セミナー開催レポート 「効果的な商談を行うために」(2017年6月開催)

国際食品見本市に調査員を派遣し、来場者・スタッフ双方の行動を観察・インタビューして得られた、展示会で効果的な商談をするための17のヒントを、ステップ毎に紹介。ブース内のレイアウト、展示物、商品の配置、来場者とのコミュニケーション等について、良い例と悪い例を、写真も交えて解説しています。

売上に繋がるいい事例や課題が、多数紹介されています。ぜひ食品見本市に参加する際の参考にしてください。
※ジェトロが開催した「Food Expo 2017 出品者説明会」の講演の一部です。

概要・講演資料

主催 農林水産・食品課
日程 2017年6月7日(水曜)
講演内容 「見本市来場者・スタッフ行動観察調査からみた効果的な商談のためのヒント」PDFファイル(4.9MB)
講師 株式会社オージス総研 梶谷 美香 氏

動画(45分23秒) ※字幕・テキスト解説もご用意しています

テキスト解説を読む

テキスト解説:視覚障害のある方のための文字おこしテキストです。

JETRO food Expo(ジェトロ フード エキスポ)2017 出品者説明会

映像説明:
スライドが表示される。
『JETRO Food Expo(ジェトロ フード エキスポ)2017 出品者説明会
日時:2017年6月7日(水曜)10時30分~17時30分
会場:ジェトロ本部
登壇者:株式会社オージス総研 梶谷美香(かじたに みか)
講演内容:見本市来場者・スタッフ行動観察調査から見た効果的な商談のためのヒント』
一番下にジェトロとオージス総研行動観察リフレーム本部のロゴマーク。
映像説明:
会場。演台に黒いロングヘアの女性が立っている。白いカットソーに黒いジャケット姿。
梶谷さん:
えー、それでは皆さんこんにちは。
私「オージス総研」の梶谷と申します。本日40分ちょっとですかね、お時間頂きまして、ここで、お話しのほうさせて頂きます。
映像説明:
画面が3分割される。
右の大きな画面にスライド。左の小さな画面は2つに分かれていて、上にJETROのロゴマーク、下にマイクを握る梶谷さんを表示している。ロゴマークの下にはFood Expo2017出品者説明会と書かれている。
スライド:
『見本市来場者・スタッフ行動観察調査から見た効果的な商談のためのヒント 2017年6月7日』
ジェトロとオージス総研行動観察リフレーム本部のロゴマーク。
梶谷さん:
私のほうから皆さんにお話しをさせて頂くのはですね、こちらのスライドのタイトルどおりですね、「見本市来場者・スタッフ行動観察調査から見た、効果的な商談のためのヒント」ということで、実際来場者の方の目線で、いろいろと私たちのほうでですね、見本市を見させて頂きましたので、来場者の目線でこういうものが効果的なんじゃないかというものを共有させて頂きたいと思っております。
映像説明:
梶谷さんがスライドの表示を変える。
スライド:
『1.行動観察とは』
上に、説明と流氷を使ったイメージイラスト。
説明『アンケートやインタビューなど従来のリサーチ手法では引き出しきれない“無意識な行動"を、第三者の目で見ることで把握する手法。
※エネルギー関連の展示会、医療機器に関する展示会など多数実績あり』。
氷山のイラストを、水面から出た頭の部分、水面下の浅い部分、深い部分の3つに分けて表現している。
頭の部分に『アンケートやインタビューで把握が可能』の文字。
『顕在』『聞かれたら答えられる 自分で言葉にできる』と書かれている。
水面下の氷山の真ん中に『観察&解釈によって把握・導出が可能』の文字。
浅い部分に『潜在』『引き出されることによって言葉にできる』、
深い部分に『潜在』『自分が気付いておらず、聞かれても言葉にできない』と書かれている。

下に、説明とイラスト。
説明『心理学や人間工学など多様な専門分野、知見をもつリサーチャーがアカデミックな視点で調査を実施。』。
『人間工学』『エスノグラフィー』『環境心理学』『社会心理学』『組織心理学』『進化心理学』と書かれたそれぞれのイラストが並んでいる。

梶谷さん:
はい、ちょっと内容に入る前にですね、ちょっと簡単に弊社の紹介だけさせてください。
弊社オージス総研行動観察リフレーム本部といいます。基本的にですね、アンケートとかインタビューとかっていうマーケティングリサーチを主にしている部署でございます。で、その中の1つの手法として行動観察調査というのがございます。基本的にですね、アンケートとかインタビューっていうのは、誰か対象者の方に来て頂いて、その方に何か質問をぶつけて言葉で返して頂くというものです。なんですけども、人間というのは全部言葉で考えてるわけじゃないです。今日どういう風にここまで来たの?という時に、全部言葉で説明される方、できる方って、たぶん、いらっしゃらないと思うんですね。自分の行動全部を、全部言葉で説明してください。なぜこうしたのかというのを言うことは難しいと思います。それをですね、第三者の視点で、無意識な行動、なんで人間はこういう動きをするんだろうとか、なんでこういうところを見るんだろうというところを、第三者の視点で見て課題であったりとか、いい点というのを探し出す手法となっております。弊社の特徴としまして、リサーチャーの中にですね、心理学の知見を持っている者であったりとか、人間工学、人は何が見えやすいかとか、どういう風に言葉を書くと理解しやすいか、ユーザビリティー、使いやすさといったところの知識を持った者がですね、実際に現場に行って調査を担当して、そういう目線で実施するということが特徴になっております。ですので、今回以外にもですね、エネルギー関連の機器の展示会であったりとか、医療機器に関する展示会、いろんな展示会のほうですね、多数実績のほうがございます。
映像説明:
梶谷さんがスライドの表示を変える。
スライド:
『2.調査概要』
左に展示会の写真。企業ブースが通路を挟んで立ち並び、接客を行っている。

右に『来場者・スタッフ双方の行動を観察+インタビュー
目的:よりよいジャパンパビリオン運営及び、各ブースの売上に繋がるいい事例や課題の発見
調査員3名で会場内を回遊しながら観察を実施
観察視点:
【来場者はどのように行動しているか】
会場内を何を見ながら歩いているのか
何をきっかけにブースに立ち止まるのか
ブースでどのような行動をしているのか
【スタッフが来場者に対してどのような対応をしているか】
来場者へのアプローチ
ブースに来た来場者への対応の仕方と来場者の反応』

梶谷さん:
はい。で、今回実際にどういう見本市を見てきたかというのをですね、簡単に、ご説明させて頂きます。今回、来場者の方と、あとブースのスタッフの方、両方の動きというのをですね、観察と、あとは実際に、来場者の方にお声がけしてお話しを聞いたりとか、スタッフの方に、どうしてこういうことをしているのかと、お話しを聞かせて頂きました。で、今回、調査員3名で会場内をずっとぐるっと回って、調査、観察というのを実施しています。実際に見ている視点としては、本当にシンプルです。来場者の方は、どういう風に行動している、会場の中でどういう風に行動して、何を見て、どういう風に商品にアプローチしていって、スタッフさんとやりとりをしてるのか、というところを見ています。スタッフさんに関してもですね、来場者の方にどういう風に声かけしているのかとか、どういう風な立ち位置でいらっしゃるのかとか、そういうところを見させて頂いてます。
映像説明:
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スライド:
『2.調査概要』
上にイベント詳細や当日の天気、SIAL(シエル)のロゴマークが表示されている。

イベント詳細
見本市 SIALChina(シエルチャイナ)2017
日時:2017年5月18日(木曜)9~17時、5月19日(金曜)9~15時
※SIALChinaの会期は、5月17日~19日の3日間
会場:上海新国際博覧中心(Shanghai New International Expo Centre(シャンハイ ニュー インターナショナル エキスポ センター))

5月18日の上海の天気は晴れ、最高気温29℃、最低気温14℃。
5月19日の上海の天気は曇り、最高気温27℃、最低気温19℃。
『※気象庁ホームページより』。

下に会場配置図と、会場の外と中の写真。
三角形の広場を囲むように長細い建物がいくつも設営されている会場。
『#1Entry(シャープワン エントリー)』近くの建物『E2』に赤丸がついている。
会場の外の写真。人々が日陰で休んでいる。
会場内の写真。観覧車を模したカラフルなパネルが置かれたブースや、白くて高級感のあるブースの前を行きかう来場者。

梶谷さん:
実際に行ってきた見本市がですね、この間5月に開催されていた上海の「SIALChina(シエルチャイナ)」という見本市で、私たち、行動観察というのを行っております。なので、今度、皆さんが出品される香港と同じ中国ではあるかな、とは思います。実際に見させて頂いたのは、SIALChinaの会期自体は17日から19日の3日間だったんですけれども、そのうち2日間、ずっと会場内を回遊させて頂きました。
映像説明:
梶谷さんがスライドの表示を変える。
映像説明:
『会場内状況(ジャパンパビリオン及びその周辺)』
左右にジャパンパビリオンの写真。青いはっぴのスタッフのブースと、オレンジのはっぴのスタッフのブースが写っている。
中央に、会場の見取り図。
左右に4つずつ入り口がある長方形の部屋を50のスペースで区切っている。
2分の1以上のスペースを中国国内企業・団体のパビリオンが占める。
次いで多いのは台湾パビリオン。ジャパンパビリオンは会場の角に2スペース設置されている。

『ジャパンパビリオンは25社・団体が出品
1小間あたり3×3m
出品物は、水産物、飲料、アルコール飲料、調味料、加工食品、菓子
近隣には、台湾パビリオン、中国国内の企業・団体のブースが出品』

梶谷さん:
かなり広い会場でして、その中の一角に、ジャパンパビリオンというのがございました。この時はですね、25社25団体の企業様が出品をされていて、大体1コマ当たり、今回と同じような3×3の面積でやられていました。出品物は水産物、あと飲料、アルコール飲料、調味料、加工食品、お菓子というものが代表的な出品物だったかなと思います。あと近隣にはですね、ここはアジアの国が入っているホールということで、台湾のパビリオンと、あとは、残り半分はですね、中国国内のいろんな地域の企業とか団体のパビリオンが入っているというような状況でした。ジャパンパビリオンはですね、入り口の近くに位置していまして、かなり人通りの多い場所にあったかなと思います。このような状況でですね、ブースのスタッフさんの動きであったりとか、この辺りを回遊されてる来場者の方の行動というのを見させて頂きました。
映像説明:
梶谷さんがスライドの表示を変える。
スライド:
『効果的な商談をするためのヒント』
梶谷さん:
ではですね、本題のほうですね「効果的な商談をするためのヒント」に移らせて頂きます。
映像説明:
梶谷さんがスライドの表示を変える。
スライド:
『来場者の商談成立までの基本的な流れ』
基本的な流れを上から下に記した逆三角形に近い図。
1番上の枠に『ジャパンパビリオンの認知』と書かれている。
その下に青く塗りつぶされた枠『ブースの認知』、
青く塗りつぶされた枠『ブースへの関心』、
青く塗りつぶされた枠『商品への関心』、
青く塗りつぶされた枠『商品の理解・印象付け』、
『条件や納期等 詳細の確認・合意』、
底辺に黄色く塗りつぶされた枠『商談成立』。
枠の長さは下に行くにつれ短くなっている。

図の横の赤枠に『商談成立を増やすためには、どこか1つのステップだけではなく上位のステップから取りこぼしのないようにしていくことが必要です』と書かれている。
赤枠の下に『※観察で見られた「ブースの認知」~「商品の理解・印象付け」についてのヒントをご紹介します』の文字。

梶谷さん:
はい、ちょっと具体的な流れの前にですね、来場者の行動を見ていて、商談成立まで、大体こういう流れで進んでいくというものを整理しましたので、ご紹介をさせて頂きます。ホールへ入ってきてジャパンパビリオンがあるということを、まず気づいて頂くと、その中の何割かの方が、こういうブースがあるんだなって気づいてもらって、立ち寄ってもらう。で、こういうブースがあるんだなと気づいた方の中から、何か興味があるブースがあるなと思った方が、やっぱりその中の何割かが立ち寄ってこられて、やっぱりその中で、また何割かの方が商品に関心を持たれて、実際に細かく説明を聞いたりとか、そういうことをされる方がまた何割かいらっしゃって、その中でも商談に進んでいく方がいらっしゃるかなと思うんですが、これが逆三角形の図になっているのがですね、段々こう、人数が減っていくということを意味していまして、最終的に商談成立を増やすためにはですね、商品の説明、例えば商品の理解、印象づけとか、商品の関心を持ってもらうための施策をいくらやってもですね、根本的な改善にはならなくて、やっぱりたくさんのお客さんに、まずブースを認知して頂いて、そこからブースへの関心を引くものっていうのを、施策としてやっていってというような形でですね、上位のステップから、できるだけ取りこぼしのないようにしていくことが必要かと思います。先ほどですね、商談の内容であったりとか、具体的にどういうところに、関心があるかというのはですね、先ほどのプレゼンのほうでして頂きましたので、私のほうからはですね、来場者さんの目線でブースに、まず気づいてもらうところから、実際に商品の理解とか、あとは、記憶に残してもらうところ、そういったところまでの、この色がついているステップに関してのヒントを、ご紹介させて頂きます。
映像説明:
梶谷さんがスライドの表示を変える。
スライド:
『効果的な商談をするためのヒント一覧』

『ステップ1 ブースの認知
ヒント
(1)ポスターやパネルなどの掲示物は、遠くからでも見える大きさのものを壁面に貼る
(2)展示台だけでなく、目線より高い位置にも取扱い商品が分かる展示をする
(3)動線に沿って角度をつけた展示をする』

『ステップ2 ブースへの関心
ヒント
(4)来場者とのコンタクトを増やすオプションを用意しておく
(5)“日本らしさ"を伝えられるような服装をする
(6)通路に出てPRする際、展示台の横に立って来場者の方を向く
(7)来場者に対して呼びかけるときは、現地の言葉で呼びかける
(8)着ぐるみや試食などの演出は、目的を定めた上で行う』

『ステップ3 商品への関心
ヒント
(9)商品をひとまとめに展示する
(10)現地の言葉で商品説明をつける
(11)商品が試食・試飲できることがすぐ分かるようにする
(12)商品に関心を示した来場者にすぐ対応し、商品説明やニーズ把握をおこなう』

『ステップ4 商品の理解・印象付け
ヒント
(13)来場者を通路上で滞留させず、ブース内に引き込む
(14)商談テーブルやスペースなど、落ち着いて商談できる場所を確保する
(15)商品と連絡先をセットで記録・整理しやすい展示をする
(16)開催国・地域のトレンドや人気を取り入れたPRをする
(17)後日に具体的な商談ができるよう、来場者の情報や要望を記録する』

梶谷さん:
こちらがですね、効果的な商談をするためのヒント一覧として書かせて頂いております。先ほどのステップ、ブースの認知から商品への関心、商品の理解、印象づけというそれぞれのステップに3つから5つのヒントがありまして、全部で17個ヒントがあります。ちょっと駆け足にはなるんですけれども、1つずつご紹介のほうさせて頂きたいと思っております。
映像説明:
梶谷さんが『資料の見方』というスライドを表示させる。
梶谷さん:
はい、このページ以降ですね、それぞれ、先ほどあったタイトル。
映像説明:
梶谷さんがスライドを『効果的な商談をするためのヒント一覧』に戻す。
梶谷さん:
1つずつがですね、紹介させて頂くんですけれども。
映像説明:
梶谷さんがスライドを『資料の見方』に戻す。
梶谷さん:
その資料の見方を先にちょっと説明をさせて頂きます。
スライド:
『資料の見方』
中央に資料のサンプル、まわりにコメントが表示される。
資料は、一番上にヒントのタイトルとカテゴリを記したタグ、
タイトルの下、左に『展示会中に見られた行動や状況』、
右に『参考改善イメージ』、
一番下に『ポイント』が書かれている。

タイトルには『「効果的な商談をするためのヒント」タイトル』とコメントがついている。

カテゴリを記したタグには
『ヒントのカテゴリ
「レイアウト」ブース内のレイアウト
「掲示物」ポスター、パネル、チラシなどブース内に掲示してあるもの
「商品配置」商品の展示方法や置き方
「コミュニケーション」スタッフの接客や来場者とのやりとり』とコメントがついている。

『展示会中に見られた行動や状況』には写真と状況説明文が添えられている。
写真の一部が丸い枠で囲われていて、
『見本市中に見られた来場者・スタッフの行動や状況(課題)』とコメントがついている。

『参考改善イメージ』には写真と状況説明文が添えられている。
写真の一部が丸い枠で囲われていて、
『来場者に効果があったと見られる実施例』とコメントがついている。

『ポイント』は〇(丸)の後に説明が表示されている。
『〇:実施することで、どのような効果が見込めるか
△(三角):上記左側の行動を行った時のデメリット /実施する上での注意点』とコメントがついている。

梶谷さん:
まずですね。一番上に書かれているところが先ほどの一覧にもありましたタイトルというのがあります。あとはですね、各ページそれぞれ写真が貼ってあります。真ん中辺りに写真が貼ってあるんですけれども、実際に日本のパビリオンで見られた来場者の行動であったりとか、スタッフさんの動きというのを、実際の写真というのを持ってこさせて頂いてます。あとは状況説明をする文章とかもつけています。あとは右側のほうはですね、いい例ですね。こういう風にしてて来場者の方がよく立ち寄ってらっしゃったとか、そういうことを実際にやられてる例です。ここはちょっとイメージとして置かせて頂いてます。実際に、ジャパンパビリオンのものも、持ってきているものもありますし、ほかの国のパビリオンで参考になるものも、貼らせて頂いています。あとは一番下の、四角で囲ってあるところはですね、ちょっとポイントとして書かせて頂いていて、このタイトル、ヒントのタイトルを実施することで、どういう効果が見込めるかというところを、簡単に、端的ではあるんですけども、文章で書かせて頂いています。あとは三角がついているところは、その左側の写真ですね、実際にこういうことをしていなかった場合、どういうデメリットがあるかというところを書いてたりとか、あとは、そのヒントを実施するうえで、注意点を書かせて頂いているような形になっています。あとはですね、タイトルの横に、四角に囲われたタグがついています。カテゴリーを、いくつか分けています。レイアウトと、あとは掲示物の話と、あとは商品の配置の話と、あとはコミュニケーション、スタッフさんのやりとりですね。スタッフさんと来場者の方のやりとりとか、スタッフさんの立ち位置とか、そういったコミュニケーションのところという、4つのカテゴリーで分けさせて頂いています。
映像説明:
梶谷さんがスライドの表示を変える。
スライド:
『1 ブースの認知』
梶谷さん:
ではですね、それぞれ1つずつご紹介をさせて頂きます。まずはブースの認知のステップですね。まずブースに気づいてもらうために、どうしたらいいかというところで。
映像説明:
梶谷さんがスライドの表示を変える。
スライド:
タイトル『(1)ポスターやパネルなどの掲示物は、遠くからでも見える大きさのものを壁面に貼る』
カテゴリ『掲示物』

『展示会中に見られた行動や状況』
日本の企業ブースの写真。壁にたくさん貼ってあるポスターが丸い枠で囲われている。
説明文『後ろの壁面にポスターなど掲示物が多く掲示されているが、通路からは見えにくい』。
ブースの正面の展示台の上が丸い枠で囲われている写真。ペットボトルや缶入り飲料が陳列されている。
説明文『展示台の上にある案内は、展示台の前まで近寄らないと見えにくい』。

『参考改善イメージ』
ブースの壁面の大きなパネルのディスプレイが丸い枠で囲われている写真。パネルには商品の写真や中国語が書かれている。
説明文『通路からでも文字や写真が見える大きさのパネルが掲示されている』。

『ポイント
〇来場者が多くて展示台が見えなくても、ブース壁面に大きく掲示することで通路移動時や近隣ブースからなど、遠くからでもどのような商品を取り扱っているか認知してもらいやすい。
(1小間3メートルの奥行きのため、通路からでも見えるようにするためには3~4m先から見える大きさにすること)
〇漢字で大体の意味は通じるため、商品名やキャッチコピーが日本語でも構わないが、特に商品説明・特徴に関しては現地の言葉で記載してある方がよい。』

梶谷さん:
ここでは3つヒントがございます。まず1つ目、掲示物ですね。ポスターやパネルなどの掲示物は、遠くからでも見える大きさのものを壁面に貼りましょう、というような内容です。実際にですね、写真のほうを見て頂きたいのですが、左側と真ん中の写真ですね。左側の写真はですね、ブースの後ろに、壁面にポスターがいっぱい貼ってあります。なんですけれども、A4のものが貼られていたりとか、すごくいっぱい貼ってあるのは分かるんですけれども、通路から見て見えないというような状況になっています。あとは真ん中の写真ですね、丸で囲ってあるところ、こちらはですね、後ろの壁面にはあまり貼っていないのですが、実は展示台のところにポップがいっぱい置いてあったりとか、チラシがいっぱい置いてあったりします。なんですけれども、これも別に、よくないわけではないんですけど、こういうのを貼るのは大事なんですが、会場の状況を想像してみてください。会場はですね、すごくお客さん行き交ってます。すごく多くの方が、行き交ってます。そんな中で、ここは、どういうブースなのか、っていうのを気づいてもらわなきゃいけない。あと、来場者の方はですね、ずっと立ち止まって見てくださるわけじゃないんですね。歩きながら、ここって何があるのかなと見てらっしゃるので、できれば遠くからでも見えるほうが望ましいです。なので、いい例として、こちらも実際、ジャパンパビリオンでやられてた企業さんなんですけれども、後ろの壁面いっぱいに使って、大きなパネルを自分で作ってきて、貼られている様子がありました。こういう風に書かれていると、遠くからでもですね、どういう商品がここのブースにあるのかもすぐに分かりますし、あと、展示台の前に小さなポップを置かれてる場合は、展示台の前に、お客様が、来場者の方が来た時は、その後ろを通っている方には、何も見えなくなってしまうんです。なので、できればこういう形で、遠くからでも見えるものを貼っておくと、この前にいなくても、隣のブースの辺りからでも、何かあそこ、こういう商品があるんだなっていうのは、認知して頂けるという効果が見込まれると思います。実際1コマ3メーターぐらい、奥行きがあるということですので、通路からでも、見えるようにするために、3~4メーターから見える大きさの文字であったり、写真であったりというところを意識されるといいかなと思います。あとですね、中国は同じ漢字文化なので、大体漢字が書いてあったら何となく意味は分かると、おっしゃってたんですけれども、商品名とかキャッチコピーが日本語のところもあったのですが、特に商品説明とか、特徴というところに関しては、中国語で書いてないとちょっと意味が分からない、商品名だけじゃ、ちょっと伝わらないという風にも、インタビューしていたら、おっしゃってた場合もありましたので、そういうところはしっかり現地の中国語で記載してあるほうがいいかと思います。
映像説明:
梶谷さんがスライドの表示を変える。
スライド:
タイトル『(2)展示台だけでなく、目線より高い位置にも取扱い商品が分かる展示をする』
カテゴリ『商品配置』。

『展示会中に見られた行動や状況』
同じ展示台の写真2枚。
左側の写真は、展示台の上に陳列された商品が丸い枠で囲われている。
右側の写真は、来場者が展示台の前に立ち商品が隠れてしまった様子が丸い枠で囲われている。
説明文『来場者が立ち寄ると、展示台に置かれた商品が隠れてしまう』。

『参考改善イメージ』
左側に、壁面の棚一面に並ぶ商品が丸い枠で囲われている写真。
右側に、壁面を飾る商品の拡大模型が丸い枠で囲われている写真。
説明文『ブースの後ろの壁面にも商品が置かれており、来場者が展示台の前にいても商品が分かるブース(左:ポーランド、右:日本)』。

『ポイント
〇来場者が多くて展示台が見えなくても、取扱い商品が一目で分かる工夫をすることで、より多くの来場者に商品を認知してもらえる。
△かなり見上げるような急な角度や高さへの配置は適切ではない。
(人が歩きながら見上げやすい角度は、目線の高さを基準として、上に8~10度程度)』

梶谷さん:
はい、続いて2つ目ですね、今度は商品配置のお話になります。2つ目、展示台だけではなく、目線より高い位置にも、取り扱い商品が分かる展示をするということで、こちらも実際に見られた例ですね。左側の写真2つです。展示台の上に商品を置かれる、それはもちろんだと思います。ただですね、ここの展示台だけに商品が置いてあると、左側の右側のほうの写真ですね、女性の方が2人立ってらっしゃると思いますが、前に来場者の方が立ってしまうと、何の商品があるのかというのが全然見えなくなってしまうんです。それに対して、ほかのパビリオンと、あとはジャパンパビリオンでもやられていたんですが、ブースの壁面を使って、商品を展示されてるところもございました。右側のほうの写真の、左側のほうの写真は、ポーランドのパビリオンがこういう風に展示していらしたり、あとは一番右側の写真ですね、これはジャパンパビリオンのブースさんのほうでやられていたんですが、実際のお菓子の箱は、もっと小さいんですけれども、大きな模型を作って展示されてる様子というのがありました。来場者の方が多くて、展示台が見えなくなってしまっても、取り扱い商品が遠目で、一目で分かるような工夫をするということで、そういう、人が多い状況でも商品に気づいてもらいやすくする、というような工夫をされていました。あとですね、こういうことをやる時に注意点としてですね、ほかのパビリオンでもあったんですけども、かなり高い位置に、こういうことをされているパビリオンもあったんですが、あまりそういう、急な角度とか高さがある配置というのは、適切ではありません。なぜなら人間の傾向というか、体の仕組みとしてですね、人が歩きながら見上げやすい角度っていうのが、目線の高さを基準として、上に8度から10度ぐらいなので、本当に目線からちょっと上ぐらいが、歩きながら見やすい角度という風に言われていますので、あまり高いところにありすぎると、例えば展示台の前に立って、すごく高いところにあると、首をわざわざ上げないといけない。そんなところに気づくかっていうと、なかなか気づかなかったりしますので、高い位置にあるのはいいんですが、見えやすいところというのを意識しなければならない、というところは注意点です。
映像説明:
梶谷さんがスライドの表示を変える。
スライド:
タイトル『(3)動線に沿って角度をつけた展示をする』
カテゴリ『レイアウト』。

『展示会中に見られた行動や状況』
L字通路沿いのブースの写真。通路に両矢印が書かれている。
メイン通路である左側の通路に対し並行に商品を展示している。
説明文『ブースの角を使わないレイアウト(右側の通路から商品が見えにくい)』。

『参考改善イメージ』
L字通路沿いのブースの写真。通路に両矢印が書かれている。
左右どちらの通路からも見えるように置かれた展示台が丸い枠で囲われている。
説明文『ブース角に斜めに商品棚を設置している状況』。
通路に立ち並ぶカナダのブースの写真。
メープル柄の照明が丸い枠で囲われている。三角柱の形で、壁から斜めにせり出ている。
説明文『ブース上のメープルの照明に角度をつけている(カナダ)』。

『ポイント
〇角に位置しているブースは2つの通路に面しているため、どちらの通路からも商品が目に入りやすい展示をすると良い。
〇ブースが角に位置していない場合、案内サインや展示物が進行方向を見て正面にくるよう角度をつけて配置した方が自然と視界に入りやすい。』

梶谷さん:
あとは3つ目ですね。レイアウトの話になります。動線に沿って角度をつけた展示をする、というような内容です。こちらも写真を見て頂いたほうが早いのですが、ブースの中でですね、やっぱり、角(かど)に配置される企業さんもいらっしゃると思うんですけれども、ブースの角をうまく使ってください、通路の角とかパビリオンの角をうまく使ってくださいね、というところにもなるのですが、左側の写真ですね、通路に対して平行に展示台を置いています。こうなると、左側の通路からは商品がよく見えるんですけれども、右側の通路からだと、ブースの中が、あまり見えないんですね。せっかく通路が2つあって、そこも、お客さんが行き交っているのに、どっちかが、もったいない形になってしまっているので、そういう状況を避けるためにもですね、実際にこれも、ジャパンパビリオンの中でやってらっしゃるところがあったんですが、右側の写真ですね、ブースの角に対して斜めに商品棚を配置してらっしゃるようなブースというのがありました。こういうような展示をすると、やっぱり、どっちの通路を歩いている人からでも、見やすいような形になっていますので、目に入りやすいかなと思われます。基本的に、ショッピングモールとかでも、そうだと思うんですけど、通路に対して平行に看板を置いていると、あまり見てもらえないんですね。歩きながら首を横に動かして文字を読むって、結構、人間にとっては大変な動作になっていて、ショッピングモールとかであるのは、通路に対して斜めに看板を置いてあったりとか、横に看板を置いてあったりとか、そういうことをされていると思うんですけれども、それは、通路を通る人に早い段階から認知してもらうためにやってらっしゃるので、そういうことを応用して頂ければと思います。角のブースの方は、斜めに物を配置するというのも効果的ですし、角じゃないところにブースがあるような企業様も、そういう斜めに何か物を置く、例えばカナダの写真を入れさせて頂いているんですけれども、ちょっとこれは、パビリオン全体の作りにはなるんですが、何かこういう、三角形の物を置いて、どちらから来る方でも見えるようにというような、これは工夫をされています。それは、こういう看板だけじゃなくて、ブース内でも、こういうことはできるかなと思いますので、通路を通る方からパッと、すぐに見えるような角度で物を置くというのは、非常に重要かと思います。
映像説明:
梶谷さんがスライドの表示を変える。
スライド:
『2 ブースへの関心』
梶谷さん:
続いて、ブースに関心を持ってもらうための、いくつかヒントというのをご説明させて頂きます。
映像説明:
梶谷さんがスライドの表示を変える。
スライド:
タイトル『(4)来場者とのコンタクトを増やすオプションを用意しておく』
カテゴリ『掲示物』。

『展示会中に見られた行動や状況』
展示台で待機するスタッフの写真。ブースの前に人がいない。
説明文『展示台に商品を並べて来場者を待っている様子』。

『参考改善イメージ』
展示台の写真。QRコードのポスターが丸い枠で囲われている。
説明文『QRコードを読み取った来場者に商品サンプルの提供を始めた様子』。

『ポイント
〇商品を認知してもらい商談につながるチャンスが増えることにつながるため、少しでも多くの来場者に立ち寄ってもらうことが必要。
〇立ち寄る来場者が多いブースを観察し、良いと思った方法を積極的に取り入れるのはOK。
△サンプル提供で終わるのではなく、商品説明を忘れずにおこなうことが大事。』

梶谷さん:
1つ目ですね、掲示物の話なんですが、来場者とのコンタクトを増やすオプションを用意しておくという、これは実際にやられてたブースが1つか2つあったんですけれども、これは同じブースの、ちょっと違う日なんですけれども、左側の写真ですね。展示台に商品を並べて来場者を待っているんですけれど、あまり来場者がいらっしゃらないということで、スタッフの方がですね、独自に工夫をされていて、その次の日にですね、展示台に、こういう貼り紙を2つ付けましたということで、ほかのパビリオンで「QRコードを読み込むと、商品サンプルを差し上げます」ということをされていたので、ちょっとそれを応用しました。ということで、これをしに来られた方に商品説明をして、サンプルを差し上げる、というような形で来場者とのコンタクトを、うまく増やすような施策をされていました。やっぱりですね、待ってるだけじゃなくて、どうにかして来てもらいたいということで、やっぱり多くの方に、立ち止まってもらうような工夫、何か興味を持ってもらうような工夫というのは、これ以外にもあるかなと思います。あとはですね、立ち寄る来場者さんが多いブースというのは、やっぱり、ジャパンパビリオン以外でも、いろいろあると思いますので、そういうところも、このスタッフさんみたいにですね、積極的に回ってもらって、どういうことをされてて、お客さんが来てるのかというのを見て頂いて、そういう、いいと思った方法を積極的に取り入れていく、どんどん、どんどん工夫していくというのは、とてもよいことかなと思います。あとはですね、これは注意点として、サンプル提供で終わるんじゃなくて、商品を聞いて頂いた方にサンプル提供しますよとか、そういうような形でですね、きっちり何か興味を持って頂くような説明というのも非常に必要かなと思います。
映像説明:
梶谷さんがスライドの表示を変える。
スライド:
タイトル『(5)"日本らしさ"を伝えられるような服装をする』
カテゴリ『コミュニケーション』。

『展示会中に見られた行動や状況』
板前姿の男性が調理している様子を見に、たくさんの客が集まっている写真。
説明文『板前の服装のスタッフが調理の実演を行なっている(水産加工品のブース)』。
酒造ブースの展示台の横にはっぴ姿の男性が立っている写真。
説明文『フロントに立って、説明するスタッフがはっぴを着用している』。
浴衣姿の女性に勧められ、試飲している男性
説明文『浴衣を着た女性スタッフが日本酒の試飲を勧め、興味を持った来場者をブースまで案内する』。

『ポイント
〇パビリオンのしつらえだけでなく、ブースでも浴衣やはっぴ、板前の服装など“日本らしさ"がわかる服装も目を引きやすく、日本のブース・商品であるということが伝わりやすくなる。
△スタッフが自社ブースから離れた位置までPRしに行くと、注目は集めるがブースまで誘導しにくくなるため、ブース付近で実施した方が効果的。』

梶谷さん:
続いてちょっと、コミュニケーションですね。今回、出てらっしゃるブースさんの中で、日本らしさを何とか伝えようというような服装をされてるブースが、数多く見られていました。やっぱり、そういうようなブースにはですね、来場者の方も結構、興味を持ったりされる様子というのが、非常に多く見られてました。例えばですね、板前の格好のスタッフさんが、調理の実演をしてらっしゃるとか、あと、はっぴを着た方が、フロントに立って説明をされたり、商談をしたりするとか、あとはですね、浴衣を着た女性スタッフの方が、日本酒の試飲というような形で回っているというような形ですね。はっぴとか板前さんの格好、浴衣の格好みたいな、パッと見て日本らしさが分かるような服装をしてあげると、ここは日本の商品が、売ってるブースなんだというのが、伝わりやすくなるかなと思います。ただ、こういうことをやる時に、一点、注意なんですけれども、日本酒の浴衣を着たスタッフさんとかでも見られていたんですが、自社ブースから離れた位置に、どんどん、どんどん行ってしまう傾向があったりするんですね。試飲してほしいとか、どんどん人にコミュニケーション取りたいからというので、離れた位置まで行くことがあるんですけれども、そういった場合、やっぱり注目は集めるんですけど、離れたブースまで来てもらうというのが、より大変になりますので、ブース付近で、こういうのは実施したほうが、すぐにブースの商品に目を向けてもらいやすくなるかなと思います。
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スライド:
タイトル『(6)展示台付近での通路に出てPRする際、展示台の横に立って来場者の方を向く』
カテゴリ『コミュニケーション』。

『展示会中に見られた行動や状況』
展示台や陳列棚が通路に面しているブースの写真。
通路に背を向けて商品の整理しているスタッフが丸い枠で囲われている。
説明文『展示台や商品棚の前で来場者に背を向けて立っている』。

『参考改善イメージ』
L字通路前のブースの写真。
角の展示台のそばいる2人のスタッフが丸い枠で囲われている。
2人とも同じ通路の方を向き、もう一方の通路には背を向けている。
説明文『展示台のそばで来場者の方を向いて立つ
※一方のスタッフが背後の通路を向いていると、より良い』。

『ポイント
〇来場者の方を向くことで、来場者の様子を把握し、呼びこみしやすくなる。
(スタッフ間で役割分担し、1人のスタッフが通路に背を向ける場合は他のスタッフがカバーできる体制を作ることも重要)
△展示台や商品の前にスタッフが立ってしまうと、商品が来場者から見えにくくなる。
△背を向けて立つと、商品に関心を示しているお客さまを見逃すおそれがある。』

梶谷さん:
続けてですね、コミュニケーション。これもスタッフさんの立ち方のお話になるんですが、当たり前のようなんですけども、これ結構、意識的にやらないと難しかったりします。展示台付近での通路に出てPRする際、展示台の横に立って来場者さんのほうを向きましょう、というような内容です。何言ってるんだ、当たり前だろって思われるかもしれないんですけれども、やっぱり展示台で、試食してたりすると、何か作業をしたりとか、商品の補充をしたりという時に、どうしても、通路のほうを向かずに、通路に背を向けて作業される様子というのが見られています。ではなくて、そういうことをしていると、関心を持った来場者の方が通り過ぎてしまったりとか、スタッフさんが立ってることで、お客様が商品を見にくくなってしまうとか、そういうようなデメリットがあります。右側の写真はですね、展示台のそばで、常に来場者さんのほうを向いて立ってらっしゃるスタッフさんがいるブースがありましたので、ちょっと写真を載せさせて頂いてます。ただですね、これも、2人わざわざスタッフさんがいて、ちょうど角のブースなのに、一方の通路にしか向いてないのは、ちょっともったいないので、できればこういう風に2人スタッフさんがいるのであれば、両方の通路に向いて立っていると、よりよいかなと思います。やっぱり、こういうスタッフさんの動きですね、こういうのって意識してないと、各々(おのおの)がたぶんいいように、いいように動いていってしまうので、役割分担をしっかりして頂いて、全体の動きを見るスタッフさんとかっていうのを役割分担をして、スタッフさんが違う方向を向いてたら、ほかの方向もカバーできるように、というような形で、そういう体制を作ることも非常に重要です。
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スライド:
タイトル『(7)来場者に対して呼びかけるときは、現地の言葉で呼びかける』
カテゴリ『コミュニケーション』。

『展示会中に見られた行動や状況』
スタッフが来場者に説明している写真と来場者がブース前で試飲をしている写真。
説明文『中国語で呼びかけて商品に関心を示す来場者』。

『ポイント
〇中国語での呼びかけをきっかけにブースに立ち寄る中国人バイヤーは多い。
〇「中国語が通じるブースである」と認識してもらえると、質問したり交渉・商談などのコミュニケーションがしやすいことに対して安心していただきやすい。』

梶谷さん:
で、7番目ですね。来場者に対して呼びかける時は、現地の言葉で呼びかける、ということで、日本語で「いらっしゃいませ」と言う方もいらっしゃるのですが、中国人スタッフに、フロントに立ってもらって、中国語で呼びかけたりすると、これも中国人バイヤーさんとか、来場者の方にお話しを聞いていると、中国語が聞こえたから、どういう商品が売ってるのかなと、ちょっと気になって寄ったとか、ここは中国語が通じるんだなと思って寄りましたっていう風に、答えられる方がチラホラと見受けられました。やっぱり中国語が通じるブースであるという風に認識してもらえると、質問がバイヤーさんからあったりとか、交渉とか商談などのコミュニケーションが、非常にしやすいということで安心して立ち寄れる、ちょっと聞くにも聞きやすいということで、安心して来られる場合があったかと思います。ですので、できるだけ積極的に現地のスタッフの方、通訳の方お願いするのであれば、呼びかけて頂くということは重要かなと思います。
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スライド:
タイトル『(8)着ぐるみや試食などの演出は、目的を定めた上で行う』
カテゴリ『コミュニケーション』。

『展示会中に見られた行動や状況』
ブース前の通路の写真。
手にパンフレットを持った茶色いキャラクターの着ぐるみが丸い枠で囲われている。
説明文『着ぐるみで通路に出てパンフレットを配布する様子』。
板前姿の男性が調理している様子を見に、たくさんの客が集まっている写真。
説明文『寿司の調理実演により人だかりができている状況』。
商品が並ぶ展示台をはさみ、説明するスタッフと興味深そうに見ている来場者の写真。
説明文『展示台に試食は設置せず、バイヤーに説明中に試食をしてもらう』。

『ポイント
〇着ぐるみや調理実演、試食などは来場者の目を引き、印象に残りやすい演出である。
△着ぐるみは印象に残るが、パンフレット配布によるPRは、声を出せない上に視認性が悪く配布しにくく、効果は限定的。
〇調理実演や試食は、「来場者の興味をひくため」のものと「商品理解のため」のものがあり、前者は「まず体験し、その後説明する」、後者は「まず説明し、その中で試食してもらう」など、目的に応じたタイミングで行うこと。
△調理実演など動きのある演出を用意すると一時的に人は集まるが、黙々と調理するのではなく、商品特長や使い方などプレゼンをしながら実施することで、さらに商品に対して興味を持っていただきやすくなる。』

梶谷さん:
あとですね、演出。コミュニケーションの中でも演出、いろいろやられるところもあると思います。着ぐるみであったりとか、調理実演であったりとか、あとは試食ですね。そういう演出があると思うんですけれども、目的をしっかり定めたうえで、行いましょうというのは大事です。まず着ぐるみですね。着ぐるみで、この時も通路に出て、パンフレットを配っている様子というのがありました。着ぐるみ自体はですね、遠くから見て目立つので、例えばこういうキャラクターがいたブースだなっていう風に後々思い出して頂きやすい、認知して頂きやすいという点ではいいんですけれども、パンフレットとかチラシを配布するとなると、着ぐるみがそれをやるって結構難しいんですよね。声が出せないのでうまくPRができない。で、あとかつ通路のところでやると、ちょっと通行の邪魔になるということがあったりします。物産展みたいな、そういうイベントでやるのは効果的なのかもしれないんですけれども、着ぐるみをどう使うかというところは、たぶん考えて使って頂いたほうがよいのかなと思いました。あとは調理の実演とか、試食というのがございますけれども、調理の実演もですね、来場者の興味を引くためのものと、おそらく商品をもっと理解してもらうためのものと、2パターンあると思います。前者のほう興味を引くためのものであれば、まず食べてもらってとか、調理してるのを見てもらって体験してもらって、そのあとバイヤーさんが質問するとかいう流れになると思います。で、後者のほうですね、商品理解のためのものであれば、まず説明をしてもらって、その中で試食してもらうというような形で、どういう風に使うかで、行うタイミングっていうのが変わると思うんですね。で、実際にやられていたブースのほうでもですね、その2パターンが見られました。真ん中の写真のほうは、調理実演で人だかりができているということで、とりあえず試食をしてもらって、人に集まってもらうという風にされてました。右側のほうはですね、展示台に試食は置いてないです。実際、展示台の下の棚のほうに試食の箱が置かれていて、実際にバイヤーさんで来られて説明をされた方で、興味を示した方に試食をするというようなことをして、より商品の理解を深めるためにされているというのがありました。で、そこのどちらに、よりお客さんに集まってほしいためにやるのか、より深く知ってもらうためにやるのかっていうのは、企業さんごとで考えて頂いてやって頂けたらと思います。ただですね、調理実演などで、人に、やっぱり来てほしいということでやる時ですね、この時もそうだったんですけれども、黙々と調理をするのではなくて、商品の特徴とか使い方とかっていうのをプレゼンしながら調理をしてあげたほうが、ここもバイヤーさんと一般の方と両方来ていらっしゃったので一般の方も試食に来てしまう、そうするとバイヤーさんがなかなか近寄れなくなりますので、そういうところで先に特徴とか使い方とかプレゼンしながらやることで、後々そのバイヤーさんが質問をされたりとかアプローチしてこられる場合もありますので、そういう形で説明しながらやるほうが興味を持って頂きやすくなるという風に考えられます。
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スライド:
『3 商品への関心』
梶谷さん:
あと、実際にブースに来て頂いて。
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スライド:
タイトル『(9)商品をひとまとめに展示する』
カテゴリ『商品配置』。

『展示会中に見られた行動や状況』
L字通路沿いのブースの写真。正面と側面の展示台が丸い枠で囲われている。
説明文『ブースの正面と側面に分散して商品を配置(飲料と麺類)』。

『参考改善イメージ』
展示台の上が丸い枠で囲われている写真。様々な商品が並んでいる。
説明文『商品を一か所にまとめて配置』。

『ポイント
〇商品は可能な限り一か所にまとめて展示することで、来場者の注意を惹き、より多くの商品を認知されやすい。
△商品が分散して展示されていると、来場者に商品を気づいてもらえない可能性がある。
△商品数が多い場合は棚を使用するなどして、乱雑に見えないように注意する。』

梶谷さん:
商品への関心を持ってもらうステップなんですけれども、まず1つ目ですね、商品配置についてです。これも当たり前といえば当たり前なタイトルなんですが、商品をできるだけひとまとめに展示しましょう、というような内容になっています。これもですね、実際に左側の写真であったんですけども、角のブースでやられていた時に展示台が正面にあって、右側に、また違う商品を置かれてたブースというのがありました。お客様、来場者の方はですね、左側の正面の展示台にはよく寄られるんですけれども、右側のほうの商品に全然アプローチされてなかったということがありまして、できるだけ取り扱いしている商品が、全部、分かるように展示してあげることっていうのは、非常に重要かなと思います。やっぱり分散して展示されているとですね、気づいてもらえないというデメリットがありますので、できるだけ全部の商品が見えるように配置してあげることが重要かなと考えられます。
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スライド:
タイトル『(10)現地の言葉で商品説明をつける』
カテゴリ『掲示物』。

『展示会中に見られた行動や状況』
ラベル表示のないペットボトル飲料を種類ごとに陳列した展示台の写真。
説明文『ラベル表示のない飲料を展示台に並べている(商品名や説明もない状況)』。

『参考改善イメージ』
左側に、ラベル表示のない飲料が並ぶ展示台の写真。
中国語で値段を書いた紙や商品名を書いたテープが丸い枠で囲われている。
右側に、鮭フレークやイカのおつまみが並ぶ展示台の写真。
商品説明を中国語で書いた付箋が丸い枠で囲われている。
説明文『飲料名や商品説明を付箋に書いて商品の前に貼っている。
(写真左:飲料名、写真右:商品説明を記載)』。

『ポイント
〇商品価値を高める要素(産地や原材料など)があれば、積極的に記載してPRすることが望ましい。
〇味などの説明が難しい商品(日本酒など)は、イメージしやすい図表を使ったツールを用意しておくと便利。
△事前の商品説明や記載がなく試食や試飲を提供すると、予想外の味だった場合にネガティブな印象を持たれるおそれがある。』

梶谷さん:
はい、続いて、現地の言葉で商品説明をつけましょう、というような内容になっております。実際にありましたのがですね左側のほうの写真ですね。ラベル表示のない飲料を展示されてる、置かれてるブースさんというのがあったんですけれども、商品名とかどういう味の飲み物なのかとか、説明とかが一切なかった状況で1日目やられていて、あまり、お客様、来場者の方が立ち寄られないというような行動が見られていました。で、その次の日ですね、行ってみるとですね、これはちょっと付箋にはなっていたんですけれども、付箋でこれはリンゴジュースとか、これは何々ジュースとか、そういう本当に基本的な商品名をちゃんと現地語で書いていらっしゃるという、そういう基本的なところも、本当は事前に用意して頂ければと思うんですけれども。それに加えて一番右側の写真では、例えば鮭フレークですね。鮭フレークというのが何なのかがパッと見て分からなかったので、鮭を乾燥させたものを砕いていますっていう説明を付箋でつけるみたいなことをされてました。あまり中国でなじみのない商品とか、あまり、こうパッと見て商品を見ただけで理解しにくいものに関しては、後々、現地語で、現地の中国語で付箋をつけるなどの工夫をして、見やすいようにされてました。できるだけ、こういうものは本当は事前に作っておくほうが望ましいんですけれども、当日、ちょっと ここ説明が足りないと思うのであれば、こういう形でどんどん工夫を加えるのも、より分かりやすさにはつながりますので必要かなと思います。あとはですね、試食何か物を試食される時もですね、事前に商品説明とか記載がない状態で試食とか試飲をして頂くと、例えばブースさんの中で、ひら天みたいな魚の練り物みたいなのを出されてるところがあったんですけれども、魚の練り物というのが、中国では、あまり一般的じゃないという風におっしゃっていて、分からない状況で試食を差し出されて食べて、なんかよく分からないなって首をかしげていらっしゃらなくなった方というのがいらっしゃいました。なので、あまりそういうなじみのない食べ物に関しては、事前に商品説明であったりとか、こういう食べ物なんですよというのを説明したうえで食べて頂いたほうが、そういうネガティブな印象を持たれないと思いますので、そういうところは気をつけて頂ければと思います。
映像説明:
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スライド:
タイトル『(11)商品が試食・試飲できることがすぐ分かるようにする』
カテゴリ『商品配置』。

『展示会中に見られた行動や状況』
展示台の上に空のコーヒーサーバーやドリッパーが置いてある写真。
説明文『コーヒーサーバーは空で試飲できるかどうか不明』。

『参考改善イメージ』
試飲を行う展示台の写真。ずらりと並ぶ紙コップが丸い枠で囲われている。
説明文『紙コップを並べて試飲できることをPRする』。

『ポイント
〇すぐに試飲・試食できる雰囲気を出しておくことで、来場者が立ち寄りやすくなる。
△コーヒーや麺類など調理が必要なものは、作り置きを提供するとネガティブな評価を与えるおそれがあるため注意。
(作り置きできないものは、「すぐに試飲できます」など、掲示物などで試飲・試食が可能であることを伝える)』

梶谷さん:
あと、商品配置で大事なことですね。試食、試飲をされるところも多いと思うんですが、すぐ試食、試飲できるものなのかっていうのは、分かるようにしてください。これも展示会中に見られた行動なんですけれども、例えばコーヒーを試飲するということで、中国のほうでは、中国のコーヒーがあまりおいしくないとおっしゃってて、日本のコーヒーだから試飲してみたいという形で、立ち寄られる方っていうのは非常に多かったんですけれども、実際にコーヒーサーバーが空の状態で置かれていて、これは試飲できるものなのか、どうなのかっていう形で、前で1回立ち止まって見てみるんだけれども、スタッフの方が何も言わないので立ち去る、みたいな形の行動も見られていました。それに対して右側のほうの写真ですね、これも飲料、アルコールであるとかジュースを並べられていたんですけれども、紙コップを並べているんですが、空の紙コップをあらかじめ並べられてました。空の紙コップを並べていて、来場者の方が前に来たら、どれか飲んでみますか?と聞いて、そこで注いであげるというのをされていて、これはすぐに試飲できるというのが何も書いてはいないんですけれども、すぐに分かるような状況になっていました。ただですね、こういうコーヒーサーバーが空というのは、確かに、たぶん理由があると思うんですね。コーヒーって作り置きしておくと苦くなったりとか、風味が飛んでしまったりするというところもあると思うので、作り置きしてしまうとネガティブな評価を与える恐れがあるかなと思うんですけれども、空にしておくのであれば、例えば、すぐに試飲できますとか、ここですぐドリップができますとか、そういうような形で掲示物とかでカバーをしてあげることはできると思いますので、こういうことで試食とか試飲できることが、すぐに分かるようにするというのは大事です。
映像説明:
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スライド:
タイトル『(12)商品に関心を示した来場者にすぐ対応し、商品説明やニーズ把握をおこなう』
カテゴリ『コミュニケーション』。

『展示会中に見られた行動や状況』
商品を見ている来場者が丸い枠で囲われている写真。周りにスタッフがいない。
説明文『来場者が商品に関心を示しているが対応者がいない』。

『参考改善イメージ』
説明しているスタッフが丸い枠で囲われている写真。来場者が商品を見ている。
説明文『商品に関心を持った来場者にすぐ声をかける』。

『ポイント
〇短い時間の中で来場者のニーズ(商品の何を知りたいか、商品のどこに関心を持っているか)を把握する。
〇ニーズに合わせて商品の価値をしっかり説明する。
△スタッフからの声かけや説明がないと、潜在的なお客さまを逃すおそれがある。』

梶谷さん:
はい、あとはですね、これもスタッフさんの動きでありがちだったんですけども、商品に関心を示した来場者の方にすぐ対応して、商品説明とかニーズ把握をしてくださいという当たり前といえば当たり前なんですが、しばしば見られていたのがですね、来場者の方が商品に関心を示しているのに対応する方がいないとか、スタッフさんが、ずっと後ろで座ってしまっているとか、そういうことがしばしば見られていました。ですので、短い時間の中でですねやっぱり、こう、ちょっとでも商品に関心を持ってもらった方には積極的に話しかけて、一般客の方なのかバイヤーさんなのか、見分けがつくのかつかないのかというのは難しいかもしれないんですけれども、いったん声をかけてですねニーズであったりとか、どういうものに興味を持っているのかというのは、聞いてあげることは非常に重要ですし、そこから話しが進むこともあると思います。
映像説明:
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スライド:
『(4)商品の理解・印象付け』
梶谷さん:
あとはですね、続いて…すいません。次のステップですね、最後、商品の理解、印象付けということで、より深く商品を知って頂いたりとか、記憶に残して頂くためにどうするか。
映像説明:
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スライド:
タイトル『(13)来場者を通路上で滞留させず、ブース内に引き込む』
カテゴリ『レイアウト』『コミュニケーション』。

『展示会中に見られた行動や状況』
通路沿い一面に展示台を並べているブースの写真。通路の人だかりが丸い枠で囲われている。
説明文『ブース前に来場者が滞留し通路が混雑している様子』。

『参考改善イメージ』
正面の一角に展示台があるブースの写真。
展示台にいる来場者が丸い枠で囲われ、矢印がブースの中を指している。
説明文『試食をきっかけにブースに誘導する』。
L字通路沿いのブースの写真。
商品棚は角の方を向いており、通路とブース内の両面から商品を見ることができる。
ブース内で商品案内を受けている来場者が丸い枠で囲われている。
説明文『来場者をブース内に案内し、商品説明を行う』。

『ポイント
〇展示台の商品(または試食・試飲)に関心を持った来場者をブース内に引き込むことで、周囲を気にすることなく説明・商談ができる。
△ブース前が混雑すると、状況によって他の通行者の動線を妨げたり、ブースを回避または通過される可能性がある。』

梶谷さん:
ということで、13番ですね、これはレイアウトの話でもありますし、スタッフさんの運用、運営の仕方でもあると思うんですが、来場者の方を通路上で滞留させないで、できるだけブース内に引き込んでください。左側の写真でも見られていたんですが、このブースの前に、来場者の方がものすごく滞留してます。ここはですね、ここの通路の前のブースさんはですね、大体が展示台をブースの一番前に置いて、裏のスペースは全部スタッフさんが試食の準備をしていたりとか、スタッフさんが休憩をしたりとかそういうスペースで使っていて、フロントだけで常に運用されているようなところでした。ですので、商談をしたりとか、立ち止まって質問をしたりするところも全部ブース前の通路でされてました。で、これでちょっと問題なのがですね、やっぱり人が多い中で商談をしてしまうとですね、人間て周りがうるさいと集中できなくなったりとか、あとはやっぱり商談してる中で、横から割り込んでこられる方とかもいらっしゃるので、落ち着いて話が聞けないんですね。周りもガヤガヤしてるから声が聞こえなかったりとか、コミュニケーションがうまくできない場合があります。それに対してうまく運用されてるブースさんは、1コマのブースさんでも、2コマのブースさんでもやられていたんですけれども、例えば展示台フロントのところで試食をしてもらいますと、それをきっかけに、ほかの商品もあるんですよっていうような形で、ブースに案内するスタッフさんがフロントに立っていると。で、中で商品を見ているお客さんに対して、違うスタッフさんがまた声をかけて商品の説明をしたりとか、商談をしたりということをされてました。こういう風にするとですね、ブースにいて滞在して頂く時間も長くなりますし、その間スタッフさんとずっと一対一で話しができるような状況を生むことができます。あとは、一番右もですね、1コマのブースさんのほうでやられていたのが、これも来場者の方をブースの中に案内できるような仕掛けになっています。前のほうでもご紹介した、角で斜めに棚を配置していらっしゃるところですけども、棚の両面にですね、商品を配置してらっしゃっていて、外からでも商品が見れるようになっていて、外のお客様が…、外に来場者の方がいた場合は、今度は中に案内をして、中の裏側で、また商品説明をできるようにという形で二面で商品説明できるような形をされていました。ですので、やっぱり関心を持った方はですね、落ち着いて商談できるようなスペースに案内するとか、そういうような運用、運営をするというのは非常に重要です。
映像説明:
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スライド:
タイトル『(14)商談テーブルやスペースなど、落ち着いて商談できる場所を確保する』
カテゴリ『レイアウト』『コミュニケーション』。

『展示会中に見られた行動や状況』
飲み物やゴミが置いたままのテーブルと椅子の写真。
説明文『商談スペースがスタッフの休憩用のスペースとして利用されている』。
展示台前の通路でスタッフが来場者に説明をしている写真。
説明文『商談は展示台付近で行い、ブース内のテーブルは試食の準備に使用されている』。

『参考改善イメージ』
正面に展示台があるブースの写真。
奥のスペースで行われている商談の様子が丸い枠で囲われている。
説明文『商談スペース周辺は物を少なくし、いつでも商談できるようにしている。商談もじっくりと時間をかけて詳細を確認している様子』。

『ポイント
〇落ち着いて商談していただくためには、いつでも商談できるスペースや環境を確保しておくことが重要。
△商談テーブルでスタッフが休憩することがあっても構わないが、飲み物や昼食の容器・ごみなどが放置したままにならないよう注意する。常にいつでも使えるきれいな状態を保っておくこと。』

梶谷さん:
続いて、これも似たような内容ではあるんですけれども、商談テーブルとかスペースなど、落ち着いて商談できる場所というのは確保しましょう。先ほども言ったようにですね、通路でお話しをしてしまうと、ほかの来場者の方にぶつかったりとか、声が聞こえないというのもありますけれども、展示台の前で商談が始まってしまう、質問が始まってしまうと、その分のスペース、ほかの来場者の方が、商品を見えなくなってしまうんですね。ですので、できるだけ商談テーブルとか、商談スペースとかは活用して頂いて、ちょっと話しが長くなりそうであれば、そちらにご案内するとか、そういった形でより多くの来場者の方に商品を見て頂く機会をもうけるのは、非常に重要です。あとはですね、よくジャパンパビリオンでも、ほかのパビリオンでも見られていたんですが、商談テーブルでスタッフの方が休憩をするとか、お昼を食べるというのはよく見られます。なんですけれども、それは別に構わないんですが、飲み物とか昼食の容器とか、そういう何かゴミが放置したままになっているブースさんというのも、ちょっと、たまに見られたりしましたので、やっぱりいつでも使えるように、きれいな状態に保っておくことというのは大事かと思います。ジャパンパビリオンの中でもですね、一応ここでご飯を食べているんだけれども、体半分は倉庫スペースというんですかね、そういうところに顔を突っ込んで食べてらっしゃるところもいて、そういう裏側を見せない工夫をしているところもございました。
映像説明:
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スライド:
タイトル『(15)商品と連絡先をセットで記録・整理しやすい展示をする』
カテゴリ『掲示物』『コミュニケーション』。

『展示会中に見られた行動や状況』
大きな紙袋をいくつも肩にかけ、手にパンフレットを持った女性来場者の写真。
説明文『手にパンフレットやスマホなどを抱えている来場者』。

『参考改善イメージ』
商品が掲示された壁の写真。
会社や担当者名、問い合わせ先が書かれた紙が丸い枠で囲われている。
説明文『ブースの壁に現地問い合わせ先を表示している状況』。
名刺がホチキス止めされたパンフレットの写真。
説明文『パンフレットに名刺をホッチキス止めしている状況』。

『ポイント
〇商品とセットで壁面などに連絡先を表示しておくと、スマホのカメラで記録できるため、名刺やパンフレットが不要の来場者にとって手荷物にならない。
△名刺とパンフレットを別々に展示台に置くと、来場者がカバンに入れた際にばらけてしまうため、ホッチキスで留めたり専用のクリアファイルに入れて配布するなどの工夫が必要。
〇現地販売サイトのQRコードなどを表示するのも可。』

梶谷さん:
続いてこれは、掲示物とコミュニケーションなんですけれども、あとで来場者の方が商品であったりとか、連絡先というのを思い出して頂きやすい、保存して頂きやすいような工夫になっています。商品と連絡先をセットで記録整理しやすい展示をしましょう、というような内容です。来られた来場者の方、一般客の方もそうですが、来場者の方もそうなんですけれども、パンフレットとかを結構いっぱい持ってらっしゃる方も多いです。チラシもいっぱいいろんなところでもらってる。名刺もいろんなところでいっぱいもらってる。あとは中国の方は、来場者の方でよく見られた光景が、商品と名刺をこうやってかざしてスマホで撮るというのをされてるんですね。この名刺、もらった名刺が一体どの商品なのかというのを結びつけられるように写真で撮っている。ジャパンパビリオンはわりと名刺単体で渡されるところも多いんですけれども、やっぱりほかの名刺と混ざってしまうので、これは一体どこの商品なのかというのが、あとで思い出しにくくなってしまうんですね。ですので商品と連絡先を並べて写真が撮れるように展示をされてる、問い合わせ先を表示されてるようなブースもございましたし、あらかじめチラシとかパンフレットに名刺をホチキスどめして渡されるところというのもございました。
映像説明:
梶谷さんがスライドの表示を変える。
スライド:
タイトル『(16)開催国・地域のトレンドや人気を取り入れたPRをする』
カテゴリ『コミュニケーション』。

『参考改善イメージ』
スマホアプリの画面。アイコンの横に、コメントや投稿写真、スタンプが表示されている。
説明文『中国版LINE(ライン)の微信(ウェイシン)』。
商品が並ぶ展示台の写真。ディスプレイのくまモンのぬいぐるみが丸い枠で囲われている。
説明文『中国で人気のくまモン
※(Google Play サイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますから引用)

『ポイント
〇その国で何が流行っているかリサーチし、うまく活用することで効果的なPRが可能。
〇名刺交換と一緒に微信IDを交換することで、後日微信を通じた企業からの情報発信ややりとりが可能。
△常時スマホを操作して見ていることがないように注意する。』

梶谷さん:
はい、あとは16番目ですね、これもコミュニケーションなんですけれども、開催国地域のトレンドや人気を取り入れたPRをするということで、先ほどもスマホでよく写真を撮られてたという風に申し上げましたけれども、中国の方はすごく携帯でやりとりをされることが多いです。日本でもLINE(ライン)とかはやってるんですけど、中国ってLINEとかTwitter(ツィッター)とか、全部規制されてるんですね。その代わりに「ウェイシン」という中国版LINEみたいなものが重宝されていて、日本版のLINEと違うのが、それで決済ができたりするとか、あとは企業さんから直接DMを送ることができるとか、そういうようなことをされているということで、来場者の方でも中国人のスタッフの方とウェイシンのIDを交換しましょうとか、そういう形で名刺交換をもっとスピーディにするとか、あとで連絡送りますねみたいなやりとりをされてることが非常に多かったです。あとはですね、ただ今、上海でくまモンが人気だということで、熊本の商品を扱ってるブースであったりとか、そういうところは、くまモンをできるだけ前面に出したりして、お客様の印象に残すようなことをされていました。ただですね、スタッフの方がウェイシンを交換してるのは、非常によく見られた光景なんですけれども、一点、注意頂きたいのがそのあと何か処理をしてるのか、結構フロントに立ってるスタッフの方がスマホを常に見てらっしゃることが多いんですね。そのあと、何かやりとりをしてるのか、処理をしてるのか分からないんですけれども、そういうことをされることというのが見られていて、やっぱり来場者の方から見てなんでスマホ触ってるのかなって思われることもありますので、そういう場合はスタッフの方にあとで処理をするスタッフの方とフロントに立つスタッフの方と役割分担をするとか、その都度交替するとか、そういうような形でですね、フロントに立つ方はできるだけお客様、来場者の方とコミュニケーションをして頂くということを重視して頂ければと思います。
映像説明:
梶谷さんがスライドの表示を変える。
スライド:
タイトル『(17)後日に具体的な商談ができるよう、来場者の情報や要望を記録する』
カテゴリ『コミュニケーション』。

『展示会中に見られた行動や状況』
ブース内で、ひとりパンフレットを見ている来場者が丸い枠で囲われている写真。
周りにスタッフがいない。
説明文『名刺交換をした後、スタッフからのフォローがない様子』。

『参考改善イメージ』
展示台でメモを取るスタッフの写真。手元が丸い枠で囲われている。
説明文『名刺交換後、その場で来場者の情報や要望を用紙に記録する様子』。

『ポイント
〇来場者から、プライスリストやJANコードの求めがあった際に、すぐに提供できる準備をしておくことが望ましい。
〇もらった名刺と来場者の情報をセットにしておくことで、後日の連絡がスムースにおこなえる。
△最初から「名刺交換さえできれば良い」という意識だと、商談意欲が高まっている人へのフォローが疎かになる可能性がある。』

梶谷さん:
あとはですね、これはある企業さんがやられてた工夫なんですけれども、後日、具体的な商談ができるように、その場で商談が全部成立するわけではないという風に、先ほどもおっしゃっていたんですけれども、後日、具体的な商談ができるように、紙に全部残すとか、来場者の方の情報をですね、例えば外見こういう方でこういう風なお仕事をされていて、要望はどういう風だったかというのを元々フォーマットか何かを用意しているということで、全部話した方一人ずつ記録に残してらっしゃる様子というのがありました。プライスリストとかJANコードみたいな、そういうものを聞かれた場合に、何を聞かれた、どういうことを話したということを全部残してらっしゃる様子というのがございました。あとはこれを名刺であったりとか、そういう貰った物の情報と一緒に保存をしておいて、後日、連絡できるようにするという風におっしゃってました。やっぱりブースの中では名刺交換ができればOKとか、ウェイシンのIDがある程度交換できればいいぐらいな形で、回転を早くしてらっしゃるブースもあったんですけれども、やっぱり、こういうような後々のために情報を残しておくことは、非常に重要ですので、この辺りもしっかりやって頂ければと思います。いろいろと皆さんのほうが、やっぱり経験が豊富でいらっしゃるので、当たり前かと思われることも非常に多かったと思うのですが、やっぱり実際に現場で動いていると、作業に必死になったりとか、来場者の方とのやりとりに必死になることっていうのは、やっぱりあってしまって、周りを見る余裕がなかったりとか常に意識していないと出てくる無意識な行動だったりしますので。
映像説明:
画面が梶谷さんの映像に切り替わる。
梶谷さん:
気をつけて頂ければと思います。すいません、長い時間ご静聴頂きましてありがとうございました。
映像説明:
梶谷さんがお辞儀をする。

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