見本市レポート Manufacturing Indonesia 2017

インドネシア最大の機械・工具の総合展示会

ジェトロ参加報告

インドネシア・ジャカルタ
2017年12月6日(水曜)~9日(土曜)

ジャパン・パビリオンの俯瞰写真

インドネシア最大の機械・工具の総合展示会「Manufacturing Indonesia 2017」が、2017年12月6日~9日の4日間、中央ジャカルタ・クマヨランのジャカルタ国際展示場で開催された。今年で28回目を迎える本展示会は、世界30カ国・地域から1,609社の出展があり、インドネシア国内および海外から3万2,675人が来場した。

『日本のものづくり』をアピールする絶好の展示会

「Manufacturing Indonesia 2017」は「Machine Tool」、「Tools & Hardware」、「Industrial Automation & Logistics」の展示会が同時に開催されており、製造業全てをカバーする総合展示会である。本展示会にタイ、韓国、中国、台湾、シンガポール、インド、ドイツがナショナルパビリオンを設ける中、日本はジェトロが主導するジャパン・パビリオン(44社)の他、東京都、愛媛県、名古屋市、相模原市、燕三条などの地域・団体が出展した。
インドネシアは、近年、経済成長率5%程度の横ばいで推移しているが、ASEAN地域全体の4割強の人口を有し、労働人口も若年層が多いなど、製造拠点としてまだまだ成長するとみられている。同展示会には、ジャパン・パビリオンに出展した中堅・中小企業の他にも日系の大手企業が各ホールの入口に巨大なブースを設けるなど、多くの日本企業が参加し、「日本のものづくり」を支える技術力の高さをアピールした。ジャパン・パビリオン出展者の感触もよく、「ローカル企業で設備投資意欲の高い企業と商談ができたことは非常に良かった」「自社製品の宣伝に関しては、展示会に出展することは非常に有効な手法であることが分かった」など、日本企業にとって新たなビジネスチャンスを切り開く第一歩となった。

商談の様子

生産設備の省人・省力・FA化に注目

インドネシア政府はASEAN地域の生産および輸出拠点を目指す姿勢を明確にしている。しかし、インドネシアは素材産業が未成熟で輸入依存度が高く、人件費も上昇しているため、生産設備の省人・省力化・FA(※)化による国際競争力の向上が急務となっている。それを推し進めるように、「FA化による生産性の向上が必要不可欠」と政府関係者は開会式で述べている そのような状況の中、同展示会では、多くの出展日本企業が、「精密小型マシニングセンタ」や「小型熱処理炉」「自動搬送ロボット」等、省人・省力化・FA化につながる技術・製品を紹介していた。高品質、最新技術などを搭載した製品を紹介した日本企業からは、「興味は持ってくれるが最終的には価格の面で難しい」、「メンテナンスコストはあまり考慮せず、初期投資にこだわる傾向にある」など、なかなかビジネスにつながらないという声が多かった。一方で、日本で10年前に開発された製品を展示した日本企業は、「旧型製品でも非常に食いつきが良かった」「代理店候補を数社見つけることが出来た」と好感触を残すなど、最先端でなくても省力化に資する製品に関心が集まる結果となった。同展示会の来場者の大多数がインドネシアのバイヤーであるが、オーストラリアや中国など、世界中からもバイヤーが集まっており、同展示会への注目度はますます上がっている。

来場者で賑わうジャパン・パビリオンの様子

※FA(Factory Automation の略。生産工程の自動化を図るシステムの総称。) 

名古屋貿易情報センター 本多 孝臣

見本市データ
見本市名 Manufacturing Indonesia 2017
開催期間 2017年12月6日(水曜)~9日(土曜)
10時00分~18時00分(最終日は17時00分まで)
初回開催年/開催頻度 1990年/年1回
開催場所 クマヨラン・ジャカルタ国際展示場
(Jakarta International Expo Kemayoran)
出展商品内容 工作機械、金属加工機械・周辺機器、FA関連測定機器、工具、その他関連機器
出展者数 1,609社(30カ国・地域)
来場者数 3万2,675人
入場料 無料(ビジネスパーソンのみWEBから事前登録)
主催者 PT.PAMERINDO INDONESIA
事務局連絡先 株式会社イーエムエス
Tel:+81-3-6751-0090
Fax:+81-3-6751-0090
E-mail:callems@world.odn.ne.jp