ECB、政策金利を8ヵ月連続で0.75%に据え置き
デュッセルドルフ事務所
2013年03月08日
欧州中央銀行(ECB)は3月7日の政策理事会で、政策金利(主要リファイナンス・オペ金利)を8ヵ月連続で0.75%に据え置いた。
<イタリア総選挙の影響は限定的>
政策理事会は、政策金利、限界貸付ファシリティー金利〔オーバーナイト貸し出し(翌日返済)の金利〕、預金ファシリティー金利〔オーバーナイト預け入れ(翌日満期)の金利〕をそれぞれ0.75%、1.5%、0.0%のまま据え置いた。
政策理事会後の記者会見でドラギ総裁は、2月24〜25日にイタリアで行われた総選挙の結果が同国の財政赤字縮小プログラムにどう影響するかとの質問に対し、「イタリアは今後とも構造改革をきちんと続けるべきだ。総選挙結果の市場への影響は限定的だった」と述べた(2013年2月28日記事参照)。また政策金利のさらなる引き下げが議論されたとも述べた。
同日発表されたECBのユーロ圏マクロ経済予測(PDF)によると、主に内需・輸出の減速の可能性とユーロ圏内構造改革の遅延により、2013年のユーロ圏実質GDP成長率はマイナス0.9%〜マイナス0.1%、2014年には0.0%〜2.0%と、2012年12月の前回予測(2013年マイナス0.9〜0.3%、2014年0.2〜2.2%)から下方修正された。消費者物価上昇率も2013年は1.2%〜2.0%、2014年は0.6〜2.0%と前回予測(1.1〜2.1%、0.6〜2.2%)から下方修正された。
<2月のインフレ率は目標値の2.0%を下回る>
ユーロ圏消費者物価上昇率は2013年2月(速報値、PDF)に1.8%と前月比0.2ポイント低下し、2010年11月以降ではECBが物価安定の目標値として掲げた2.0%を初めて下回った。
通貨供給量は2013年1月のM3が前年同月比3.5%増と、前月より伸び率が0.1ポイント上昇した。民間向け貸し出しは低下傾向に転じ、0.9%減となった。
(ゼバスティアン・シュミット)
(ユーロ圏)
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