タイ政府、初の国家半導体戦略を承認、欧州大手も拠点工場開所
(タイ、欧州)
バンコク発
2026年10月23日
タイ投資委員会(BOI)は9月24日、国家半導体・先端電子産業政策委員会(以下、半導体委員会)が同日、タイ初となる「国家半導体・先端エレクトロニクス産業開発戦略」を承認したと発表
した。
半導体委員会は、エクニティ・ニティタンプラパス副首相兼財務相が議長を務める。「タイ国産チップ」の実現に向け、2030年までに5,000億バーツ(2兆3,500億円、1バーツ=約4.7円)、2050年までに累計2兆5,000億バーツの投資誘致を目指す。2050年の半導体産業の年間売上高は5兆バーツ、雇用創出効果は23万人超を見込む。同委員会は1月7日にロードマップ案を検討しており(2026年1月15日記事参照)、今回、国家戦略として正式に承認した。
ロードマップは3段階で実施する。第1段階(~2030年)は組み立て・試験(後工程)の基盤強化と先端後工程への高度化、前工程の基盤整備を進める。第2段階(~2040年)は、半導体(IC)設計やウエハー製造など前工程の誘致を加速し、第3段階(~2050年)でサプライチェーンを完成させる計画だ。重点分野としては、フォトニクスとパワー半導体、センサーに加えて、IC設計と先端パッケージングを挙げた。
政策支援として、(1)恩典:税制や補助金、低利融資などテーラーメイド型の支援パッケージ、(2)人材:産学連携や育成条件化、海外人材受け入れ、(3)技術:タイ・マイクロエレクトロニクス技術センター(TMEC)や研究インフラの高度化、外国企業とタイ企業の提携、(4)インフラ:産業クラスター、安定した水・電力(クリーンエネルギー)供給、災害耐性など、(5)ビジネス環境:外国投資家や地場サプライヤーを対象とした規制改革および事業円滑化〔自由貿易協定(FTA)を含む〕、の5つを柱とする。
また、同委員会は、人材育成計画「サイアム・シリカ」を承認した(2026年8月10日記事参照)。2030年までに計8万6,600人(高度人材8万4,900人、高度研究人材約1,700人)の育成を目指す。
ドイツ半導体大手の大規模な後工程拠点
ドイツ半導体大手インフィニオン・テクノロジーズは10月1日、サムットプラカーン県でタイ初の後工程拠点の開所を発表
した。第1棟は、現在の約350人から約1,000人まで従業員を増やす計画で、最大第5棟まで拡張する設計とした。BOIによると、同社は先端パワー半導体の後工程拠点に加え、研究開発(R&D)拠点も設置する。
BOIは、2023年~2026年6月の半導体・先端エレクトロニクス分野の投資奨励申請は879件で、総額9,090億バーツ相当と報告している。
(藪恭兵)
(タイ、欧州)
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