安倍総理出席のもと、ブリュッセルで「対日投資セミナー」開催

2016年5月

セミナー冒頭のスピーチに立った安倍総理は、法人実効税率を20％台へ引き下げたこと等を例に挙げ、アベノミクスによるわが国投資環境改善の成果を示しました。また、「日本を、世界で最もビジネスがしやすい国にするため、企業目線に立った改革を断行していく」と訴えました。これに応えてペーテルス副首相は、「対日投資は、投資したベルギー企業はもちろん、ベルギー経済全体にも利益をもたらす。中央・州政府を挙げてベルギー企業による対日投資を支援する」と述べました。

次に、対日ビジネスの先進事例として、GODIVA・UCB・Umicoreの3社によるプレゼンテーションが行われました。高級チョコレート・メーカーGODIVA社の欧州・中東・アフリカ地域General Managerを務めるGuy Riddell氏は、「日本は全世界売上高の3分の1を占める重点市場」とした上で、「日本の消費者の要求レベルは高く、日本でヒットした商品が他国で成功した例は多い」と日本市場の魅力を伝えました。中枢神経系や免疫・炎症領域の医薬品開発で世界をリードするUCB社を代表して登壇したChief Operating OfficerのMark McDade氏は、「日本水準でつくられた製品は他国でも確実に受け入れられるので、当社では製造基準を日本仕様に統一している」と話しました。自動車触媒等の非鉄金属分野で世界大手のUmicore社を代表してプレゼンテーションを行ったChief Technology OfficerのDanis Goffaux氏は、「教育レベルが高く優れた人材の確保がしやすい日本には先進的な製品を受け入れ素地があり、研究開発にも適している」と説明しました。

その後登壇した神戸市とつくば市の両市長は、地方の投資環境について講演しました。神戸市の久元市長は、同市が推進する「神戸医療産業都市」のコンセプトを紹介するとともに、「神戸市はライフサイエンス分野でアジアNo.1のクラスター形成を目指す」と語りました。またつくば市の市原市長は、同市に居住する研究者が2万人を超えることや、「国際戦略特区」に指定された同市では先進的なプロジェクトが数多く実施されていることなどをPR。続いて登壇した産業技術総合研究所の中鉢理事長は、イノベーション促進に向けた日本の先進的取り組みを紹介するとともに、同研究所と在ベルギー国際研究機関であるIMEC（Interuniversity Microelectronics Centre）とのMOU等について説明しました。

セミナー後のレセプションでは、参加者同士による活発な情報交換が行われました。また会場内にブースを設営した神戸・つくば両市は、それぞれの投資環境の魅力を参加者にPRしました。ジェトロは相談コーナーを設置し、対日投資相談に応じました。