株式会社挽物所639

挽物の技術を使って幸せと感動を世界に届ける

静岡挽物の伝統技術を今に繋げる挽物所639。伝統に裏打ちされた技術を生かしつつ、海外市場も見据えアップデートを重ねる。TAKUMI NEXTを通じて、日々変化を続ける。

静岡県静岡市 ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

展開国・地域:
欧州、米国、シンガポール
取扱製品:
木工品(静岡挽物)

百瀨社長(左)と後藤さん(右)の運命の出会いがきっかけに

「運命の出会い」をきっかけに本格的に海外に取り組む

海外に取り組むきっかけとなったのは、静岡市が行っていた海外デザイナーとの連携支援事業を契機に、2019年4月のフォーリサローネに出品し、ミラノを訪問したことでした。イタリアのダイナミックに変化するクラフトに刺激を受けるとともに、日本の繊細さとダイナミックさをかけ合わせれば勝機が見いだせるのではと考えました。
ちょうどそのころ、今海外を担当してもらっている後藤さんに出会いました。会社の規模を拡大するために今の場所に移ろうとしていたのですが、やっぱりやめておこうかと逡巡していた時に、後藤さんに入ってもらうことになり、海外含めてチャレンジしていくことの決心がつきました。TAKUMI NEXTには2019年から参加しています。

英国バイヤーとの取引を通じてサステイナビリティに触れる

TAKUMI NEXTへの参加を通じて、さまざまなバイヤーとの取引に繋がりましたが、その一つに英国のMr.Porterがあります。Mr.Porterからはプラスチックの包装はやめてほしいという要望があったため、検討した結果、かんなくずを緩衝材に使うことにしました。サステイナビリティという観点でアピールできるだけでなく、デザイン的にもきれいなため、継続的に利用していくことにしました。そのため、カンナ削りの中古の工作機械も導入したのですが、もちろんコストはかかるものの、木工が盛んだった静岡では入手もさほど困難ではありませんでした。同社からは労務環境などの長文のアンケートへの回答を求められたり、欧米との取引の前提となる条件を、取引を通じて学ぶことができました。

挽物所639の商品写真

バイヤーから得られる情報を取り入れて成長する

今年も新商品を出して、バイヤーに提示し、新たな情報を引き出せればと思っています。(仮に成約につながらなくとも)現地の人の感覚を生でオンラインで聞く機会が得られるTAKUMI NEXTのプログラムはとても貴重です。現地の声を踏まえて、自分たちも成長していけるし、商品もアップデートしていく。実際に、オンライン商談のやり方も、今は製造の現場を途中で見せたり、オンライン商談が始まった当初とはやり方が相当変わりました。JETROのサポートは大事ですが、それによりかかることなく、自分たちをアップデートしていくことが重要と考えており、TAKUMI NEXTはそうした成長の機会を与えてくれたと感じています。

制作の様子

ジェトロ担当者からの一言コメント

同社は意識的にバイヤーからの情報を引き出し、その情報を次につなげていこうという姿勢が感じられるのが印象的でした。商談は取引条件を伝えるだけでなく、商品のストーリーを伝えるとともに、相手から市場の情報を引き出す調査の場でもあります。伝統技術に裏打ちされたダイナミックな商品を今後も世界に伝えていってもらいたいと思います。

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株式会社 挽物所639

静岡県静岡市
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代表取締役:百瀨聡文
設立年:2019年
事業内容:特注加工、試作から量産までの挽物加工全般

2023年5月

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