見本市レポート INTERPOL World 2017

国際的なセキュリティ展示会

ジェトロ参加報告

シンガポール
2017年7月5日(水曜)~7日(金曜)

INTERPOL World 2017の案内表示

国際的なセキュリティ展示会「INTERPOL World 2017」が、2017年7月5日~7日、シンガポールで開催された。日本は、ジェトロの補助事業により、NPO法人日本ネットワークセキュリティ協会(JNSA)の運営のもと、同展示会に初めてジャパン・パビリオンを設置し、サイバーセキュリティ技術をアピールした。

世界中のセキュリティ技術が集まる展示会

インターネットの飛躍的な普及と高度化に伴い、年々、サイバー空間における犯罪の脅威が高まっている。場所・時間の制約を受けず、誰もが容易に参加できるサイバー空間を利用し、犯罪者は人々や企業・組織の情報・財産を不正に搾取し、サイバー攻撃によって国民生活・経済社会活動に重大な被害を生じさせている。最近では、ランサムウェア(身代金要求ソフトウェア)などの経済犯的な事例が世界各国で急増しており、国際的にサイバー対策に関心が高まっている。
「INTERPOL World」は、シンガポールで2年ごとに開催されるセキュリティ分野の国際会議・展示会である。国際刑事警察機構(インターポール)が主催し、複雑化するセキュリティ問題の解決に向けて、世界中から新技術や機器等が集まる。2015年に初めて開催され、2回目の今回は34カ国・地域から226社が出展。日本のほか、フランス、イスラエル、イタリア、韓国、シンガポール、スイス、米国がパビリオンを設置した。来場者は、33カ国・地域から8,362人と前回の7,807人を500名ほど上回り、700件近い商談が行われた。

©INTERPOL World
来場者でにぎわう会場

我が国サイバーセキュリティ関連産業の振興に向けた取り組み

日本政府は、2015年9月に「サイバーセキュリティ戦略」をまとめ、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催およびその先を見据えた3年間の指針を示している。同戦略の目的のひとつである「経済社会の活力向上及び持続的発展に寄与する」ためにも、日本のサイバーセキュリティ関連産業の振興に向けた取り組みは重要だ。「INTERPOL World」への出展も産業振興につながる取り組みのひとつと言えるだろう。
日本は、NPO法人日本ネットワークセキュリティ協会(JNSA)の運営のもと、情報セキュリティ関連の日本企業10社が共同で初めてのジャパン・パビリオンを出展した。各社が独自の技術や商品を紹介するとともに、ASEAN地域のニーズを探った。また、会場では「INTERPOL World Theatres」という場が設けられ、1枠20分程度の出展者によるセミナーなども開催された。ジャパン・パビリオンには5枠与えられ、サイバーセキュリティ人材の育成につながるオンライントレーニングサービスを提供する会社など5社が各社の製品等について発表し、その後のブースへの集客にもつながった。

ジャパン・パビリオンの様子


継続的な取り組みで認知度向上が必要

出展企業からは、「今後の取引につながるような商談ができた」「日本の品質に関する期待は大きいのではと感じた」といった手ごたえのあるコメントがあった一方、「日本の技術力の高さや性能面に関しては認知度が低い」「継続的な出展で認知度向上につなげたい」といった声も上がった。サイバーセキュリティ市場は、国際競争が激化しており、日本国内においても、使用されているセキュリティソフトはアメリカなど海外製品が主流となっている。今後も継続的な取り組みを行うことにより、日本の技術力は国際的なシェアを拡大していくことができるだろう。

展示事業課 高橋 栞里

見本市データ
見本市名 INTERPOL World 2017
開催期間 2017年7月5日(水曜)~7日(金曜)
9時30分~18時00分(最終日は17時00分まで)※併催の会議は7月4日(火曜)~6日(木曜)9時00分~17時00分
初回開催年/開催頻度 2015年/2年に1回
開催場所 Suntec Singapore Convention & Exhibition Centre
出展商品内容 セキュリティ/サイバーセキュリティ関連技術・商品
出展者数 226社(34カ国・地域)
来場者数 8,362人(33カ国・地域)
入場料 無料
※併催の会議への参加は有料
主催者 インターポール(国際刑事警察機構)
事務局連絡先 MP International
Tel:+65-6389-6613
E-mail:layeng.see@interpol-world.com