タミル・ナドゥ州政府が新空港建設用地の代替候補2カ所を選定
(インド)
チェンナイ発
2026年09月14日
インド南部タミル・ナドゥ(TN)州政府は、州都チェンナイでの新たな空港建設に向けて、チェンナイ近郊のチャイユールとグミディポンディ(またはグミディポンディ近郊のマネロール)を建設候補地としてインド空港公社(AAI)に事前実現可能性調査を依頼した。現地メディアが9月5日に報じた。中央政府からはチェンナイ近郊のパランドゥールに建設することで承認を得ていたが、新政権下で環境影響の懸念などを理由に計画を中止した(2026年8月27日記事参照)ため、代替地を探す必要があった。
各候補地の特徴は次のとおり。
(1)チャイユール
既存空港から南に100キロメートル離れた海岸沿いの町。州の前政権が2025年、同地に800エーカー(約3.24平方キロメートル)の工業団地造成を発表しており、新たな工業集積地となりうる。一方で、チャイユール周辺の空域はインド空軍が管轄しているため、新空港建設のためには国防省の承認が必要となる(「ヒンドゥー」紙、9月5日)。
(2)グミディポンディ
市街地から北へ50キロメートル離れた工業地帯。日系企業も操業しているほか、それぞれ日本工業団地(Japan Industrial Township)に指定されている、オリジンズ・チェンナイ工業団地(2024年12月20日記事参照)や、TN州との州境に立地するアンドラ・プラデシュ州のスリ・シティ工業団地にも近接している。一方で、生態系への影響を理由に建設を中止した前候補地のパランドゥールと同様、グミディポンディも鳥獣保護区になっている湖が近いという環境面の問題を抱える。
AAIは今後、双方の候補地を視察したうえで、数カ月後に州政府への報告を行う見込みだ。州政府は後発地域に工業団地を造成する意向を示しており(2026年8月12日記事参照)、南部への空港建設は政策と整合する。一方、チェンナイの既存港湾は街の北部に集まっているほか、チェンナイ北部には多くの日系製造拠点が立地する。新たな産業拠点の形成と、既存インフラの連結性強化のどちらを重視するか、州政府の決定が注目される。
(田村健)
(インド)
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