見本市レポート Arab Health 2017

中東地域において最大規模のヘルスケア産業の総合見本市

ジェトロ参加報告

アラブ首長国連邦・ドバイ
2017年1月30日(月曜)~2月2日(木曜)

活発に行われる出展企業の商談の様子

中東最大の医療機器展示会「Arab Health」が1月30日~2月2日、アラブ首長国連邦・ドバイで開催された。出展者数は70カ国・地域、4,400社・団体と過去最多となった。

成長著しい中東の医療市場

中東諸国の医療機器市場は年率10%前後で伸びる急成長市場だ。成長の要因としては、人口の増加、所得の向上、糖尿病など生活習慣病患者の増加、肥満度の高さ、公的医療費補助の拡充などがある。2014~2019年の市場平均成長率見通しは、イラン17.3%、エジプト12.2%、オマーン11.4%、サウジアラビア9.1%、ヨルダン9.5%、アラブ首長国連邦8.9%などとなっている(2019年の世界医療市場見通しを基にジェトロ算出)。
この拡大する市場を狙って、今回42回目を迎えたArab Healthには世界中から医療機器メーカーや代理店、医療従事者、政府・業界団体の関係者らが集まった。

GEヘルスケアのブース

日本製品PRの場として最適

ジェトロが「Arab Health 2017」に設けたジャパン・パビリオンには20社が出展した。医療現場で診断や治療に用いる幅広い装置、器具、消耗品を展示し、日本製品の高品質と使い勝手の良さを訴えた。特に、中東で関心の高まる糖尿病や肥満の予防・治療、リハビリなど向けの製品が来場者の目を引き、活発に商談が行われた。
初めて参加した企業は「会期前は中東市場のイメージを持ちにくかったが、ふたを開けてみると、アラブ首長国連邦、サウジアラビア、イラン、クウェート、カタール、ヨルダン、バーレーン、スーダン、レバノン、イラクなどなじみの薄い国の代理店などから声が掛かり、それぞれ多くの需要があることを確認できた」と語っていた。

来場者がにぎわうジャパンパビリオン全景

日本留学の経験がある、ドバイの大手私立病院グループの医師は「日本の製品が良いことは分かっているが、欧米などの製品に比べ知る機会が少ない」と指摘する。世界に拡大する新興市場に日本製品をPRする場として、「Arab Health」は最適だ。
またこの医師は、日本企業が中東市場で成功するための要件として、価格競争力が高いことや病院に柔軟な支払い条件を提示できること、補修備品を含めて病院の求めに速やかに対応できること、などを挙げている。
なお、中東各国に医療機器を販売するためには、欧州の医療機器指令への適合宣言(CEマーキング)が求められるケースが多いことに留意が必要だ。各国の法的要件には含まれていなかったとしても、市場参入前にCEマーキングが完了していることで現地での製品登録手続きがスムーズになることが多いという。
次回の「Arab Health」は2018年1月29日~2月1日、同じくドバイで開催の予定だ。

ヘルスケア産業課 シッチ アナスタシア

見本市データ
見本市名 Arab Health 2017
開催期間 2017年1月30日(月曜)~2月2日(木曜)
初回開催年/開催頻度 1975年/年1回
開催場所 Dubai International Convention & Exhibition Center
出展商品内容 医療機器完成品および健康関連製品等
出展者数 4,400社(70カ国)
来場者数 96,925人
入場料 1社あたり7枚まで無料
追加費用1枚あたりAED10(≒300円)
主催者 Informa Life Sciences Exhibitions
E-mail:arabhealth@informa.com