エルシーシ・エジプト大統領を迎え、「第10回日本・エジプト経済合同委員会会議（エジプト投資セミナー）」を都内で開催

2016年3月

セミナー冒頭、主催者を代表して、日本・エジプト経済委員会の小澤委員長、エジプト・日本経済委員会のエル・アラビー委員長、ジェトロの石毛理事長がそれぞれ挨拶しました。小澤委員長は、「政治基盤の安定化が図られつつあるエジプトの経済は着実に成長しつつあり、今回のエルシーシ大統領の訪日実現により、日本・エジプト間のビジネスはさらに活発化していくだろう」と期待感を示しました。またエル・アラビー委員長は、「日本製品への信頼度が高いエジプトは、有望市場。日本からの投資が進み、エジプトのインフラが整備されることに期待する」と述べました。さらに石毛理事長は、「エジプトの投資環境やビジネス機会を正しく日本企業に伝えることがジェトロの重要な役割。他方、在エジプト日系企業の声をエジプト政府にお伝えし、投資環境整備の一助としていただいている。ジェトロが実施した在アフリカ日系企業へのアンケート調査では、7割の在エジプト企業が事業を拡大する予定であるとしており、そのうちの約85%が、エジプトの成長性と潜在性の高さをその理由に挙げている。ジェトロは、こうした日本企業の期待を具体的なビジネスの形に繋げるお手伝いをしていきたい」と意気込みを語りました。

基調講演を行ったエルシーシ大統領は、その中で、戦後の奇跡的な経済発展を遂げた日本は、エジプトにとって模範的な存在であると日本を称えた上で、新政権・新議会の発足で民主化が進むエジプトも、現在、真剣に行政改革に取り組んでいると説明しました。また、スエズ運河の開発、全国の道路整備、再生可能エネルギー・インフラの整備、新首都の建設など、経済革命と開発の時代の最中にあるエジプトにとって、日本は主要パートナーであるとの考えを述べました。そして日本企業に対しては、「エジプトの開発プロジェクトへの参画は、日本企業にとっても大きなチャンス。日本企業による具体的な事業展開や両国経済関係のさらなる強化に期待したい」と呼びかけました。

続いて両国間における協力協定の締結式が行われ、発電事業やスエズ運河経済開発プロジェクトなどの計15件に係る協業覚書が、日本企業とエジプト政府や同国政府関係機関等との間で締結されました。

その後のサハル・ナスル国際協力大臣の講演では、日本が支援したエネルギー分野をはじめとする様々な支援に対し、感謝の辞が述べられました。そのほか、モハメド・シェーキル電力・再生可能エネルギー大臣も登壇し、電力分野の課題解決に向け、再生可能エネルギー発展に向けた取り組みに注力していく姿勢を示しました。また両大臣からは一様に、日本企業によるインフラ事業への参画や投資拡大への期待が寄せられました。

このほか、アフメド・ダルヴィッシュ・スエズ運河経済特区庁長官やアラー・オマル投資・フリーゾーン庁長官などによる講演もあり、ダルヴィッシュ長官はスエズ運河経済特区の開発状況などについて紹介、オマル長官からは、エジプトの投資環境や経済特区向け投資に対する優遇措置などについて紹介がしました。