見本市レポート 第16回テヘラン国際産業見本市

イラン最大級の産業機械見本市

ジェトロ参加報告

イラン・テヘラン
2016年10月5日(水曜)~8日(土曜) 

第16回テヘラン国際産業見本市 会場風景

第16回テヘラン国際産業見本市が、2016年10月5日~8日、イラン・テヘランで開催された。経済制裁緩和後、初の開催となった今回は、前回(2015年)と比べて国外からの出展者が315社から524社に増加した。全体では13カ国・地域から936社が出展、約7万5,000人が来場した。

経済制裁緩和を受けて国外からの出展社が増加

イランは、長年続いていた核開発にかかる経済制裁のため、産業機械を含む外国製品の輸入が制限されていた。そのため同国では、老朽化した産業機械の設備更新の需要が見込まれている。2016年1月に経済制裁が緩和された後、初めての開催となった本展示会には、イラン国外の企業から大きな関心が寄せられた。イラン国外からの出展者は315社から524社と大幅に増加し、特に中国パビリオンの出展企業数は前回の35社から約200社程度(※主催者公式発表なし)に急増した。また、台湾、チェコ、スイスが今回からナショナルパビリオンを設置しており、各国のイラン市場への関心の高さが窺われた。

日本製品への高い信頼と関心

ジャパン・パビリオンには26社の日本企業が参加した。イランでは日本企業・日本製品への人気が非常に高く、ジャパン・パビリオンは最もにぎわうブースの一つであった。出展者からは「数多くの来場者が足を止めていた」、「イラン企業の日本製品に対する関心の高さを感じた」といった声があった。

日本の中小企業も数多く参加

今回のジャパン・パビリオンでは26社のうち半数の13社が中小企業だった。イラン訪問自体が初めての企業から、事務所を既にイランに構えている企業まで、同国とのビジネス経験に差はあるものの、いずれの企業にとっても出展には収穫があったようだ。前回に引き続き出展したA社は、その時に発掘した代理店とともに出展し、エンドユーザーへの製品PRを行った。担当者の話によれば、10件程度の成約が見込まれるとのこと。B社は今回が初めての出展だったが、市場視察を通じて同国市場の可能性を肌で感じ、会期中に出会ったイラン企業と代理店契約を結ぶべく早速交渉を進めていくとのことだ。

米国によるイランへの経済制裁は一部緩和されたものの、米ドル決済の禁止などは解除されていない。加えて、欧州大手銀行がイランとの取引を再開しておらず、ユーロ決済も限定的だ。一方で、状況を見極めながらイラン企業とのビジネスを進めている中小企業も増えてきている。
2016年1月の経済制裁緩和以降、イラン市場は急速に変わりつつある。今回の見本市は、中小企業の強みである、スピードや柔軟性を活かしたビジネス創出の可能性を実感するものとなった。

テヘラン事務所 藤塚 理

見本市データ
見本市名 テヘラン国際産業見本市
Tehran Int’l Industry Exhibition
開催期間 2016年10月5日(水曜)~8日(土曜) 
10時00分~18時00分
初回開催年/開催頻度 2001年/年1回
開催場所 Tehran international Permanent Fairground
(テヘラン常設展示会場)
出展商品内容 産業機械全般(空調機器、輸送機器、建設機械、自動車部品、航空機部品、化学、建設、電気、電子、エネルギー、環境、工作機械、金属、包装、プラスチック、ポンプ、溶接、生産ライン、工具 等)
出展者数 936社(13カ国・地域)
来場者数 約7万5,000人(同時開催展を含む) ※主催者公式発表なし
入場料 20,000リヤル(約60円)
主催者 IDRO International Trading Co.
事務局連絡先 IDRO International Trading Co.
Tel:+98-21-22662765
Fax:+98-21-22662772
E-mail:info@idro-fairs.com