英政府、CBAMの炭素価格軽減措置を受けられるカーボンプライシング制度の暫定リストを公表、日本のGX-ETSも対象

(英国、日本)

ロンドン発

2026年09月04日

英国政府は8月27日、炭素国境調整メカニズム(CBAM)において「炭素価格軽減措置(Carbon Price Relief:CPR)」の適用対象となるカーボンプライシング制度の暫定リスト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを公表した。日本の排出量取引制度(GX-ETS)も含まれる。

CBAMは、カーボンリーケージ対策として、対象製品(注)の輸入に対して排出量取引制度(ETS、2024年5月27日付地域・分析レポート参照)をベースとした炭素価格を課す(カーボンプライシング)制度だ。英国では2027年1月の導入を予定している。同制度には、対象製品が原産国などで英国政府が適格と認めるカーボンプライシング制度の対象となっている場合、二重課税を防ぐために当該カーボンプライシング制度により支払われた炭素価格に相当する額を控除できる措置、CPRが設けられている。しかし、対象となるカーボンプライシング制度についてはこれまで適合基準が示されているのみで、具体的な制度名は公表されていなかった。

CPRの適用を受けられるCBAM対象製品の輸入者はCBAM納付額を軽減できる。ただしCPRは自動では適用されず、輸入者は必要な書類や関連情報を基に控除額を算定して申請する必要がある。そのため、生産者は輸入者から、生産施設の二酸化炭素排出量や適格なカーボンプライシング制度の適用状況など、CPRの算定に必要な情報を求められる可能性がある。また、CPRは前駆体(CBAM対象製品の生産の前段階として合成する物質や材料)に使用されるCBAM対象製品にも適用されるため、製品生産者だけでなく、サプライチェーン上の関係事業者もこれらの情報を求められる可能性がある。

なお、同リストは6月19日時点の情報に基づくもので、英国政府は今後、継続的に見直しを行うとしている。見直しに当たっては、新たなカーボンプライシング制度を追加するだけでなく、制度変更により基準に適合しなくなったカーボンプライシング制度を除外することもあり得るとしている。

(注)UK CBAMの対象セクターは、アルミニウム、セメント、肥料、水素、鉄鋼。具体的な対象製品は合同関税品目分類表(CN)のCNコードによって判断される(詳細は英国政府「CBAM政策要旨」付則外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを参照)。EU CBAMの対象セクターは、これらに電力が加わる。

(齊藤圭)

(英国、日本)

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