有限会社田中印刷所

独自技術の立体リア投影スクリーンを活用したバーチャルマネキンで中国市場に挑む。

印刷・広告代理業を行うほか、ペーパーレス化等に直面するなかで3DCG動画やAR制作にも取り組む。中国東北部に設立したデザイン会社を撤退した苦い経験をバネに、バーチャルマネキンで中国市場に再び挑戦する。

滋賀県彦根市 ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

展開国・地域:
・2019年 中国
事業内容:
印刷、3DCG動画・AR制作、広告代理業

代表取締役 田中 由一 氏

ジャパンパビリオンへの出展が海外展開の第一歩

弊社は、12年前に中国・大連にデザイン会社を設立しましたが、事業を軌道に乗せることができずに撤退した苦い経験があります。その後、弊社では立体リア投影スクリーン技術を開発し、立体スクリーンに投影するバーチャルマネキンを商品化しました。国内の飲料メーカー等に順調に採用いただく中、海外では米国から引き合いがありましたが成約には至りませんでした。そのため、米国以外で海外の売込み先を模索していた際に、ジェトロ滋賀より中国・上海で開かれる第1回中国国際輸入博覧会を紹介されました。そこで、この機会にぜひバーチャルマネキンを売り込もうと、同展示会のジャパンパビリオンに出展しました。海外展示会への参加は初めてのため右往左往しましたが、ジェトロ上海の支援もあり、日系の現地販売店と商談を開始することができました。

立体スクリーンのバーチャルマネキン

ジェトロの専門家支援も活用しながら商談をスタート

2019年にはジェトロの「新輸出大国コンソーシアム」に応募し、採択されました。第2回中国国際輸入博覧会では弊社単独でブース出展しました。前回の出展時にお客様からの問い合せが最も多かった小型卓上タイプの立体スクリーン「Cubic Screen mini」を中心に訴求した結果、中国各地から引き合いがあり、販売店経由で商談を実施しました。そのうち、上海にある国際空港からの引き合いについて、担当の専門家やジェトロ滋賀より助言等を受けつつ、正式な成約に至りました。現在も弊社の立体スクリーンが同空港の国内線ターミナルで使用されています。
昨今、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で新商品の店頭でのプロモーション活動が難しくなる中、国内外の食品関連会社から弊社製品への引き合いが増えています。併せて、イベント関連会社や病院等からも受付で利用したいといった引き合いをいただいています。国内だけでなく、海外、とりわけ中国での需要に大いに期待しています。

中国国際輸入博覧会出展時の様子

商売の成功は良きパートナーとの出会い

中国の方々と商売を進めるなかで強く感じていることは、外見は似ていても、習慣や国民性は日本と中国で大きな違いがあるということです。そのため、これまでのプロダクトアウトの考えを捨てて、各国のそれぞれの市場や業界の要望にあった商品・サービスの提供というマーケットインの考えを持つことが重要だと考えています。弊社独自の立体リア投影スクリーン技術を武器に、お客様ごとに充分に満足いただける提案を常に心掛けております。中国に限らず、商売成功の大前提はいかに良きパートナーに出会えるかだとつくづく感じています。今後もジェトロの情報源を大いに活用しながら、新規の顧客開拓や輸出拡大に取り組んでまいります。

専門家からのポイント

田中印刷所の支援を開始したのは9月からと比較的遅かったこともあり、上海での中国国際輸入博覧会への出展には同行できず、国内の支援面談で中国の商習慣や契約条件に対するアドバイスが中心となりました。それでも成約できた一因は、ジェトロ滋賀が同社と緊密に連絡を取り合いながら情報提供したことにあります。そして何よりも、われわれのアドバイスを貪欲に取り入れて展示会などに積極的に参加し、提携先候補を見つけたら臆することなくアプローチしていく同社の姿勢が最も大きな成功要因だと思います。

ご利用いただいたジェトロのサービス

  • 新輸出大国コンソーシアム
    日本企業の海外展開を支援する全国のあらゆる支援機関が結集し、海外展開にご関心をお持ちの中堅・中小企業の皆様へワンストップの支援サービスを提供します。

有限会社田中印刷所

滋賀県彦根市
https://www.tanakaprint.co.jp/外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
代表者:田中 由一
設立年:1954年10月
従業員:8名
事業内容:印刷、3DCG動画・AR制作、広告代理業

2020年9月

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