厳しい外貨規制でビジネス環境が悪化
(スーダン)
カイロ発
2018年05月17日
2017年10月に米国の経済制裁が解除され、ビジネスの可能性に注目が集まるスーダン。しかし、2018年に入って公定レートの引き下げが顕著になっている。
5月15日現在、中央銀行のレートが1ドル=18スーダン・ポンド(約108円、1スーダン・ポンド=約6円)、並行レートは約37スーダン・ポンドとなり、大きな乖離が生じている。このため、スーダン政府は国内での通貨流出制限を行いながら為替レートの下落を防ぐ対策を講じている。
2月にスーダン中央銀行は外貨取引において、事前許可制を導入した。これにより銀行での手続きは非常に複雑になり、国内で生産・販売を行っている企業によると、材料調達ができないなどビジネス環境の悪化を懸念している。また3月にはスーダン出国時、以前はなかった通貨持ち出しについての確認が始まった。
スーダン中央銀行は各銀行に供給するスーダン・ポンドを制限しており、引き出し制限の上限は各銀行の裁量で決定している。このため、引き出し制限の上限も毎週変動している。物価上昇も大きく懸念されており、IMFの2018年の見通しでは、インフレ率43%とここ20年で最も高い数字が見込まれている。
(常味高志)
(スーダン)
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