株式会社ワイ・エス・エム
光は笑顔と一緒で万国共通。日常を豊かに彩る照明を世界へ届ける
埼玉県八潮市で照明づくりを行ってきた株式会社ワイ・エス・エム。独自の面発光技術・板金技術と、海外のデザインアワードからも評価されているデザイン性を武器に海外展開に取り組む。TAKUMI NEXT事業には2019年度から4年連続で採択されており、米国のライフスタイルショップとの取引に成功。
埼玉県八潮市 ウェブサイト
- 展開国・地域:
- 米国、オーストラリア、台湾、フランス、英国、ドイツ、スペイン、ポルトガル、モナコ、韓国、香港
- 取扱製品:
- 照明
実践の場を通じて海外のニーズをつかむ
当社はもともと国内向けに特注照明の製作・販売を行っておりましたが、SNSを通じていただいた海外のお客様からの声がきっかけで自社商品の製作に取り組み始めました。2017年に初めて開発した「HOOP」を気に入っていただいたヨーロッパの大手家具メーカーからの勧めで、デザイン関連見本市「メゾン・エ・オブジェ」に2019年に出展。海外展開を視野にデザイナーと協業し「LIGHT SHELF」「NIGHT BOOK」を開発しましたが、「モノは作れるのに販路がない」という課題がありました。そこで、参加していた新輸出大国コンソーシアム事業からのご紹介でTAKUMI NEXTに応募しました。2020年にはコロナ禍の影響でメゾンを通じて得た契約も半分がキャンセルとなり、展示会も中止されてしまったため、日本にいながら海外のバイヤーと実際につながることができるTAKUMI NEXTのオンライン商談は貴重な機会でした。海外ではブランド名に左右されず、商品をフラットに見てもらえることを実感しました。また、日本と異なり天井ライトで部屋全体を明るくするよりも、間接照明やろうそくのほのかな明かりを楽しむ文化があるということも、国内で販売しているだけでは知ることができませんでした。TAKUMI NEXTでの実践の場を通して、当社の照明で「いつもとちょっと違う家族との会話・ひと時を演出していきたい」、というブランドの方向性を固めることができました。
メンタリング・テストマーケティングでの学びを商談や商品づくりに活かす
それまでオンライン商談は一度も参加したことがありませんでしたが、TAKUMI NEXTでは専門家によるメンタリングを通じてどうやって商品を魅せていくかについて学ぶことができます。オンライン商談では、企業と商品を英語で紹介したパワーポイント資料を事前に準備するだけでなく、先方が関心のある商品を実際に手元で見せながら説明するようにしたところ、通訳を介してでもスムーズにバイヤーと意思疎通できるようになりました。また、ドバイb8taでのテストマーケティング事業に参加した際には、今後の小売市場の変化の潮流を肌で感じることができ、海外のニーズを取り入れながらより良い商品づくりをしていこうというモチベーションになりました。TAKUMI NEXT事業内にはセミナー・メンタリングやポップアップ等、様々なプログラムがあるため、手を挙げる機会があれば「習うより慣れろ」の精神でできるだけチャレンジしていくことが重要だと感じています。
BtoC向けの取り組みをBtoB取引の種まきに
海外の展示会への出展はかなり費用や時間がかかりますが、TAKUMI NEXT事業では社内にいながら海外の人や全国のTAKUMI企業とのネットワークを広げることができるため、第1歩目としてベストだったと思います。これまで一人で制作から組み立て・マネジメントまで行ってきましたが、2022年から海外事業専任の社員を迎え、社内の体制を整えました。今後は海外への輸出を事業の一つの柱とすべく、BtoC向け商品からインテリアデザイン・建築業界の企業とのBtoB取引につなげていく種まきをしていきたいと思います。小さい会社だからこそできるオリジナルの色やロゴ入れなどのカスタマイズをはじめ、ゆくゆくは特注照明も海外で提案していくのが目標です。デザイナーも町工場の人間も、関わっていただいている人全員が喜べる循環を目指してこれからも一歩ずつ挑戦していきたいと思います。
ジェトロ担当者からの一言コメント
同社は4年連続でTAKUMI NEXT事業に応募し、採択されています。海外からの意見を取り入れ、常に商品をアップデートしていく姿勢が毎年バイヤーから評価されているポイントだと思います。八島社長の前向きであたたかな人柄が多くのデザイナーを惹きつけ、ともに開発したやわらかで明るい照明は世界中の人々の生活を豊かに照らす光になると思います。
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株式会社ワイ・エス・エム
埼玉県八潮市
https://k-ysm.co.jp/
代表取締役:八島 哲也
設立年:1992年
事業内容:LED照明、LED導光板、FFLP、建築金物、サイン、特注照明、その他金属加工、デザイン企画、設計、製造、施工及び販売
2023年4月