見本市レポート FHC China 2014

食の総合見本市、中国輸出への足掛かりに

ジェトロ参加報告

中国・上海
2014年11月12日~14日

会場風景

アジア最大級の食の見本市「FHC China 2014」が2014年11月12日から14日まで、上海にて開催された。ジェトロは過去5回ジャパン・パビリオンを設置しており、6回目となる今回は41社・団体が参加した。

洗練された食の専門見本市

「FHC China」は、今年で第18回目を迎えるアジア地域最大級の食品総合見本市である。主催者によれば、本見本市は海外からの出展勧誘に注力しており、今年も66ヵ国・地域から約2,400社が出展した。また、来場者を商談目的のバイヤーのみに限定しているが、中国全土から広くバイヤーを集め、来場者数は過去最大の約3万人を記録した。

「日本らしさ」を追求したジャパン・パビリオン

ジェトロは、今回で6回目となるジャパン・パビリオンを出展し、41社・団体が参加した。昨年度多くのバイヤーから好評を博した菓子・せんべい・調味料などの加工食品メーカーが継続出展したほか、新規19社も含まれる。
中国で馴染みのない塩昆布は麺に入れて調理する、カニ蒲鉾はサラダにして食するなど、試食を通じて調理例を紹介しながら、日本食品の魅力をアピールしたところ、多くの中国のバイヤーが関心を示した。
また、今回のジャパン・パビリオンは、鳥居をモチーフとした赤と黒の柱に和傘や提灯を並べ、縁日をイメージした華やかなブースデザインを採用した。出展者からは「日本らしくて素晴らしい」「情緒豊かで非常に良かった」など、好意的なコメントが寄せられた。

3.11後から対中輸出に好転の兆し

2011年の東日本大震災後、日本の中国向け農林水産物の輸出総額は減少し、2010年の555億円から2011年には358億円まで落ち込んだが、2012年は406億円、2013年は508億円と、回復傾向にある。
この傾向の背景としては、日本の食品が、安全かつ高品質なイメージを確立していることに加え、主な消費者である中国人富裕層が増加していることも挙げられよう。通商白書(2013年)によると、中国の富裕層(世帯年間可処分所得35,000ドル以上)は2010年の約4,400万人から、2020年には1億4,200万人に増加する見通しであり、こうした購買層が拡大することで、高品質な日本食品への需要は一層高まるものと見込まれる。
また、日本から中国への食品輸入にも徐々に好転の兆しが見られる。日本から中国向けの活水産物(食用の活きている水産物のこと。ただし、観賞魚及びえさ用水産物を除く。)は、日中両政府の協議を踏まえて輸出証明書の発行体制が整備されたため、2014年8月より輸出が可能になった。出品者である広島県の活牡蠣生産者は、活牡蠣の実物を展示して中国人バイヤーの関心を引きつけ、大手バイヤーとの商談で成果を上げた。
震災後から次第に回復基調が見られる日本の農林水産物輸出。今回の「FHC China 2014」は日本企業にとって、中国市場参入の更なる足掛かりとなった。次回は2015年11月11日~13日に開催予定。

(海外見本市課 長谷明日香)

見本市データ
見本市名 FHC China 2014外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
開催期間 2014年11月12日(水曜)~14日(金曜)
9時30分~17時00分(最終日は16時00分まで)
初回開催年/開催頻度 1994年/年1回
開催場所 上海新国際博覧中心
出展商品内容 食材・加工食品、飲料・酒類、外食産業関連など
出展者数 約2,400企業・団体(66ヶ国・地域)
※「ProWine China」の出展者数含む
来場者数 34,761人(46%が上海、40%が中国本土、13%が海外)
※「ProWine China」の来場者数含む
入場料 無料
主催者名 華漢国際会議展覧有限公司
(China International Exhibitions Ltd)
事務局連絡先 株式会社イーエムエス
住所:東京都世田谷区代田3-49-16-102
TEL:03-6751-0090
FAX:03-6751-0090
E-mail:cellems@world.odn.ne.jp

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