見本市レポート Expo ANTAD 2015

中南米、成長市場の食品見本市

ジェトロ参加報告

メキシコ・グアダラハラ
2015年3月18日(水曜)~20日(金曜)

Expo ANTAD 2015

人口1億2,000万を抱える成長市場のメキシコは、先進国クラブといわれるOECDに加盟して久しい。経済成長とともに所得も向上し、日本食に対する関心も高まっている。「Expo ANTAD 2015」は、今後、中南米への食品輸出を考える企業には、出展を検討したい見本市だ。

日本食はまだ未開拓のメキシコ食品市場

和食がユネスコ無形遺産に登録されるなど、世界各地で日本食がブームになっている。地理的に日本から最も遠い中南米も例外ではない。メキシコは、人口約1億2,000万人。最近は、マツダの進出やトヨタが新工場設立を発表し、日系自動車部品企業の進出が続いている。日墨間の経済的な結びつきが強まれば、自然に日本文化、日本食への関心も高まるであろう。
ジェトロは、新興市場のメキシコで開催されたANTAD見本市にジャパン・パビリオンを設置し、日本産農産品・食品を売り込んだ。ジャパン・パビリオンの出展企業は9社であり、日本酒、清涼飲料水、日本茶、調味お菓子等が主な出品物であった。
日本食への関心は高く、見本市期間中、多数のバイヤーがジャパン・パビリオンを訪れた。出品者からは、「日本酒の味の違いを理解してもらえない国がある中で、メキシコではしっかり認識してもらえた」、「メキシコ人の味覚に合わせてジュースの味を調整した。商品の認知度を高めたい」といった声が聞かれ、一様にメキシコ市場に対する評価は高かった。

会場風景

今後、日本食を売り込んでいく上での問題点としては、日本食の認知度向上が上げられる。ジェトロがジャパン・パビリオンで実施したアンケートでは、「日本産食品には関心はあるが、詳しく知らないので取り扱っていない」というバイヤーが37%と約4割を占めた。また、本見本市の主催者、メキシコ百貨店・小売業協会のアルバレス課長は、「メキシコ人はまだホンモノの日本食を知らない。日本食の普及には、食べ方などの紹介が必要だ」と指摘している。
会場では、日本食を扱うメキシコ系企業も出展しており、日本食に対する需要が増加していること裏付ける。高品質で健康によいというイメージがある日本食に対する関心は高い。成長市場であるメキシコの日本食市場における先行者利益を享受するには今がチャンスであろう。

アメリカ大陸諸国を中心に出展、中南米に売り込み

本見本市には、南・北アメリカ大陸諸国を中心に10カ国がナショナルパビリオンを設置した。本見本市の評価については、「メキシコ最大の食品見本市。次回は規模を拡大したい」(アルゼンチン)、という高い評価があることに加えて、「ラテンアメリカでも最も大規模な食品見本市の一つ」(英国)と、中南米市場に売り込む上で、メキシコ市場および本見本市を戦略的に捉えている国もある。一方で、「ビジネス客が思ったより少ない」(フランス)、「メキシコ国内企業との関係の維持が主な目的」(カナダ)という声もあった。
本見本市には、ネスレやコカコーラ、コルゲートなど、すでに世界的に著名な多国籍企業も出展した。人口が増加する新興国における知名度の維持、拡大が狙いと見られ、そのための手段として、見本市を重要視している現われであろう。

会場風景

(農林水産・食品事業推進課 白石薫)

見本市データ
見本市名 Expo ANTAD 2015
開催期間 2015年3月18日(水曜)~20日(金曜)
9:00~17:00(最終日は15:00まで)
初回開催年/開催頻度 1984年/年1回
開催場所 Expo Guadalajara
(メキシコ・ハリスコ州グアダラハラ市)
出展商品内容 農林水産物・食品、アルコール、飲料、食品機械、業務用ショーケース、雑貨等
出展者数 2,400社
来場者数 4万3,000人
入場料 3日券:2,350メキシコペソ
2日券:1,950メキシコペソ
1日券:1,150メキシコペソ
※事前登録で割引などあり
事務局連絡先

ANTAD Oficinas México

TEL:+ 52 (55) 5580-9900 (ext. 258)

FAX:+ 52 (55) 5580-9900(ext. 263)

E-mail:malvarez@antad.net

主催者 Asociacion Nacional de Tiendas de Autoservicio y Departamentales