メキシコ大蔵公債省、2027年予算案を発表
(メキシコ)
メキシコ発
2026年09月16日
メキシコ大蔵公債省は9月8日、2027年度(注)歳入法案と歳出計画を国会に提出した。同歳入法案と歳出計画をみると、基礎的財政収支(プライマリー収支)は前年度と同じGDP比で0.5%を目指し、黒字とした。一方、総合財政収支は3.9%の赤字で、前年度よりわずか0.2ポイントの赤字幅縮小を見込んだ。歳入は前年度予算比1.7%、歳出も0.7%それぞれ増加しており、依然として歳出が歳入を上回っている。また、債務残高のGDP比は2026年度予算よりも増加し、55.0%と試算している。
予算策定の前提となる「2027年経済政策一般基準(CGPE2027)」によると、政府は2027年の経済(GDP)成長率を1.5~2.5%(中間値2.0%)と見込んでいる(添付資料表参照)。中央銀行が8月28日に発表した成長率見通しは1.2%~2.8%(中間値2.0%)と中間値は同じだが、政府見通しの方が振れ幅は少ない数値となった。一方、民間シンクタンク45社の経済成長率見通しの平均値は1.75%で、より厳しい数値を採用している。2027年のインフレ率見通しの平均は3.2%と、中銀の3.0%より高い数値を採用したが、前述の民間シンクタンクの見通し平均値は3.84%よりは低い。また、米国の2027年の実質GDP成長率を2.0%と試算しており、民間シンクタンクの見通し平均値の2.15%と比較して低い数値を設定した。楽観的な数値を採用していた前回の2026年度(2025年9月19日記事参照)と比較して、今回の2027年度はやや現実的な数値を採用した。
2027年度も税制改革なく、新たな歳入増加策を導入予定
クラウディア・シェインバウム大統領は、9月9日の早朝記者会見で経済パッケージは5つの柱で構成されているとし、「(1)2%を超える経済成長、(2)福祉プログラムや優先投資プロジェクト、公共投資の保護、(3)架空請求や脱税への対策による歳入の強化、(4)緊縮財政の推進、(5)段階的かつ責任ある赤字の削減だ」と述べた。また、新たな税金はないとしたものの、アントニオ・マルチネス国税庁(SAT)長官は、「架空請求業者や脱税への対策、所得税(ISR)の脱税に対する具体的な規制を行う(2026年9月15日記事参照)」とした。加えて、下院に提出されている改正案の中には、税関法や連邦手数料法などの改正や新たな法案であるデジタル決済・電子決済に関するデジタル経済法があり、予算案の動きだけでなく、関連法案の行方も注視する必要がある。
(注)メキシコの会計年度は暦年(1~12月)。
(阿部眞弘)
(メキシコ)
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