見本市レポート Small Satellite Conference 2016

小型衛星に関する世界最大の学会併催展示会

米国・ユタ州ローガン
2016年8月8日(月曜)~11日(木曜)

Small Satellite Conference 2016 会場風景

小型衛星関連市場が世界的に拡大する中、米国・ユタ州ローガンで開催される学会併催展示会「Small Satellite Conference 2016」の参加者が増え続けている。初参加となったジャパンブースには21社・団体が参加し、米国小型衛星メーカー等から注目を集めた。

小型衛星利用の増加で、学会から商談の場へと変貌

米国・ユタ州ローガンで毎年開催される小型衛星に関する学会、「Small Satellite Conference」が30周年を迎え、併催展示会も米国内外からの衛星ビジネス関係者で大いに賑わった。本イベントは、小型衛星の開発に携わる研究者及び技術者のための情報交換の場としてスタートしたが、近年小型衛星の商業利用が進む中、展示・商談の場としても認識されるようになった。基調講演を行ったスペースXのグウィン・ショットウェル社長兼COOによれば、(1)積載量の大きい大型ロケットの開発、打ち上げ用ロケットの再利用により、衛星の打ち上げコストが今後大幅に安くなり、(2)複数の小型または超小型衛星に地球を周回させるコンソレーションの増加により、過去10年間で916機であった人工衛星の打ち上げ数は、今後10年間で3,600機以上となる、という。そのような動向の中で、「Small Satellite Conference」は、宇宙機器関連メーカーや宇宙利用サービス提供企業にとって、最新の業界動向を把握し、自社技術を発信するためになくてはならないイベントとなっている。

会場風景

日本の衛星関連技術に注目が集まる

ソニア・ワーナー展示会事務局長によると、今年の参加登録者は過去最大の2,300人を数えた。しかし、イベントの開催場所は大学構内であるため、企業が展示できるスペースには限りがある。さらに、当初は数十社であった参加者も「ほとんど宣伝することなく、口コミだけで増え続ける」状況の中、主催者は過去の実績(学会での発表、出展回数、食事の提供等)を元に出展企業を審査するため、新規企業にとっては参加しにくい展示会となっている。そこで、今回経済産業省は、日本政府として展示エリアの一角に「ジャパンブース」を設置し、宇宙航空研究開発機構(JAXA)や大学、中小企業13社を含む計21社・団体が自社製品及び技術の紹介を行った。出展者の中では、IHIエアロスペースやインターステラといった衛星打ち上げ(ロケット製造)企業が特に注目を集めた。また、官需に対応する従来の標準的なサイズの衛星と比べ、小型衛星に関してはより価格を重視して部品を選択する傾向がある中で、日本の中小企業が製造する衛星搭載用の通信機器や制御機器にも高い関心が寄せられていた。展示会で紹介された日本製の部品・コンポーネントの一部は、イベント中に立ち上げられたウェブサイト、「Makesat外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」でも引き合いが可能となっている。

会場風景

ものづくり産業課 福山豊和

見本市データ
見本市名 スモール・サテライト・カンファレンス2016
Small Satellite Conference 2016
開催期間 2016年8月8日(月曜)~11日(木曜)
※展示期間。カンファレンスは8月6日~11日まで開催。8日(11時00分~17時00分)、9日・10日(9時00分~17時00分)、11日(9時00分~12時00分)
初回開催年/開催頻度 1987年/年1回
開催場所 ユタ州立大学(米国・ユタ州ローガン)
出展商品内容 宇宙機器、宇宙利用サービス
出展者数 141社(15カ国)、うち日本から24企業・団体
来場者数 2,300人(40カ国・地域)
入場料 800ドル(早期割引、1日間のみ入場料あり)
事務局連絡先

ユタ州立大学
Sonya Warner, Exhibit Manager
Tel:+1-435-770-4159
E-mail:sonya.warner@usurf.usu.edu

主催者 米国航空宇宙学会、ユタ州立大学