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ユカイ工学株式会社(Yukai Engineering Inc.)

ロボットが、そばにいてくれる毎日を

「ロボティクスで世界をユカイに」をミッションとして掲げるJ-Startup外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます企業のユカイ工学株式会社。しっぽのついたクッション型セラピーロボット「Qoobo(クーボ)」など、ユニークなプロダクトを世に送り出すロボティクス・ベンチャーです。CEOの青木俊介氏は、子どもの頃に夢見たロボットと暮らせる世界を、自らの手で実現しようとしています。

展開国:
米国・香港
事業概要:
コミュニケーションロボットやハードウェアの開発、製造および販売

青木 俊介 CEO

御社の創業の経緯や事業内容について教えてください。

過去にはスタートアップ企業の立ち上げに関わり、主にWEBサービスやソフトウェアの開発を手がけていました。ただ、もともとは中学生のころに観たSF映画の影響で、ロボットをつくりたいと思っていたんです。そんな折に、3Dプリンターが世に広まり、大規模な工場を持たなくても、ものづくりしやすい環境が整ってきました。「今なら自分のつくりたいものをつくれる」、そう考えて2007年に起業しました。

最初に開発したのは、「necomimi(ネコミミ)」です。ネコの耳の形をしたこの機械は、脳波を利用してリラックスしていると耳が垂れる、緊張すると耳が立つなど、着けている人の状態を表現できます。このnecomimiをはじめとして、ロボティクスとコミュニケーションをテーマにしたプロダクトを開発しています。

事業展開に大きな動きがあったのは、2014年に大手通信キャリアがロボットを提供したことです。ロボットとAIに注目が集まり、私たちもロボットを出すなら今しかないと考え、コミュニケーションロボット「BOCCO(ボッコ)」を開発しました。これは、家族間のメッセージのやりとりや、センサーによる“見守り”ができるロボットです。天気のお知らせや予定のリマインドなども可能で、今のスマートスピーカーの先駆けとなるような機能を備えていました。2014年の幕張のCEATECにも出展して、注目を集めることができました。

海外進出を目指したきっかけは?

さらなるロボット開発を目指すためにクラウドファンディングにチャレンジすることにしたのですが当時は海外のサービスしかなく、まずは海外の展示会に出展してアピールしようと思い立ちました。そこで、ジェトロからサポートを受け、2015年1月のラスベガスのCESに出展しました。このときは、ロボティクスゾーンの現地スタッフの方が、メディアを呼んでくれたり、ディストリビューターやバイヤー、接点がありそうな企業などともつなげてくれたりしました。

「BOCCO」のようなコミュニケーションロボットは、当時としては珍しく、現地メディアにも多数取り上げられました。プロモーションは一定の効果を得ることができ、クラウドファンディングも成功、海外のハードウェアのスタートアップ企業ともたくさんのネットワークをつくることができたのも大きな成果でした。CESでは試作機でしたが、同年の7月に国内向けに出荷を開始した後アメリカでも販売され、初の海外展開を達成できました。なお現在、プロダクトはすべて海外展開する方針としています。

その後、海外でブレイクしたプロダクトは?

2017年に発表したQooboです。これは、しっぽのついたクッション型セラピーロボット。まるで生きている動物のように、こちらがなでたときや、何もしなくても気まぐれにしっぽを振って応えてくれます。考案したのは、実家で犬を10匹も飼っているデザイナーで、「動物をなでることで得られるような癒やしがほしい」と、生み出されました。顔のないユニークなフォルムとなったのは、なでることに特化したためです。余白のあるデザインが、利用者のイマジネーションをかき立てる効果もありました。

このQooboが、アメリカで著名なライターの目に留まり、彼の持つ番組だけでなく、全米に放送されている朝番組などでも紹介され、大反響を呼びました。アジア圏でも話題を呼び、香港の地元テレビ局が老人福祉施設でQooboを試してもらう企画を持ち込んでくれたのです。これによって、新たなマーケットを開拓することができました。

ジェトロがお手伝いしたことで、役立ったことは?

日本を代表する大手家電メーカーで長年にわたって海外営業を務めていた方が、新輸出大国コンソーシアムの専門家としてサポートに入ってくれました。この方は、現地のディストリビューターなど多くの人脈をお持ちで、さまざまな方とつないでいただきました。また、制限が多いアメリカ物流業界に関するアドバイス、商品の価格構造に関するレクチャーなど、実務の部分でもお世話になりました。店舗営業にもよく同行してもらいましたね、かなり引っ張り回してしまったかもしれません(苦笑)。

何より、私たちのことをすごく評価してくれたのがうれしかったですね。ご親戚の方がサンノゼにいらっしゃって、「ここはリタイアメントした方が暮らす高級住宅地だから」と、地域の方々にQooboを紹介する機会を作ってくれたこともありました。プロダクトに関してもヒントをいただき、いつも「頑張れ」と親身に応援してくれたことは大きな力になりました。

国際的な展示会にも、ジェトロ経由で毎年出展しています。2019年から2020年にかけては、9月にベルリンのIFA、10月に香港のStartup Lunchpad、11月に台湾のMeet Taipei、翌年1月にラスベガスのCESと立て続けに参加しました。

特にCESでは、メディアイベントであるアンベールドやショウストッパーズへの参加をサポートしてもらえたことが大きかったです。どちらも8,000ドルほどの参加費がかかるイベントでしたが、ジェトロを通じて総務省から大部分を補助してもらいました。これによって、ワシントン・ポスト、テックランチ、BBC、ザ・ヴァージといったアメリカの主要メディアで紹介してもらうきっかけになるなど、プロモーションは大成功を収めました。

今後の展望を教えてください。

これまではアメリカへの出荷が多かったのですが、今後はアジア圏への展開も力を入れていきたいと考えています。特にQooboは、アジアで広くに受け入れられているようです。香港では、Startup Lunchpadのイベントを活用して、⾹港を代表する⼤⼿医療機器販売業者であるKerry Medical社とつながりました。メディカル系だけではなく、ペットの代わりとなるロボットとして幅広くプロモーションいただいており、携帯キャリアのショップでも取り扱いがあるなど、よく多くの需要が見込めそうです。中国に関しても、商標の問題をクリアすることができ、遅くとも2020年6月には出荷できる予定です。今後もライフスタイルの一部となるようなロボットをつくり、アジア、ゆくゆくはヨーロッパと、世界に向けて発信していきたいと思っています。

ご利用いただいたジェトロのサービス

  • ジェトロ・グローバルアクセラレーションハブ
    海外のスタートアップ・エコシステムを活用したビジネス拡大を目指す日本のスタートアップに対し、ブリーフィングやメンタリング、マッチング等のサービスを無料で提供します。
  • ジャパンパビリオン出展
    海外の有力なスタートアップ関連イベントにジャパンパビリオンを設け、出展料補助や付随するイベント等を通じ、日本のスタートアップのグローバル展開を後押しします。
  • 新輸出大国コンソーシアム
    日本企業の海外展開を支援する全国のあらゆる支援機関が結集し、海外展開にご関心をお持ちの中堅・中小企業の皆様へワンストップの支援サービスを提供します。

ユカイ工学株式会社

東京都新宿区富久町16-11武蔵屋スカイビル101号
https://www.ux-xu.com/外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
代表者:青木 俊介
設立年:2007年12月
事業概要:コミュニケーションロボットやハードウェアの開発、製造および販売

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