商工会議所副会頭「シレットをインド北東部への供給拠点に」

(バングラデシュ)

ダッカ発

2022年06月16日

バングラデシュは国土の大部分がインドに隣接しており、インド北東州とも国境を接している。北東州から最も近いシレットは、古くから茶産業や観光産業が盛んで、立地上、インド北東州への供給拠点にもなり得る。ジェトロは、シレットでの産業や投資の可能性について、シレット商工会議所外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますのファラ・ウディン・アリ・アーメド上級副会頭とアティック・フセイン副会頭に聞いた(2022年5月26日)。

(問)シレットの投資における魅力は何か。

(答)シレットはバングラデシュ北東州に位置し、国際空港がある。歴史的にシレットから海外出稼ぎ労働者として英国に移住するベンガル人が多かったことから、現在に至るまで英国にはシレット出身者が多く居住している。そのため、英国や、同じく海外出稼ぎ労働者が多い中東に直行便も就航している。また、土地の価格が安いため、製造業が立地すれば、ダッカだけでなく、ボラゴンジ税関を経由してインド北東州への供給拠点としても位置付けられる。

(問)シレットでの有望産業、日系企業にとってのビジネス機会は何か。

(答)シレットのシャージャラル科学技術大学は、IT学部から優秀な人材を輩出しているため、ITセクターが有望だ。また、同地は茶畑が多く、自然環境も楽しめる観光地であるため、観光業への投資も考えられる。その他、インフラ開発、医療機器、医療分野、農業分野でも可能性があると考えている。さらに砂が採掘されるため、陶磁器産業も可能だろう。日本企業にシレットを訪問してもらい、可能性を知ってほしい。

現在、シレットではIT関連産業の誘致を行うハイテクパークが開発されているが、同地への日系企業の進出事例はない。シレットがインド北東州への供給拠点になり得るというローカル視点での発想は、今後の日系企業の活動へのヒントになりそうだ。

写真 アーメド上級副会頭(右)とフセイン副会頭(ジェトロ撮影)

アーメド上級副会頭(右)とフセイン副会頭(ジェトロ撮影)

(安藤裕二)

(バングラデシュ)

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