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ハードとソフトの調和でアジアの部品メーカーを支える

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甲西高周波工業株式会社

高周波熱処理技術を有する甲西高周波工業は、熱処理需要の高まるタイ、インドネシアでのビジネスに成功し、さらなる海外展開を模索する。ミッションで多角的に情報を収集し、2010年にフィリピン・ベトナムへの進出を決定した。

滋賀県湖南市 <海外進出> 対象国・地域:インド、インドネシア、シンガポール、タイ、フィリピン

高周波熱処理で中小企業の活性化に貢献

甲西高周波工業は、1983年に滋賀県湖南市、1992年に三重県津市、1993年にはタイ、2006年にはインドネシアに工場を開設し、2009年度の年間売上高は連結で12億円に上る。

同社が採用する高周波熱処理技術は、鉄鋼部品や機械部品の耐摩耗性や耐疲労性を向上させるという利点を持ち、現在では自動車、家電、産業用工作機など多岐にわたって採用されている。また、耐摩耗性や耐疲労性の向上により、部品の大きさを3分の2程度にすることができるため、省資源、省エネにもつながっている。

中でも同社の強みは、高周波誘導加熱装置の製造販売メーカーでもあるばかりでなく、高周波焼入の加工業社でもあるということだ。すなわち、ハードとソフトの両方の知識・技術があるため、より高度な製品開発ニーズに対応でき、より歪みが少なく、より短時間で、他社が手を出せない難しい熱処理加工を行うことができる。これらの強みを持つことで取引先との信頼関係が深まり、専門の営業担当者を配置しなくても口コミで顧客数が拡大していった。

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進出国における熱処理需要は急増中

同社がタイに進出する以前、ある取引先から「日本からタイに進出した自動車やオートバイ部品メーカーが、熱処理する会社がなくて困っている」という話を聞いた。これが、タイ進出を検討するきっかけとなり、オートバイ部品のブレーキディスクやスプロケットを製造販売するサンスター技術からタイ進出を要請されて正式に投資を決めた。

進出した1983年当時は、500坪程度の広さの小さな工場であった。最初の1年は期待通りの受注を獲得できず苦しい時期を経験したが、いくつものオートバイ部品メーカーを訪問するうちに熱処理の需要は確実にあると感じ取り、我慢強く活動を続けた。

徐々に顧客数は拡大し、2001年にはチョンブリ県シラチャーに新たに工場を開設するに至った。

その後、顧客数はさらに増え、日系企業のみならず現地企業とも取引をするようになった。今では、タイの高周波熱処理の90%を押さえるまでになり、5,000坪と3,000坪の工場を擁して自動車、オートバイ、農機具の部品を中心に大きく事業展開している。

また、2005年にはオートバイ部品メーカーの要請があってインドネシアにも進出し、2,400坪の工場を設立した。インドネシアは、リーマンショックの影響も無く、売上は順調に伸び、取引先から熱処理の要求が増えているため、近いうちに工場に拡張を行う計画である。

鮮度の高い情報が投資意思決定の重要な鍵

同社は、中小企業は縮小する国内市場にしがみつくことなく、海外に活路を見出す必要があると考えており、タイ、インドネシアにとどまらず、今後も海外展開を拡大していく計画である。1999年からはジェトロのミッション(シンガポール、タイ、フィリピン、インド)に継続して参加し、独自に情報収集を積み重ねた結果、2010年中にはフィリピンとベトナムに進出することを決定した。

同社がジェトロのミッションに参加する理由は、各国の首相や大臣から直接話しを聞く機会があり、その国の進む方針や考え方を知ることができるためである。また、自社が携わる自動車やオートバイ業界の企業以外の企業見学や情報交換により、その国の全体像をつかむことも参考になる。また、同社は投資ミッションだけでなく、海外出張時にはジェトロの海外事務所を訪問し、現地の投資アドバイザーなどから最新の情報を得ることを心がけている。銀行・商社の情報と、ジェトロからの情報をうまく使い分け、独自に分析してきたことが、同社の海外進出・海外事業展開の重要な鍵となっている。

ご利用いただいたジェトロのサービス

甲西高周波工業株式会社

滋賀県湖南市中央3-15-3
TEL:0748-72-2008
http://kdgnet.com/
設立:1983年
従業員:37名

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