副首相ポスト増、教育と通信分野で省を再編

(ロシア)

欧州ロシアCIS課

2018年05月16日

メドベージェフ首相は5月15日、ロシア南部のソチでプーチン大統領と会談、政府機構の再編案を提示し了承された。プーチン大統領は、大統領令「連邦執行機関の構成について」(2018年5月15日付)に署名した。

同大統領令により、副首相枠が1人増の10人となり、第1副首相は財務相が併任する。このほか、極東連邦管区大統領全権代表と内閣官房長官はそれぞれ副首相を兼任する。また、教育省を2つに分割。通信・マスコミ省は改名され、デジタル経済化を推進する主導的役割を担う。通商代表部は経済発展省から工業商務省へ移管される。

教育科学省は、「教育省」と「科学・高等教育省」に分割され、教育省は初等・中等教育、職業訓練などを所掌。科学・高等教育省は最先端技術研究分野での政策推進を所掌する。通信・マスコミ省は「デジタル発展・通信・マスコミ省」と改名され、プーチン政権の中心政策であるデジタル経済化を確実に推進する役割を明確にする。このほか、諸外国に配置されている通商代表部は経済発展省から工業商務省へ移管され、政府によるロシア製品の輸出振興政策の推進に特化する。通商代表部の機構改革については、5月7日付大統領令(2018年5月8日記事参照)で触れられている。

メドベージェフ首相はプーチン大統領との会談で、新内閣の候補者名簿は5月18日に提示予定と回答。一方、アレクセイ・クドリン元財務相は5月14日、与党「統一ロシア」幹部らと会談し、会計検査院院長に就任することを承諾。同氏は金融分野での汚職対策に取り組む意向を表明している(インターファクス通信5月14日)。

(高橋淳)

(ロシア)

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