見本市レポート Arab Health 2018

中東最大医療機器展示会

ジェトロ参加報告

アラブ首長国連邦・ドバイ
2018年1月29日(月曜)~2月1日(木曜)

ジャパン・パビリオン外観

中東最大の医療機器展示会「Arab Health」が2018年1月29日~2月1日、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで開催された。4,100以上の企業・団体が出展し、160カ国以上の国・地域から8万人以上が来場した。

急速に拡大している中東市場

中東の医療機器市場は年率10%前後で急速に拡大している。成長の要因としては、人口増、所得増、糖尿病など生活習慣病患者の増加、世界最高水準の肥満率、女性や子供に特化した医療の不足、高齢化、公的保険制度の整備などが挙げられる。ASEAN・中国市場と比較すると1ヵ国当たりの市場規模は同等、あるいは上回っており、日本企業にとってビジネス拡大の潜在性が高い地域である。
近年では特に生活習慣病患者の増大が深刻化している。たとえば、国際糖尿病連合(IDF)の調査によると、湾岸地域の糖尿病患者は2017年の約3,870万人から45年には2倍以上に増加する見込みである。糖尿病の誘因として注目される肥満に関しても、肥満の目安とされるBMI(Body Mass Index)30以上に該当する18歳以上の人口の割合が、クウェート、ヨルダン、サウジアラビア、カタール、リビア、レバノン、エジプト、UAE、イラクで30%を超える。

「日本ブランド」に高い信頼

急成長をしている中東各国に日本製品をPRする場として、中東地域や周辺各国より新たな製品を求める代理店や医療関係者が多く集まる「Arab Health」は最適だ。「Arab Health」には、数十ヵ国がナショナルパビリオンを設置しているが、他国に比べてジェトロが設けるジャパン・パビリオンは圧倒的に来場者数が多い。今回は2011年の出展開始以来最多となる23の中小医療機器メーカーなどが日本各地から出展した。出展した日本企業からは「日本製品への信頼は高いが、『欧米などの製品に比べ知る機会が少ない」との声が多く、ジャパン・パビリオンに出展するのが効果的」 「質の高い世界中の代理店と期待以上の商談ができ、進出に向けて大きな足がかりとなった」との声が聞かれ、現地企業との商談に大きな手応えを感じていた。

来場者で賑わうジャパン・パビリオン

生活習慣病対策などの課題解決に資する製品に多数の商談

中東各国に製品を売り込むには、それぞれのターゲット地域の特徴を捉え、展示の見せ方に反映することが重要である。ジャパン・パビリオンに参加している日本企業も、来場者の関心を引くため、製品紹介の際、現地で関心の高い生活習慣病対策に役立つ点を強調し、自社製品を通してターゲット地域の課題解決ができることをアピールしている。今回は足の血行促進により糖尿病の緩和効果が期待できるサポーターソックスや、糖尿病性足潰瘍のような虚血状態を改善する効果がある人工炭酸泉製造装置、超音波治療器、電位治療器、水素水等健康関連製品、そのほか介護・リハビリ関連製品等、中東で多くみられる健康課題の解決に資する数多くの製品に多くの代理店が関心を寄せた。
次回のArab Healthは2019年1月28日~31日、同じくドバイで開催の予定だ。

ヘルスケア産業課 宮崎 アナスタシア

見本市データ
見本市名 Arab Health(アラブヘルス)
開催期間 2018年1月29日(月曜)~2月1日(木曜)
10時00分~18時00分(最終日は17時00分まで)
初回開催年/開催頻度 1975年/年1回
開催場所 Dubai International Convention & Exhibition Center
出展商品内容 医療機器完成品および健康関連製品等
出展者数 約4,200社
日本は57社出展(主催者発行の公式企業ダイレクトリーを基にジェトロにて集計。現地法人の出展を含まない。)
来場者数 約10万人(150カ国以上)
入場料 出展者:1社あたり事前申し込みの場合数枚無料、追加費用1枚あたりAED10(≒300円)
来場者:事前申し込みの場合無料、当日参加の場合は100AED(≒3,000円)
主催者 Informa Life Sciences Exhibitions
E-mail:arabhealth@informa.com