2017年の州別GDP成長率、ワシントン州など西部で3%超す

(米国)

ニューヨーク、サンフランシスコ、ロサンゼルス発

2018年05月14日

商務省経済分析局(BEA)は5月4日、2017年の州別GDP成長率を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。成長率が最も高かったのは、ワシントン州で4.4%を記録した。全米50州のうち、成長率が4%を超えたのは同州だけだった。これに、3%台でコロラド州(3.6%)、ネバダ州(3.5%)、アリゾナ州(3.2%)、ユタ州(3.1%)、カリフォルニア州(3.0%)と西部の州が続いた(表参照)。

一方、成長率が最も低かったのはコネチカット州、ルイジアナ州でともにマイナス0.2%、カンサス州もマイナス0.1%でこれら3州のGDPは前年の水準を下回った。

表 州別GDP成長率上位10州(2017年)

ワシントン州の成長を後押ししたのは、小売業(寄与率32.0%)と情報・通信業(23.4%)だった。同州にはアマゾンやマイクロソフトなどが本社を構えている。同州の成長率は2014年3.3%、2015年3.8%、2016年3.9%で過去4年にわたり3%を超えている。

続くコロラド州では、不動産業(10.0%)、事業統括業(10.0%)などの寄与率が高かった。ネバダ州は不動産業(16.0%)、アリゾナ州では医療・社会扶助(14.1%)、ユタ州では専門・技術サービス(11.9%)、耐久財製造業(11.3%)などが成長を牽引した。

高成長を記録した州で共通しているのは、人口が大きく増加している点だ。成長率3%以上を記録した6州のうち、カリフォルニア州を除く5州の人口増加率(2017年、推定)は、全米平均(0.7%)をいずれも2倍以上上回っている。人口増加は自然増加に加え、国内からの転入も多い。住宅費など生活コストが上昇しているカリフォルニア州などからこれらの州へ移住が続いているものとみられる。

(若松勇、永松康宏、北條隆)

(米国)

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