上海自由貿易試験区、保税貨物の通関手続きを簡素化
上海事務所
2014年02月17日
中国(上海)自由貿易試験区管理委員会の発表によると、検験検疫部門は、保税蔵置、保税加工、保税展示などのための保税貨物に対する検疫検査通関証明書の発行を停止し、通関時間と手続き費用を削減することを決めた。
<通関時間は半減、手続き費用なくなる>
上海自由貿易試験区管理委員会によると、同試験区の検験検疫部門は1月27日から、海外から同試験区に搬入してきた保税蔵置、保税加工、保税展示などのための保税貨物について、検疫検査通関証明書(中国語「検験検疫入境通関証明」)の発行を停止している。
従来は保税貨物を海外から同試験区内に搬入する際、必ず検験検疫部門に検疫検査通関証明書を発行してもらい、同証明書を持参して税関の手続きを行うプロセスだった。検疫検査通関証明書の発行停止により、企業は検験検疫部門の検疫検査と税関の通関手続きを同時に進めることができ、通関時間は50%減り、検疫検査通関証明書の手続き費用はなくなるという。
上海自由貿易試験区は通関手続きの簡素化を進めており、検疫検査通関証明書の発行停止はその措置の1つだ。
また、同試験区の検疫検査部門は2013年10月から、区内の6企業の海運貨物に対し、「先進区後報関(まず貨物を搬入し、そして通関手続きを行う)」政策をテスト的に実施し(注)、さらに同年12月には航空貨物も対象に加え、対象企業も47社に増やした。同試験区の管理委員会の発表によると、「先進区後報関」政策により、対象企業の貨物を試験区に入れるための所要時間は従来の2〜3日から半日に短縮し、物流コストは約10%削減されている。
(注)通常のプロセスではまず通関続きを済ませ、その後で貨物を搬入する。
(文涛)
(中国)
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