米商務省、CHIPSプラス法で量子分野5社への助成を最終確定
(米国)
ニューヨーク発
2026年09月10日
米国商務省傘下の国立標準技術研究所(NIST)は9月8日、CHIPSおよび科学法(CHIPSプラス法)に基づき、米国の量子コンピューティング関連企業のリゲッティ
、ディーウェイブ
、クオンティニュアム
、サイクオンタム
の4社に対し、各社最大1億ドル、グローバルファウンドリーズ
に対して最大3億7,500万ドルの研究開発支援に関する最終助成契約を締結したと発表した。
今回の助成の最終確定に先立ち、商務省は5月21日にこれら4社などと意向書を締結していた(2026年5月22日記事参照)。なお、5月の発表によれば、各社が今回の助成を受けるためには、商務省が当該企業の少数株式(非支配株)を取得することが条件とされていた。契約を締結した各社の研究開発内容と助成額は次のとおり。
- リゲッティ(Rigetti):次世代の超伝導量子コンピューティング技術およびアーキテクチャの開発・拡張に向けた研究開発に最大1億ドル。
- ディーウェイブ(D-Wave):アニーリング型およびゲート型の超伝導量子コンピューティングの研究開発に最大1億ドル。
- クオンティニュアム(Quantinuum):耐故障性(フォールトトレラント)を備えたトラップイオン型量子コンピュータのスケールアップに向けた研究開発に最大1億ドル。
- サイクオンタム(PsiQuantum):フォトニック量子コンピューティングの技術的課題の解決に向けた研究開発に最大1億ドル。
- グローバルファウンドリーズ(GlobalFoundries):複数の量子コンピュータ向けアーキテクチャやモダリティに対応する、安全な国内量子製造施設の設立に向けた研究開発などに3億7,500万ドル。
リゲッティのスボード・クルカルニ最高経営責任者(CEO)は、NIST発表と同日の同社の発表
で、「当社の研究開発によって量子システムの構築に必要な時間とコストを削減することで、米国の研究者が大規模量子コンピュータをより早く利用できるようになり、米国の量子コンピューティング・エコシステムの強化につながる」と述べた。また、ディーウェイブのアラン・バラッツCEOは、同日の同社の発表
で、「政府は、米国が量子分野で主導権を維持するためには、画期的な研究だけでなく、これら技術を拡大、商業化、製造する能力も不可欠であることを明確に示している」とし、今回の助成はこれらの目標達成に貢献するものであると述べた(注1)。
NISTは2025年9月から、CHIPSプラス法の下で量子技術のほか先端半導体や人工知能(AI)などの研究開発プロジェクトを公募しており(2025年9月30日記事参照)、今回の発表はこれに基づく。プロジェクトの申請は2029年9月30日まで受け付けている(注2)。
(注1)トランプ政権は重要産業に関し、国内投資を進めるとともに、同盟国・有志国とのサプライチェーン強靭(きょうじん)化や国際的なエコシステム構築にも取り組んでいる。詳しくは、2026年2月6日付地域・分析レポート参照。
(注2)申請は2026年9月15日をもって、NISTのシステム更新に伴い一時的に受け付けを停止する予定。公募は2026年11月に再開され、新たな申請手続きの案内が公表される見込み。
(清野華蓮)
(米国)
ビジネス短信 c11805a8418cbc05





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