株式会社一煉
米国Amazon上での商品の魅せ方にこだわり、初の輸出成功
株式会社一煉は、イラストの描きやすさにこだわったタブレット用液晶保護フィルムのEC販売を行っている。国内Amazonで培った売上向上のノウハウをもとに、2023年JAPAN STOREを通して初の海外販売に挑戦。
広島県広島市 ウェブサイト
- 展開国・地域:
- 米国
- 事業内容:
- 生活雑貨の企画・開発、輸入、および通信販売
自社商品の強みを活かし、海外消費者からも選ばれる商品を販売
もともと国内Amazonで販売していた商品が海外消費者からも購入されることがあり、その際に他社のフィルムよりも自社のペーパーライクフィルムの書き心地が良いと好評をいただいたことがありました。自社の商品が海外でも通用するという確信と、以前からアメリカで商品を販売したいという気持ちがあったため、JAPAN STOREをきっかけに米国Amazon販売に初挑戦しました。
海外Amazon出品に挑戦するにあたり、出品する前に市場調査として、競合の類似商品を購入してクオリティや裏面表記の記載内容を確認しました。また、JAPAN STOREへの参加によりAmazonの担当者から市場動向の感触を聞けたことで、出品予定商品が米国EC市場でどの程度売れるかをイメージすることができました。また、他のAmazon出品事業者とネットワーキングもしながら市場調査をしています。こうした取り組みを通じて、自社商品の価値や、競合商品との差別化ポイントを検討して、ターゲットや戦略を明確化したうえで米国市場に参入したことで、海外Amazonでもスムーズに売り上げを出すことができました。
商品パッケージは、海外市場に合わせつつも日本らしさを残すことを意識しています。例えば、日本製であることや商品の訴求ワードはあえて日本語で、商品の機能や使用方法の説明書きは英語で記載しています。また、自社と競合の商品を比べて、パッケージの裏面のラベルなどを参考にしています。パッケージ案をいくつか作成後、外国人にどちらのパッケージがより購入したいと思うか、ABテストを実施しています。さらに、売り方も海外市場に合わせており、国内向けには1枚のみで販売しているところ、セット販売が主流である海外市場向けには2枚セットで販売し、消費者が購入しやすいようにしています。
商品ページを充実させることが、売上向上の第一歩
ECでは商品ページが「営業マン」の役割を果たすため、商品ページの作成には十分なリソースを割いています。商品ページの説明文は、Chat GPTを活用し、作成しています。また、特に競合が多い市場であれば、その分商品画像を工夫し、「Aプラスコンテンツ」等のAmazonブランド構築プログラムを活用しました。商品ページを充実させることが売上向上には必須のポイントです。
商品ページの作成後は、費用を投入して広告の利用や、商戦イベントへの参加を通じて、ユーザーの流入を増やす工夫をしています。自社が販売している商品はクリスマスなどの年末に売り上げが増加することが多いため、とくに年末の商戦イベントに力を入れて取り組んでいます。また、広告費は売上の10%程度を目安としており、売上推移に合わせて広告の使い方や広告費のかけ方を変えています。
JAPAN STOREを通じて初めて輸出が成功
JAPAN STORE参加以前は海外で販売したいという気持ちがありながらも実現できていなかったため、JAPAN STOREに参加し出品サポートを受けられたことで米国輸出に挑戦する足がかりとなりました。JAPAN STOREを通して米国のAmazon.comに出品した商品がチリまで配送されたこともあり、自分の商材が世界中の消費者に購入されていることを嬉しく感じます。
実際に米国Amazonで出品するためには、現地荷受人の選定と海外銀行口座の開設という2つの課題がありました。海外販売の知識はありませんでしたが、JAPAN STOREの出品サポートを通して紹介されたAmazonサービスプロバイダーを利用し、2つの課題を解決したことで、出品が可能となり、さらには売上を伸ばすことができました。
ジェトロ担当者からの一言コメント
同社は、他のAmazon出品事業者とのネットワークを活かして常にEC市場の情報収集をしていました。また、国内ECにて蓄積したAmazon活用方法のノウハウを、米国Amazonでも実践することで売上を拡大させていました。輸出未経験の段階からAmazon担当者と積極的にコミュニケーションをとりつつサービスプロバイダーも活用するなど、米国販売を成功させた同社の取り組みは他のJAPAN STORE参加企業にとって参考になると感じます。
ご利用いただいたジェトロのサービス
株式会社一煉
広島県広島市
https://www.shosai.ichiren.jp/company/
代表者:加藤 竜美
設立年:2021年
事業内容:生活雑貨の企画・開発、並びに輸入および販売
2024年9月