見本市レポート スペースシンポジウム2016

宇宙産業の最新動向把握、米国市場開拓を行うに適した、シンポジウム併催展示会

ジェトロ参加報告

米国・コロラドスプリングス
2016年4月11日(月曜)~14日(木曜)

スペースシンポジウム2016 会場風景

米国最大の宇宙関連シンポジウム兼展示会「スペースシンポジウム2016」が、4月11日から14日まで、米国・コロラドスプリングスで開催された。宇宙産業のキーパーソンが登壇、来場するなど関係者間でのネットワーキングがいたる所で行われていた。

米国最大の宇宙関係者の集い

米国・コロラドスプリングスで開催される「Space Symposium」は、シンポジウム及び展示会を合わせたイベントである。世界の宇宙産業をリードする主だった米国企業が年に1回集まり、情報発信、ネットワーキングを行う機会となっていることから、業界の最新動向把握や、自社製品・サービスの米国市場開拓を目的とした世界の宇宙関係企業の間で関心が高まっており、主催者によると今年は出展者、来場者共に過去最大となった。 シンポジウムでは、アメリカ航空宇宙局(NASA)や宇宙航空研究開発機構(JAXA)など13カ国の宇宙開発機関の動向紹介、Blue OriginやSpace Xといった米国新興企業を含む人口衛星打ち上げサービス企業によるパネルディスカッション(Launch Mega-Session)などが注目を集めた。

初出展企業の技術にも注目が集まる

展示会場は、自社ブランドの向上や製品・サービスの紹介を主な目的とした米国大手企業が中心のExhibit Centerとそれら企業への売り込みを目的とした企業が多いExhibit Center Pavilionの2つに分かれている。ジェトロは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と共に、Exhibit Center Pavilion内に日本企業10社によるジャパン・パビリオンを設置し、日本の宇宙産業を紹介すると共に各社の商談を支援した。パビリオンには、三菱重工、IHIエアロスペース、NEC他豊富な実績を有する大企業に加え、中小企業を中心に初出展5社が参加。人工衛星向けの新素材や部品、宇宙ごみ(デブリ)観測・回収サービスなどを売り込んだ。また、長期間の宇宙滞在、閉鎖空間で発生するストレス軽減効果を模索するセラピーロボット「パロ」は来場者の話題を集めた。

会場風景

人脈形成の場として活用

シンポジウムの聴講及び展示会場に入場するには2,000ドル以上を支払うか、限られた招待状を入手する必要があることから、Space Symposiumは一般来場者が少ない業界関係者向けイベントとなっている。会場となっているブロードモアホテルでは、参加者を限定したシンポジウム、商談会やレセプションも多数催されている。これらを有効に使えば、キーパーソンや大手企業幹部との人脈形成、ネットワーキングを行うことができる。併催展示会への出展は、宇宙業界のインナーサークルに食い込む一つの方法である。ジャパン・パビリオンでは、出展者と海外の宇宙産業関連企業とのコンタクトを増やすことを目的とした交流会「ジャパン・アワー」を開催したが、多くの来場者が参加し、振舞われた日本酒を片手に出展企業と交流する姿が目に付いた。

会場風景

ものづくり産業部ものづくり産業課 福山豊和

見本市データ
見本市名 スペースシンポジウム2016
(32nd Space Symposium)
開催期間 2016年4月11日(月曜)~14日(木曜)
4月11日(19:00~21:00)、 12日(9:00~19:00)、13日(9:00~17:00)、14日(9:45~17:00)
初回開催年/開催頻度 1984年/年1回
開催場所 The Broadmoor Hotel
(米国・コロラド州コロラドスプリングス)
出展商品内容 宇宙機器、宇宙利用サービス、その他宇宙関連製品・サービス
出展者数 190社(40ヶ国・地域)
来場者数 12,000人以上(33カ国・地域)
入場料 US$2,095(当日料金、シンポジウム参加費を含む)
早割価格あり。主催者ウェブサイトより購入。
事務局連絡先 Space Foundation
Tel:+1-719-576-8000
E-mail:Exhibitor@SpaceFoundation.org (Ms. Rhonda Truett)