保健省、食品ラベル表示や機能性表示など告示案5本の意見公募

タイ保健省食品医薬品局（FDA）は食品関連の告示案5本について、意見公募を行っている。いずれも締め切りは11月30日。

（1）包装食品のラベル表示

「包装食品のラベル表示」に関する従来の告示を廃止の上、新たに制定する告示案について意見公募中。経緯と比較表も示している。

包装食品のラベル表示を巡っては、従来は保健省告示367号「包装食品のラベル表示」（英語仮訳）、383号「包装食品のラベル表示（第2版）」、401号「包装食品のラベル表示（第3版）（英語仮訳）」、410号「包装食品のラベル表示（第4版）」と4本の告示を定めていたが、現状に即した内容に改め、内容の明確化なども図るため、これらの告示を廃止し、新たな告示を定めるとしている。

（2）栄養表示ラベル

「栄養表示ラベル」に関する従来の告示を廃止の上、新たに制定する告示案について意見公募中。従来の保健省告示182号「栄養表示ラベル」（英語仮訳）、219号「栄養表示ラベル（第2版）」（英語仮訳）、392号「栄養表示ラベル（第3版）」（英語仮訳）を廃止し、新たな告示を定めるとしている。

（3）機能性表示（新規）

「機能性表示」について新たに制定する告示案について意見公募中。

機能性表示については、日本の機能性表示食品の制度も参考に検討を進めており、過去には日本の研究者を招いた勉強会も開催された。FIRN（Food Innovation & Regulation Network）のウェブサイト内にはFFC THAILANDの専用ページ（FFC＝Foods with Function Claim：機能性表示食品）を開設しており、機能性表示食品について説明するFFC THAILANDに関する動画も公開している（注）。

消費者の間では健康への関心が高まっており、同告示が施行になれば、新たなビジネスチャンスにつながる可能性がある。

（4）残留有害物質を含有する食品

「残留有害物質を含有する食品」については、これまでに保健省告示387号「残留有害物質を含有する食品」（日本語仮訳(1.1MB)）、393号「残留有害物質を含有する食品（第2版）」（英語仮訳）、419号「残留有害物質を含有する食品（第3版）」（日本語仮訳(439KB)）が出ているが、農業・協同組合省告示「Mor Kor Sor 9003-2547農産物の規格基準」と「Mor Kor Sor 9002-2559農産物の規格基準」の内容に合わせるなど追加・修正する案について、意見公募中。経緯も示している。

現行の告示（387号、393号、419号）は、輸入通関時の青果物の残留農薬検査のガイドラインにおける基準値ともなっている（2021年7月7日記事参照）。

（5）ミネラルウォーター

現行の保健省告示199号「ミネラルウォーター」（英語仮訳）を廃止し、CODEX STAN108-1981, Amended in 2019などに基づいて新たに制定する告示案について、意見公募中。経緯も示している。

（注）FIRNは、タイ食品科学技術協会（FoSTAT）が機能性表示食品に関する研究や関係者の理解増進などを目的に開始したネットワーキングプロジェクト。食品分野の専門家や企業をメンバーとする。

（谷口裕基、ウォンパタラクン・ヤーダー）