関連企業が第5世代移動通信技術（5G）開発に力を入れているフィンランドには、日本を含む海外顧客企業の製品・サービスの付加価値向上に資する技術を提供できる力があることを強調しました。また自動車産業分野に関し、「日本は巨大市場であるだけでなく国際化拠点として重要な機能を果たしている」との認識を示し、日本における両国企業のビジネス拡大に期待感を示しました。

続いて、世界的IT大手ノキアのアイラ副社長が、同社の5G技術開発取り組みについて、コネクテッド・カーに関する実証実験や人工知能を使った製造現場の革新などを例にとって紹介しました。

さらにフィンランド投資庁からは、同国におけるIoT、コネクテッド・カー、ICT分野などに関する現状、および日本企業とのビジネス拡大への期待に関する説明がありました。中でもコネクテッド・カーについて講演したプログラム・ディレクターのミッコ氏は、フィンランドには自動車メーカーは無いが、世界の大手自動車メーカーの先端技術にはフィンランド企業がサプライヤーとして関わっていると述べ、フィンランド企業の競争力を強調しました。

ジェトロからは、海外調査部欧州ロシアCIS課鷲澤課長代理が、フィンランドの経済情勢と日本企業のフィンランド進出状況などについて講演しました。
セミナーの後、IoTおよびコネクテッド・カー分野のフィンランド企業約20社と日本企業の間でネットワーキングが開催され、製品・技術について情報を交換するなど、活発に交流しました。
ジェトロでは、今後ともフィンランドをはじめとする欧州ビジネス動向に関する情報発信とビジネス・マッチングの機会を提供してまいります。

（注）コネクテッド・カーは、自動車をネットワークに接続することで、従来の自動車にスマートフォンの様な機能を持たせた次世代自動車のこと。