経済成長は減速するも失業率は好転と予想

(ベルギー)

ブリュッセル発

2018年07月02日

ベルギー連邦計画局(BFP)は6月20日、2018~2023年の中長期経済予測を発表した。経済成長の勢いは鈍るが、失業率は改善が進むと見込んでいる。

中長期予測、2021年から成長率が鈍化

BFPは、2018~2023年のベルギーの平均実質GDP成長率を1.5%と予測する。2018年から2020年にかけての年平均成長率は、堅調な国内需要を受けて2017年の経済成長率1.7%と同水準の1.6~1.7%前後と見込む。2021年以降は、国内需要と輸出の緩やかな減速により、製造業や商用サービスの成長も鈍化する結果、2021年のGDP成長率は1.4%、2023年は1.2%と見込む。

2018~2023年でみると、主に建設部門と商用サービス(運輸・通信、宿泊・飲食、卸売り・小売り、金融サービス、医療サービスなど)が経済成長を牽引し、それぞれの伸び率は年平均で1.9%、1.6%と予測。2017年にマイナス成長だった農業とエネルギー部門もプラス成長となり、同期間の平均成長率はそれぞれ0.6%、0.8%。さらに公共サービスや教育などの商用以外のサービスも堅調に推移し、平均成長率0.9%となると予想する。

BFPは2018~2023年の新規雇用者数の累計を24万9,000人と予想している。この数字は、過去6年間の新規雇用者数の累計18万8,000人を上回る。商用サービスで大きな雇用を創出し、同期間に合計22万5,000人、また建設業でも2万4,000人の新規雇用を見込む。過去6年間で約4万1,000人の雇用が失われた製造業では、同期間の雇用喪失は1万7,000人にとどまると予測する。これらを踏まえ、ベルギーの失業率は、2017年の10.4%から、2023年には7.2%まで改善する見通しだ(表参照)。

表 主要経済指標

(大中登紀子)

(ベルギー)

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