世界の見本市・展示会情報(J-messe)
見本市レポート AEROMART TOULOUSE 2014
欧州航空機産業への参入チャンスを掴め
ジェトロ参加報告
フランス・トゥールーズ
2014年12月2日(火曜)~4日(木曜)

AEROMART TOULOUSE 2014
航空機分野では世界最大規模の商談会である「AEROMART TOULOUSE 2014」が、2014年12月2日~4日、フランス・トゥールーズにて開催された。
航空機分野に特化した商談会
「AEROMART TOULOUSE」は航空機分野に特化した商談会で、1996年より隔年開催され10回目を迎える。今年度は45ヵ国から1,300社が参加し、15,000件の商談が行われた。主催者であるBCI Aerospaceは、年間を通し、15ヵ国で航空機分野の商談会を開催しているが、欧州系大手航空機メーカーの本拠地であるフランス・トゥールーズでの開催は参加企業数、商談件数共に最大規模を誇り、他地域での開催に比べてもマネージャークラスのバイヤーが多数参加する。また、来場者数よりも事前の商談アレンジに重きが置かれているため、飛行デモンストレーションや機体展示が実施される一般的な「エアショー」とは会場内の雰囲気も大きく異なる。華やかなブース装飾で多くの来場者が賑わう「エアショー」に対して、明確な売り込み先や購買目的を持っているサプライヤーやバイヤーが主な参加者であるため、会場内は全体的に落ち着いた雰囲気で、ポスターと商談机・椅子のみといったシンプルなブースが多く見られた。

ビジネスマッチングサイトによる事前商談アレンジ
本商談会は事前登録制となっており、サプライヤーは自社の持つ製品・技術について、バイヤーは調達したい製品・技術について詳細な登録を行う。商談参加者は専用のビジネスマッチングサイトにて登録情報を参照しながら、ニーズが合致すると思われる商談希望先へ商談リクエストを申請する。
商談会には日本からは、ジェトロによるジャパン・パビリオンに出展する航空機分野に携わる国内中小企業7社を含む、12社が参加した。参加企業の多くは主催者の提供するビジネスマッチングサイトを活用し、機体メーカーやエンジン等大手部品メーカーとの商談を果たした。2日間で行われた商談件数87件のうち、ビジネスマッチングサイトでアレンジされた商談は60件と約7割にのぼり、事前アレンジの比重の高さが窺われた。参加者からは「多くの企業と商談を行うことにより欧州市場について学ぶことができた」「購買担当者とのコネクションを作ることができた」「疎遠になっていた顧客とコンタクトを再開することができた」などの高い評価が寄せられた。
欧州航空機産業参入への道のり
日本の航空機産業は古くより米国の大手航空機メーカーとの結びつきが強い。近年になり、ある次世代中型ジェット機を大手重工メーカー中心に、機体の約3割を日本企業が手がけるなどの実績を持つ。しかしながら、航空機産業に携わる国内中小企業の中には、更なる販路開拓を目指し、欧州市場を狙っている企業も少なくない。現在、欧州系大手航空機メーカーや大手部品メーカーはコスト削減や効率性の向上を目的に、新たなサプライチェーンを模索しており、厳しいながらも国内中小企業にも参入の余地があるといえる。
2013年以降日本の航空会社と欧州系大手航空機メーカーとの取引も増加し、日本と欧州航空機関連企業の距離が近づく中、こうした現地商談会は欧州航空機市場参入実現のための貴重な機会となっている。
「AEROMART TOULOUSE」の次回開催は2016年12月6日(火曜)~8日(木曜)である。

(機械・環境産業企画課 橋本綾香)
見本市名 |
AEROMART TOULOUSE 2014
(エアロマートトゥールーズ2014) |
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開催期間 | 2014年12月2日(火曜)~4日(木曜) 8:30~18:30 |
初回開催年/開催頻度 | 1996年/隔年1回 |
開催場所 | Parc des Expositions de Toulouse |
出展商品内容 | 航空機器・部品製造業 |
出展者数 | 1,300社(45ヵ国) |
来場者数 | 2,500人 |
入場料 | 当日入場料500ユーロ/1人 ※商談マッチングサイトの利用の場合は事前登録(500ユーロ/1人)が必要。 |
主催者 |
BCI AEROSPACE AEROMART ORGANISATION 35/37 Rue des Abondances, Boulogne Billancourt Cedex - France TEL:+33 1 41 86 49 18 FAX:+33 1 46 03 86 26 |