北朝鮮の国民総所得は韓国の45分の1-韓国統計庁が北朝鮮の主要統計指標を発表-

(韓国、北朝鮮)

中国北アジア課

2017年01月16日

 韓国統計庁は北朝鮮に関連した統計を国内外で収集し、南北間統計資料を併記した刊行物「2016年 北朝鮮の主要統計指標」を発表した。北朝鮮の人口は韓国の2分の1の規模だが、国民総所得(GNI)では45分の1の規模にとどまっている。

<14部門に131の統計を収録>

 統計庁が2016年12月15日に発表した「2016年 北朝鮮の主要統計指標」は、北朝鮮の経済や社会の実情などに対する国民の理解を深め、合わせて北朝鮮統計の体系的な管理を行うために、1995年から毎年発行している。自然環境、人口、農林水産業、鉱工業、対外取引、エネルギーなど全体を14部門に分けて、この中に131項目の統計を盛り込んでおり、公式統計をほとんど発表しない北朝鮮の実情を把握する上で貴重な資料となっている(表1参照)。

表1 「2016年 北朝鮮の主要統計指標」の概要

 統計庁が挙げた2016年版の特徴としては、北朝鮮統計の利用者が統計を理解しやすくするために、北朝鮮の保健・医療、交通・物流、インフラ、教育、エネルギー分野に関する「北朝鮮統計説明・分析資料」を収録したことがある。

 

<韓国の人口は約2倍、1人当たりGNIでは約22倍に>

 統計庁は代表的な項目を取り上げて、2015年を基準とした南北比較を行っている(表2参照)。まず、人口部門では北朝鮮の2,478万人に対し、韓国は5,102万人で約2倍だ。南北を合わせた人口は7,580万人に達する。経済総量部門では、北朝鮮の国民総所得(GNI、名目、以下同じ)の34兆5,120億ウォンに対し、韓国は1,565兆8,160億ウォンで、45.4倍の規模だ。1人当たりGNIは北朝鮮の139万ウォンに対し、韓国が3,094万ウォンで、22.3倍の開きがある。対外取引部門では、南北交易額を含めないかたちでの輸出、輸入額とその合計額が記載されており、貿易総額は北朝鮮の62億5,000万ドルに対し、韓国は9,632億6,000万ドルと、154.1倍の規模になっている。鉱工業部門では、北朝鮮の粗鋼生産量107万9,000トンに対し、韓国は6,967万トンで64.6倍、セメント生産量は北朝鮮の669万7,000トンに対し、韓国が5,204万4,000トンと約7.8倍の水準にある。

表2 韓国と北朝鮮の主要経済指標比較(2015年基準)

(根本光幸)

(韓国、北朝鮮)

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